高尾歳時記 2024年11月17日
2024年11月15日読売新聞朝刊「編集手帳」(読売新聞東京本社)より引きます。原文縦書き。
:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:
<山男、よく聞けよ>。1970年代、新聞各紙にこんな見出しの広告が出たことがある。ダークダックス『山男の歌』の宣伝ではない◆NTTの前身である電電公社が天気予報の177番の利用を呼びかけたものだ。見出しのあとにはこう続いた。<夏山はどちらへ? 娘心はともかく、山の天気は/現地の市外局番プラス/一七七番でお確かめください/くれぐれも、気をつけて>◆NTT東日本と西日本は来年3月末でこのサービスを終了する。インターネットの気象情報に取って代わられ、利用が減少したためという◆
:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:
サービスの開始は昭和30年(1955)とのこと。そして約70年ののち、令和7年(2025)3月末をもって終了するとのことです。子供のころ、親に買ってもらったカシオのデジタル時計の時刻を1秒単位でぴったり合わせるために、117番の時報をちょこまか使って無駄づかいするなと怒られた記憶がありますが、天気予報は使ったことあったかな?
遠足や運動会の前の日に親がつかったことがあったようななかったような、不確かな、かすかな記憶しかありませんが、子どものころ(70年代から80年代)、天気予報はもっぱら、とかいうより、ほとんど全面的に新聞とテレビに依拠していたような気がします。あと場合によって、ラジオぐらいでしょうか。特に登山では、かならずラジオでした。…とここまで書いたところで、このころすでに手のひらサイズの受信機、トランジスタラジオがあったはず…(じゃないと記憶がおかしい)と思い、ちょっと調べてみました。人間の記憶ほどあてにならないものはありませんからね。
そしたら、1950年代にはすでにトランジスタラジオがソニーから発売されており(*1)、私が子どものころには山歩きに持って行けそうなコンパクトな受信機は確かにありました。でも、さぞかし高価だったでしょうね。なんか気軽におもちゃみたいな扱いをしていたような気がしますが、子どものときにそんなこと考えたことありませんでした。
それにしても、日常生活においてならともかく、登山の天気確認まで電話でほんとうにやっていたんでしょうか?もしそうだとしたら、これはちょっと驚きですね。天気は登山の安全性に直結します。さすがに計画段階で、天気の確認を電話サービスで済ますなんてことはしていなかったでしょう。とすると、編集手帳にあるCMは、ほんとうに登山者向けに打ったものではなさそうですね。行楽のおともに、電電公社の天気予報もどうぞ、ぐらいのお気軽CMだったのでは。が、みたことあるわけではなく、あくまでも想像ですので本当にそうかは知りませんけど。
今年は富士山の冠雪が史上もっとも遅い年となりましたが、ようやく富士山も雪化粧となり、高尾の紅葉に間に合いました。前日土曜日はどんよりとした曇り空となり、ときおりぱらっと雨がふる天気でしたが、本日は早朝雨がやんだあとは晴れ間がでて、気温はぐんとあがり、東京都心の最高気温は11月としては異例の24℃近くになりました。
高尾山の紅葉は真っ盛りをむかえています。土曜日と日曜日の人出はおそらく今年一番なのではないかというぐらい、大混雑でした。紅葉は今週いっぱいがピークで、来週ぐらいから散り始めになると思います。
紅葉が終わると、高尾は本格的な冬を迎えます。
(*1)
ソニーストア スペシャルコンテンツ 「ラジオとともに歩んだソニーの歴史」 閲覧日:2024年11月18日