【北海道】【余市】「ホテルLOOP」のディナーコース
余市駅前のワインを楽しむホテル
余市駅前にあるこちらのホテル。
もともとあったビルをリノベーションしたのでしょうか、外観は渋めですが、中はインダストリアル風のオシャレな感じです。
余市町と言えば、ニッカウイスキー蒸留所の他、ワインやワイン用葡萄の一大産地としても知られます。
こちらでは素晴らしいシェフとソムリエによる、北海道の山海の幸を使ったお料理と北海道ワインとのペアリングが楽しめるそうです。
コースメニューは食材名のみ
コースメニュー、これだけを見てもどんな料理が出てくるのか分からないですね…何が出てくるのかワクワクします!
コース料理一品一品に合わせたワイン9種、ちょっとお値段しますが、せっかくだから奮発して頼んでみましょう。
真だちの春巻&北ののぼ
1品目は、真だちの春巻。
パリパリの皮にかぶりつくと、熱々トロトロの真だちの旨味が飛び込みます。
他に椎茸やじゃがいもも入っており、様々な食感が美味しいですね~。
真だちの春巻に合わせるのは、「北ののぼ」。余市のピノ・ノワールとシャルドネを原材料に、栃木県足利市で瓶詰めしている、スパーリングワインです。
口に含むと果実の芳醇な香りが広がりながら、後味はすっと締まる辛口スパーリング。真だちのもったりした食感や濃厚な旨味と絡み合いつつ、後味もスキッとさせてくれます。
牡蠣のパン粉焼&カミサトブラン
2品目は牡蠣のパン粉焼。
焼き牡蠣にパン粉、タルタルソースを添えて、牡蠣フライ風の味わいです。
牡蠣の下にはサボイキャベツが敷かれています。シャキシャキ食感とほんのり青々しい香りが、牡蠣と良い相性です。
合わせるのは、「カミサトブラン」。
蘭越町の白ワインで、ソーヴィニヨン・ブラン等、複数の葡萄をブレンドしているそうです。
ミネラル感とかすかな青々しい香りが、牡蠣のパン粉焼と正しく合致して、とても美味しかったです。
鰊の棒寿司&ポンセ
3品目は鰊の棒寿司。
余市近郊は近ごろ、再び鰊が盛んに取れるようになりました。
炙り鰊は香ばしくも脂乗りもバッチリ。酸味を抑えた赤酢大根と酢飯が絶妙な相性です。
合わせるのは余市の平川ワイナリープレゼンツ、「ポンセ」。
使用している葡萄の種類や配合割合などは非公開だそうです。非公開であることで、先入観なく飲んで欲しいそうです。
口に含むと、ナイアガラのような濃厚な果実香や酸味がブワっと広がり酢飯との相乗効果がもたらされます。
飲み干すと後味に旨味が残り、こちらは鰊の炙り香と抜群でした。
鮃の昆布締め&ル・アッセンブルブラン
4品目は鮃の昆布締め。
昆布締めした鮃を、発酵した大根液に浸し、大根スプラウトを乗せているそうです。
歯ごたえ抜群の鮃に、昆布や大根の旨味が乗算式に重なり、旨味のラッシュが凄まじい!
合わせるのは、旭川の隣町・鷹栖町の葡萄を使用した、ル・アッセンブルブラン。
シャルドネ、ピノ・グリ、ゲヴェルツトラミナーをブレンドした白ワインだそうです。
飲みやすい口当たりから、厚みのある旨味が広がります。これは鮃のためにあるワインと言っても過言ではないくらい最高のマリアージュ!
十勝牛のクレープ&フジモトヴィンヤード
5品目は十勝牛クレープ。
十勝牛の赤ワイン煮を、クレープで包んでいるそうです。上に乗っているのは余市産のりんご。
じっくり煮込まれたホロホロの十勝牛は肉の旨味がしっかり閉じ込められており、コクのあるソースとさっぱりしたりんごのコントラストが美味しかったです。
合わせるのは、フジモトヴィンヤードのピノ・ノワール。余市町の赤ワインです。
淡い色合いとは裏腹に、しっかりとタンニンも感じつつ、ピノ・ノワールらしい繊細な味わい。
ホロッとした赤身の十勝牛に負けず、絶妙なマリアージュが成立しています…!
鱈のポワレ&こことある・シャルドネ
6品目は鱈のポワレ。
アラ出汁を乳化させたクリームソースに、フライドゆり根、椎茸、パクチーを添えています。
プリッと肉厚な鱈はあまり焼きすぎず、プリプリ感を残しています。
クリームソースと絡めるととてもリッチな味わいです。
合わせるのは、こことあるシリーズ・シャルドネ。
余市産のシャルドネを用いて、岩見沢市で瓶詰めした白ワインだそうです。
シャルドネの果実感もありつつ、シャブリのような濃密な口当たりが、重たすぎないクリームソースと相性バッチリでした。
蟹のパエリア&ユアガリノトノ
7品目は蟹のパエリア。
毛ガニとゴボウなどが入ったパエリア。
お米は余市町の隣、仁木町のななつぼしを使用しているそうです。
パエリアの香ばしさもありつつ、醤油や蟹出汁のような和のテイストもあり、洗練された料理なのにとても馴染み深い味わいでした。
合わせるのは、ユアガリノトノ。
余市町の葡萄を使用しています。
こちらも使用葡萄種は不明です。
このワインは豊かな柑橘香が印象的でした。
パエリアに備え付けのレモンをかけると親和性が増します。
和のテイスト漂うパエリアと柑橘系ワインは、一見似通った味わいではないですが、合うものなんですね~。このマリアージュは感動しました!
鹿ステーキ&ヨイチ・ノボリ・パストゥグラン
8品目は、鹿ステーキ。
鹿のロースとハツをローストし、ほうれん草とビーツソースを添えています。
健康的な赤身肉はナイフですっと切れて、とても柔らかかったです。
ビーツソースの優しい甘みが、お肉の旨味を増幅させて、これまた美味しい。
合わせるのは、ヨイチノボリ・パストゥグラン。余市の有名ワイナリー「ドメーヌ・タカヒコ」のワインです。
葡萄種はうろ覚えですが、ピノ・ノワールとツヴァイゲルトだったかな…
飲みやすい口当たりから、しっかりしたタンニン、なんだか気品のある味わいで美味しいですね!
鹿肉の柔らかい赤身感と上品なワインのタンニンが非常に合います。
鹿肉も北海道ワインも、今やこんなに美味しいんですね…!
デザートと雪洞
最後、9品目は余市産りんごを用いた3種のデザート。
手前…りんごのコンポート
左…りんごのクレームブリュレ
右…りんごのアイスクリーム
それぞれ個別に食べても勿論美味しかったですが、3つを合わせて食べてもまた美味しい。
合わせるのは、仁木町の遅摘みケルナーを使用したデザートワイン、雪洞(ぼんぼり)。
優しい口当たりや甘みのほか、紅茶のような香りも広がり、りんごスイーツとお茶を合せているような感覚になりました。
どの料理も優しい味わいで、塩辛さや酸味の棘、脂身の重さとかが全く無く、大満足の美味しさでした。
また、その料理とのペアリングを考え選び抜かれたワインもそれぞれ個性がありながら、全て美味しかったです。
これまで素材頼みの事が多かった北海道グルメも、素晴らしいスペシャリストの技術が加えられてきたように思います。
美味しい素材と洗練された技術の両方が味わえる時代になり、ありがたい限りです。
ごちそうさまでした。
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