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【インタビュー】ゲームストリーマー「スタンミじゃぱん」さん 男性ストリーマーの美容事情

チャンネル登録者数45万人超えのYouTubeチャンネル「スタンミ」で、ゲーム配信をしながら、視聴者を爆笑の渦へと巻き込んでいるスタンミじゃぱんさん。その一方、類まれなるルックスを活かした美肌や体型維持に関する投稿も積極的で、数々の化粧品メーカーとのコラボも話題になっています。スタンミじゃぱんさんの活動の原点に迫りながら、「男性ストリーマーの美容事情」について聞きました。

スタンミじゃぱん/ストリーマー、インフルエンサー。1995年4月23日生まれ。YouTubeチャンネル「スタンミ」ほか、Twitch、OPENREC.tvなどでゲームストリーミングを配信するほか、リアルイベント等でファンとの交流も盛んに行い、Z世代を中心に人気を集めている。スガワラユウヤ名義で俳優・モデルとしても活躍中。

スクリーンの向こう側にいる人に憧れ、ゲーム配信の世界へ

――現在の活動をするようになったきっかけを教えてください

子どもの頃、母親と一緒に映画『タイタニック』を観に行ったんです。あの作品って3時間もあるんですけど、上映中、僕は席も立たずに集中していて。いま思えば、スクリーンの向こう側にいる俳優さんたちに惹かれていたんです。それを機に表舞台に立つ人になりたいという気持ちが膨らんでいきました。

そんななかで様々なことにチャレンジしていたんですが、そのひとつが「ゲーム配信」です。はじめたのは高校生の頃。でも当時はゲーム配信でお金が稼げるような時代ではなくて、逆にお金を支払って配信させてもらっていて。しかも、観に来てくれる人なんてほとんどいない。6時間くらい配信をして、来場者数は5人くらいという状況を半年間ずっと続けていました。

――それでも続けられたのは「好き」だったからですか?

そうですね。ゲーム自体が大好きなので、何時間でもできましたし、それに「これしかない」とも感じていました。実は僕、生まれつき、本態性振戦という病気があったんです。突然、手が震えだしてしまうんですが、それによって、表舞台に立つような仕事は無理なんじゃないかと諦めていて。でも、ゲーム配信の世界でなら闘えるかもしれない。だから、「この道でやっていくぞ!」という強い思いがありました。

――いまではYouTube、Instagram、TikTokなどでかなりのフォロワー数を抱えていますね

ありがたいことですが、個人的にはまだまだだと思っています。「人気」というものは儚いものですから、いつ忘れられてしまうかもわからない。だからこそ、人の記憶に残るように頑張らなきゃいけないとも思うんですけどね。

それこそ、気づかれないかもしれないような使い分けの工夫もしています。YouTubeに投稿するのはギャグっぽい動画ですが、Instagramでは格好いい部分を見せるようにしていて。ギャップを出すことで、気にかけてくれる人が増えればいいな、と。また、TikTokは入口として最適な媒体なので、広くバズるような動画を投稿して、そこからYouTubeに来てもらえるように意識しています。一番反響があるXでは、格好いい自分とギャグっぽい自分を交互にアップしていて、ハイブリッド型のアカウントであることを目指しています。

自分の写真に衝撃を受け、美容に目覚める

――スタンミさんは様々な顔を見せることを意識されていますが、実は美容好きである一面もお持ちですね

元々はまったく関心がなかったんです。でも、20代前半の頃、プロのカメラマンに撮ってもらった写真を見てみたら、あまりにもひどくて(笑)。肌は汚いし、髭も眉毛も生えっぱなしだし、太っていたし、そんな自分に愕然としました。それがきっかけとなって、自分磨きに目覚めました。

――具体的にはどんなことをしたんですか?

まずはダイエットです。炭水化物オフダイエットをして、1カ月で10キロ落としました。でも、炭水化物オフダイエットって継続性がないんです。なので、すぐに脂質制限に切り替えて、それはいまだに継続しています。揚げ物や肉の脂はなるべく控えて、調理にもサラダ油は使わないようにして、その分、魚の良質な脂を摂ったり、ナッツや納豆、卵などを中心的に食べたりしています。

それから肌質の改善にも取り組みました。マイクロニードルを使って肌を綺麗にするポテンツァという美容医療も受けています。歯列矯正で歯並びも綺麗にしました。美容って取り組んでみると、自分が少しずつ変わっていくのを実感できるんですよ。それが自信にもつながっていきました。

――最近では美容についての発信や美容系ブランドとのコラボも積極的に行われています。視聴者からの反響はいかがですか?

男性ファンに向けて、「オールインワンの化粧水」について発信したら、めちゃくちゃ反響があったんです。僕自身よくわかるんですけど、美容に興味がない男性って、化粧水、乳液、美容液の違いが理解できないんですよ。違いがわからないし、どの順番で塗ればいいのかもわからない。でも、オールインワンだったらすべて入っているから簡単だし、チャレンジしやすい。多くの男性がそう考えているはずだと思ってオススメしたら、案の定でした。美容初心者の視聴者の気持ちが僕はすごくよくわかるし、逆に視聴者も、昔は美容に興味がなかった僕に対して共感してくれるんですよね。

――視聴者への影響だけではなく、ゲーム配信者にも影響がありそうです

実は同業者にももっと美容やオシャレに興味を持ってもらいたくて、以前、イベントでスタイリングをさせてもらったことがあります。そもそもゲーム配信者って、やっぱりオシャレに無頓着な人が多くて。でも、まったく興味がないかというとそうでもないんです。ただ、オシャレに目覚めたときに、「ゲーマーのくせに、オシャレなんかしてんなよ」って叩かれるんじゃないかという恐怖がある。だから、どうしても一歩踏み出せない。その気持ちがよくわかるので、あくまでも「スタンミがスタイリングしました」という体で、みんなを変身させてみました。結果、いまではみんな、それぞれにオシャレするようになって。そういう姿を見ると、少しは影響を与えられたのかなって嬉しくなりますね。

そうやってゲーマー業界が変わっていくことで、仕事の可能性もどんどん広がっていくんじゃないかなと期待もしています。これまでだったら、ゲーマーをCMに起用しようなんて考える企業はほとんどなかった。でも、オシャレなゲーマーが増えれば、キャスティング候補に入るかもしれないですよね。僕が「モデル業も始めます」と発表したときは、「あいつ、どこ目指してんだよ」なんて揶揄されましたけど、それでもいまではWEB CMの依頼をいただくようになりました。そんな風に、「ゲーム配信者・ゲーマー」という職業の可能性を広げていく一助を担えたら良いな、と思っています。

――ちなみに、ゲーム配信者ならではの美容の悩みってあるんですか?

ありますよ! ゲーマーって基本的に椅子に座っている時間が長いじゃないですか。すると、背中を背もたれにくっつけている時間も長くなって、そのせいで背中が荒れちゃうんです。これは男女問わず、インドアなゲーマー全員の悩みですね。だから蒸れにくい素材の椅子を選んだり、風呂上がりには背中をしっかり保湿したりするのが重要だと思います。

ゲーム配信者をやりながら、いずれは俳優として活躍したい

――企業とのコラボ動画も配信されていますが、案件を受ける基準はありますか?

自由度がなくて言うことも何もかもガッチリ固められてしまっているものは、お断りすることが多いです。たとえば、商品を紹介するにしても、なるべく自分の言葉で面白くしたいんですよ。言わされるだけだと気持ちも乗らないし、面白くないじゃないですか。

それと、紹介する商品は事前に自腹で購入して、きちんと試します。実際に使ってみて、心の底からオススメできるかどうか、それも案件を受けるかどうかの基準になりますね。

これは案件ではないんですが、過去に男性でも使えるファンデーションやBBクリームを紹介しようと思ったとき、トータルで50種類くらい試したことがありました。男性の場合、やっぱりメイクしていることが周囲にバレにくいほうが使いやすいじゃないですか。だから、薄付きでも肌をカバーしてくれる商品を探そうと思って、結局、50種類も試すことになったんです(笑)。

――ブランドや企業に求めることはありますか?

ゲームの市場はどんどん大きくなっていて、ファンも大勢いるので、そこで活躍しているインフルエンサーを起用するメリットも大きいと思います。それは知ってもらいたいですね。正直、ゲーマーに訴えかける広告なら僕を起用してもらったほうが絶対に訴求力があるのにな……と思うCMやタイアップも見かけますし(笑)。

――コラボという形でも表舞台にどんどん出るようになられていますが、最終的な目標も聞かせてください

挑戦したいことはたくさんあるんですけど、最終的には俳優として活動していきたいんです。でも、そこに至るまでのルートは様々だと思っていて。コスプレの写真をInstagramにアップすることも、ギャグ動画をYouTubeに投稿することも、あるいはモデルとしての写真がバズることも、すべてが俳優になることにつながる可能性を秘めていると思っています。ただ、課題ももちろんある。先日、芸能事務所さんに呼ばれて、顔合わせに行ってきたんです。事前に台本ももらっていて、セリフは全部頭に入れた状態で。だけど、いざ、審査員の前に立ったら緊張しちゃって、せっかく覚えたセリフも全部飛んでしまいました……。それがあまりにもショックで、帰りのタクシーのなかで大号泣しちゃって。やっぱり、僕には足りないものがまだまだあるんだな、と痛感しました。

だからこそ、ワークショップに通って演技の勉強をしたり、滑舌の塾で滑らかに喋れるよう訓練したりと、ゲーム配信者として活動しつつも、俳優になるための基礎も磨いています。当面はそれを両立することが目標ですね。そしていつか、売れっ子俳優と肩を並べるくらいになれたらいいなって思います。

スタンミじゃぱんさんのSNS・YouTubeアカウント

Z世代に愛されるゲームストリーマーのヒント

1. コメディチックな一面からクールな表情まで、多様な魅力を見せる
2. ゲーマーの印象を刷新するために業界全体の底上げに尽力
3. 美容アイテムは自ら試し、心から良いと感じたものだけを勧める

YouTuberやインフルエンサーとの企業タイアップやCMは数あれど、ゲームストリーマーを起用するプロモーションはまだあまり多くありません。YouTubeチャンネル45万超のスタンミじゃぱんさんを始め、Z世代が好んで視聴するストリーミング配信は多くあります。Z世代への訴求を考えるとき、ゲームストリーマーたちとのコラボやCM起用も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

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