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柳流水
2022年5月10日 21:00
たぶんコロナ禍に入ってから連載が開始された、岸政彦という社会学者と柴崎友香という小説家の、往復書簡のような形式のエッセイ集。 テーマは、まさに題名通りの「大阪」。どちらも生い立ちの多くは大阪という土地に彩られており、そのうち東京に来た、という所が共通している。 その性質から、大阪の昔を描写せざるを得ないわけだが、それに関して二人とも慎重である。何が慎重かというと、過度に思い出のフィルターを掛
2022年5月5日 21:00
もう図書館に返してしまったので、直接読み返したり引用することはできないが、せっかく読み終えたので雑多に浮かぶことをまとめようと思った。 まず一つ、思ったより現在ある百科全書との差異はない。内容が薄いということもないし、当時必要とされていた知識、網羅的にアーカイブするという意識も、現代のものとそう変わらないのだろう。 前回触れた「神と王の気配を強く感じる」という点も、当時の法全般がそこを根拠に