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中医学から見た‟海藻”も清化熱痰で軟堅散結の効果があります!

昨日までのコラムで、海藻の褐藻類に含まれる‟フコイダン”や、海苔などの紅藻類に含まれる‟ポルフィラン”について見て来ましたが、今日はこの海藻類を中医学(東洋医学)から見た時の性質や効能について見て行こうと思います。

中医学では海藻は、去痰や消痰の働きがあるとされる化痰類に含まれます。

ちなみに、中医学で言う「痰」とは、狭義と広義の二つの異なった意味があります。狭義の痰は、肺や気管支から咳などとともに出る、あの痰のことで痰液を指します。広義の痰は、経絡や臓腑に留まって様々な症候になるとされているものです。

海藻は狭義、広義含めて、この痰を除く効果があるとされています。

化痰類の食薬は、清化熱痰と温化寒痰に分けられますが、清化熱痰の食薬は、性質が寒涼でまさに熱痰を冷ます効果があり、性味の味は鹹味で軟堅散結の効能があることから、硬いものを砕く作用が働くことになります。

海藻類のわかめや昆布、そしてのりも、寒性で鹹味の性味を持っていますので、広義の痰を抑えます。清化熱痰の食薬の中でも潤燥の働きのある食薬であるため、利水消腫や清熱利尿の働きがあるとされています。

こう見て行くと、フコイダンやポリフィランが免疫力アップに働いたのと広い意味では合致していますし、がん抑制と言う意味においても、軟堅散結の効能というところから、腫瘍を退ける意味にも取れなくもないですね。

もちろん、漢方薬の生薬ほどの効果はなく、あくまでも食薬としての海藻ですので、即効性があるわけではありません。

ただ、中医学の観点から見ても、効果的な食薬ですので、フコイダンやポリフィランの効能も考え合わせて、海藻は継続して摂取すべき食材なのかなと思います。

今日の画像は、昆布と‟うに”です。うにはとても美味しい食材で私も大好きですが、今日の海藻の話しとは全く関係がございません。