家族の理想的な関り方
引きこもりからの脱却、自活、就労など行動途中はご家族の支えはとても重要になってきます。ご家族と同居されている方がどう接してあげることがよりよい関係と距離感がとれるかで、精神的に大きく関係します。
支援を受けていても、ご家族の言葉は良くも悪くも影響してきます。そのことを踏まえ実例と共に書いていきたいと思います。
1.家族が障害であると認められない弊害
精神障害と診断されても気持ちの問題だと考える方もまだまだいるのではないでしょうか。
最近になって周囲の状況や自身もうまくいかないということで、少し調べるなどしたことで、気持ちだけではどうにもならないと気がつく人もいるようです。
例えば、自分は体調不良やうつ気味になったが、1年以内に再就職したのにいつになったら働きに行くのかと比較されてしまうことがあります。
また、就労移行支援を利用して訓練している最中には「支援を受けているのにいつまで通い続けなければならないのか」という心無い言葉を掛けられ煽られたり、小ばかにされたような気持になり落ち込んだりする方もいます。
このように受け入れられないというご家族もいるかと思います。
また、自分が最短で回復したのだから、回復しないのは間違っているかのように家族からの心無い言葉は、自分の人生を生きようと努力し始めたご本人のやる気を削ぎ、かえって回復が遅れる原因になるのです。
心無い発言例
いつになったら働きに行くの?
誰があなたの生活費を支払うの?
どうせ続かないでしょ。
いくらお給料がもらえるの?
正社員なの? など
無意識のうちに発していませんか?
2.家族が過保護すぎる弊害
常に把握していたい
姉には過保護すぎる一面もあります。
現在通院している心療内科を探してくれたことに感謝していますが、一人で通院できるまでに回復してからは、どのようなことを話したのか報告がないと怒られたことがあります。
通院のために付き添うことをやめた時点で、手が離れたのだから本人に任せるくらいの気概
姉としては、どの程度まで回復しているのか、社会復帰できるまでどのくらいかかるのかなど聞きたかったようです。
理想を指示する
就職を考える際にご家族がご本人の意志とは関係なく、理想とする条件を提示することがあります。
このような場合、ご家族は障害者が就職する状況をご存じでないことが多いです。
3.好ましい状態とは?
見守る
支援を受けているご本人がどんなことをしているのか、これから何をしようとしているのかご家族は気になることでしょう。
これからなにかに挑戦しようとしている時は、ご家族のご意見は伝えず見守ることが必要になります。
ご家族から相談もしていないのに、アドバイスや意見を言われることで強いストレスになり、やる気がなくなってしまう可能性があるからです。
認める
デイケアや就労移行支援を受け始め、社会復帰に向けてご本人なりの努力をしていることをご家族は認めてあげる、または頭で「何か始めているんだ」と思っているだけでもいいのです。
ご家族の心境としては1日も早く働き始めて欲しいと思っていたり、情けないと思ったりと様々な感情があると思いますが、まずはご本人が行動を開始したことを認めてあげてほしいと思います。
ご本人もご家族同様、早く働きたいと思っているかもしれません。
待つ
何かを始めたときにはとても勇気をもって行動を起こしています。それが、誰かからの促しだったとしても、継続していることが大事なのです。
支援を受けているときには、ご家族は言動などには触れずに、家は心身の休める場所であるための協力を惜しまないで欲しいのです。
心配で気になることを聞きたくなったり、つい一言かけたくなってしまうご家族の気持ちは十二分に伝わっています。
ご本人が家族に対して反発心をもたないためにも温かく見守ってください。
家族は最大の身方であることがとても重要なのです。
体調不良や気分で休むこともありますが、支援を受けていれば支援者とやり取りを必ずしていますので、「そんな日もあるよな」といこころでいてあげて欲しいのです。
最後に
一般就労が可能な障害者・グレーゾーンの方々が自立に向かう過程でご家族は見守ってあげることがとても重要になります。
ご本人から相談された時は、疑ったり、否定するのではなく、勇気づけてあげる心構えでいられているでしょうか。
福祉支援を受けていてもご本人のやる気や可能性を潰すのも伸ばすのも家族の関わり方次第だからです。
支援者とご家族とでは関係の深さが違うので自然なことです。そういう方はご家族への気持ちが複雑に絡んでいるケースがあります。それだけ気にしているということなのです。
また、ご家族も様々な思いがあるから、つい色々と気になりますが、ご本人の代わりに人生を生きてあげることはできません。また、手を携えて生き続けることは到底できないからです。
一番難しいことではありますが、支援などの協力者を利用されているからこそ、家族は見守ることにに徹してください。
ご家族もこれまでも違った心構えでいることでご本人を応援する事にもつながるのです。
複雑に絡み合っている問題もありますので、それはまた次回に。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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