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最初にして最重要!ユーザー訴求(Who)と提供価値(What)をFitさせる方法 【Who-What Fit理論の実践】

今回は、前回ご紹介したPtmind独自のWho-What Fit理論の実践に踏み込み、Who-What Fit 3つのポイントの1つ目「WhoとWhatをFitさせられるのか」を掘り下げていきます。

ポイント①:WhoとWhatをFitさせられるのか
ポイント②:Fitし続けることができるのか
ポイント③:体制もWho-What Fitできるのか


まずはWho-What Fit理論をおさらい

以下に、Who-What Fitの4つの重要アクションを章立ててご紹介します。

1. Who-Whatの起点情報の収集

何はともあれまずは己を知ることから。最初のアクションとして、自社製品やサービスのセールスポイントを洗い出します。

VIVAIAも、日本市場に進出するタイミングでは、製品のどんな点が日本のお客様に魅力的に映り、商品の購買に至るのかは実際にお客様とのコミュニケーションやリサーチを通じて磨いていくほかありませんでした。

VIVAIAのセールスポイントを洗い出す際は、技術、素材、設計、デザイン、価格、基準、権威性、理念という8つの項目に沿って検討し、多方面をカバーする整理を行いました。

また、セールスポイントやユーザーの潜在的なニーズを見つけるためのリサーチとして、VIVAIAでは3つを主に行いました。

デスクリサーチ、ユーザーインタビュー・フォーカスグループインタビュー、競合商品への口コミや彼らのプロモーション素材の分析です。これらを行いながら、自社のニーズやユニークセリングポイントの理解を深めていきました。

これらの活動を通じてわかるのが、WhoとWhatの仮説です。重要なのは、この時点ではあくまでもブランドが考える仮説でしかなく、実際にお客様に受け入れられるかは検証を重ねて見極めていく必要があるということです。

ユーザーへのインタビューで明らかになった彼らのニーズからWhoを、各種リサーチで明らかになった自社製品の強みやユニークセリングポイントからWhatを見つけます。

そしてそれぞれをペアリングして、Who-Whatの組み合わせを作ります。これが、のちの広告クリエイティブやランディングページ(以下LP)で検証していく方向性となります。

VIVAIAの場合は、下記の3つが初期に立てたWho-Whatの主な仮説でした。

2. 「3要素・5指標」でWho-WhatのFitを検証

3要素でプロモーションの基礎を整える

Who-Whatのセットができたところで、早速検証に入ります。

広告キャッチコピー、広告バナー、ランディングページの3つをWho-Whatの仮説の方向性を検証する際の変数かつ検証フィールドと捉え、先ほどペアリングしたWho-Whatの方向性を、3つに散りばめて作成していきます。

ちなみに、広告のキャッチコピーとバナーの設計には型があります。VIVAIAが特に多用しているのは、2つです。

製品の特徴をダイレクトに表現する「ストレート型​」とユーザレビューのような形で、親近感を高め、広告っぽさを薄める「口コミ型」です。製品によって相性の良い型は異なると思いますので、ぜひお試しください。

また、LPにも同じく型が存在します。VIVAIAでは「獲得LP」とお客様にアンケートを行う「インタラクティブLP」を作成・運用することが多いです。

3つの要素で検証を行ったならば、その結果を評価するための指標が必要です。Who-What Fit理論では、CTR、FV通過率、熟読状態、CVR、ROAS/CPA という5つの指標を提唱しています。

3つの要素との対応関係は下記のとおりです。

検証は継続こそ重要!

検証は必ずしも一度で結果が出るものではありません。5つの指標を見ていくとボトルネックとなるポイントが見つかるはずです。

VIVAIAも例に漏れず、5指標で評価した結果は、当初はまだまだ理想的なものではありませんでした。

そうなると、次の検証へと進んでいくことになるケースがほとんどだと思います。その際に多くのブランドで課題となっているのが、広告クリエイティブとLPをいかに量産するかです。

VIVAIAの場合、広告クリエイティブにおいては、画像とコピーのバリエーションを揃え、それらを組み合わせることで、さまざまなパターンを作成し、量産に成功しました。

問題なのはLPです。通常LP作成には広告クリエイティブ以上にリソースが割かれるものです。しかし、VIVAIAはLPをも量産に成功しました。

LPの新カテゴリ Ptengineすぐに作れる「商品詳細LP」

量産できたのは、紛れもなく、商品詳細ページにFVとSVを差し込むだけだったからにほかなりません。つまり、0からLPを作っているのではなく、既存ページを簡単に編集したのです。

Ptengineには「ページ編集」機能があり、テキストや画像の挿入などをノーコードで瞬時に行い、ページに反映させることができます。VIVAIAではこの機能を用いて、既存の商品詳細ページにLPとしての訴求機能を持たせたのです。

また、Who-Whatの方向性に基づいて別々の画像を差し込んだページをA/Bテストすることで、明確にLPにおいて、どちらのWho-Whatがよりお客様に受けが良いのかを一目でテスト・検証することができるのです。

こうして広告クリエイティブとLPそれぞれの量産を実現したことで、Who-Whatの検証サイクルも効率的なものになりました。

その結果、5つの指標のうちCTR、FV通過率、熟読状態、CVRそれぞれのパフォーマンスからデータパターンが見えてきました。

これらのパターンの中で、VIVAIAが着目していたのがBとFです。Bはそこまでは悪くないものの、最終的なコンバージョンに至らないケース、Fは、広告運用の観点ではパフォーマンスが出ていないケースとして、いずれもボツになりそうなパターンです。

しかし、広告だけ、LPだけではなく、広告からLPまでの一連のフローを考えると、それぞれのパターンにも改善点、つまり勝機を見出すことができるのです。

実際VIVAIAの3つのWho-Whatでも、最も効果の高かった「履き心地のよさ、疲れにくさ」の訴求も、BとFに分類されました。

3. 顧客アンケートでWho-Whatを詳細化 精度UP

こうして複数のWho-Whatの仮説検証からより有効なものを発見したら、次のステップはその精度を上げていくことです。

たとえばPtengineを使う場合は、ヒートマップ機能でページ内のユーザーの注目が集まるコンテンツを分析したり、Web接客機能でユーザーアンケートを作成してお客様の声を聞いたりすることができます。

特にVIVAIAは、後者のユーザーアンケートに注力しています。「履き心地のよさ、疲れにくさ」にWho-Whatが絞れたら、次は、購入直後のお客様に対してアンケートを表示し、さまざまな質問に答えてもらうことで、Whoへの理解をさらに深めるのです。

アンケート結果を通じてWhoが詳細化されれば、自ずとそこにペアリングされるWhatも細分化することができます。

「足が疲れにくいシューズへのニーズ」は、「外反母趾」や「幅広」など足の悩みや、「長時間の着用で痛みや疲れが気になる」というWhoになります。

また、「弾力性やソールの機能性の高さ」という製品の特徴は、「柔軟性のあるアッパー」や「アーチサポート」、「広めなつま先デザイン」といった製品の機能性により踏み込んだWhatに、それぞれアップデートすることができました。

4. 広告運用で広く波及 プロモーション効率向上

さらに磨かれたWho-Whatに合わせて広告クリエイティブとLPも改善し、プロモーション効率はみるみる上がりました。

ROASも1.0から2.5〜3.0までUP!

全体ROASも1.0から2.5~3.0にまで向上し、日本市場展開後のVIVAIAは最初の大きな成長点を迎えることとなりました。

次回は 製品開発に活かす Fitし続けるための実践

いかがでしたか?今回は、Who-What Fit理論のポイントの1つ目「WhoとWhatをFitさせられるのか」について、 VIVAIAの実例をたどりながら実践のフローをご紹介しました。

次回は、2つ目のポイント「Fitし続けることができるのか」を取り上げます。製品開発にも活かし、継続的にWho-What Fitをし続けるための実践に着目します。

どうぞお楽しみに!

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