過去の完了を目指せ
あなたは過去にあった楽しい出来事と悲しい出来事、どちらの方が強く覚えているだろうか?
一般的には悲しい出来事やネガティブな出来事の方がより鮮明に覚えていると言われている。
少し思い出してみてほしい。恋人と行った記念日のディナーや家族との旅行、非常に楽しく幸せだったはずだ。
しかし、その日の詳細まで聞かれると覚えてない方も多いだろう。
レストランでは何を食べたか、どんな順番で料理が出てきたか、料理を待っている間どんな話をしたかなど、具体的な事は忘れてしまう。
なぜかと言うと、その楽しかった過去があなたの中で完了しているからである。
完了しているというのは、そこに何の疑問も存在しない事である。
つまり、「いつ」「どこで」「誰と」「何をした」という4Wが明確である。
例えば、記念日ディナーの例で言うと、
「いつ」- 昨日
「どこで」- フレンチレストランで
「誰と」- 愛する人と
「何をした」- 楽しい時間を過ごした
という風に一連の過去が完結している。そして一度完了し、満足した過去はあなたの記憶から消えてしまう。
だから楽しかった事やポジティブな事はすぐに忘れてしまう。
その一方で悲しかった出来事はあなたの中で完了を迎えていない。そこには必ず疑問が残っている。
例えば、恋人にフラれた例を用いて考える。
なぜフラれたのか?何がダメだったのか?どうすればフラれずに済んだのか?何を直せばよかったのか?
などなど、考えれば考えるほど疑問が出てくる。そして、その答えはいくら考えても出てこない。だから、悩み続け、いつまでも覚えている。
そして、人は完了しない悲しい過去を無かった事にしようとする。
「私寝たら嫌な事もすぐ忘れるんだよね〜」という人が時々いるが、これはまさにそうである。
完了していない過去を無かった事にしているだけなのである。
しかし、無かった事にしてもあなたの中には記憶として残っている。そして、その出来事に似た出来事が起きた時、その時の記憶とリンクし、同じ事で悲しみ、同じ事で悩むのである。
これが、人が何度も同じ悲しみや悩みを繰り返す理由である。
あなたにだけ何度も同じ出来事が起きてるんではなく、あなたが無かった事にした過去が何度もあなたをその悲しみの中に引きずり込んでいるのだ。
だからこそ過去の完了をしないといけない。逆に過去の完了が出来ればあなたの悩みや辛い過去の記憶は消えてくれる。
トラウマなんかはいい例だろう。
トラウマを解消する1番の方法はそのトラウマに向き合い、そのトラウマを「完了」させる事である。
その1番の方法が、前回、前々回の投稿で書いた「事実と解釈の区別」である。
そちらまだ読んでない方は良ければ一緒にどうぞ。
過去の完了を目指せ。
最後まで読んで頂きありがとうございました。