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高尾歳時記 2025年1月18日

 登山をやっていると、どうしても道具やウェアのニオイの問題からのがれることはできません。山では、強烈な匂いが漂ってくるひととすれちがうことは日常茶飯事です。男女問いません。気づいていないのか、諦めているのか。今日も往路、電車の中で、すでにすごいひとが何人かいました。

 ウェアをどれだけきちんと洗濯しても、皮脂汚れを完全に取り除くことは不可能。使っているうちに汗や皮脂に含まれるタンパク質をエサとする雑菌がウェアに定着し、繁殖する際に出す排泄物があの不快なニオイを発します。

 この雑菌が厄介なのは、洗濯しても完全に落ちないそのしぶとさ。洗濯して一旦さっぱりしたと思っても、しばらくすると繁殖を始めてニオイを発するようになります。ちゃんと洗っているのになんかいつもタオルがくさいというご経験のある方、いらっしゃいますよね。

 このニオイを根本的に解決するには、雑菌を殺す必要があります。塩素系の漂白剤が効果テキメンなのですが、強力すぎて生地染色へのダメージもテキメン。山ウェアには使えません。酸素系の漂白剤も使える衣服が限定されます。

 山屋はオスバンを使います。

 オスバンは病院や飲食店などで使われている殺菌剤。原液を希釈して床や手すりに散布して拭いたり、食器を漬けたりするなどして使用します。

 オスバンはいわゆる逆性石鹸で、漂白剤とは全く異なる原理で殺菌効果を発揮するので、人体の皮膚を含め用途が広いという利点があります。ですが、商品の説明書を読む限り洗濯に使うのはあくまでも目的外使用です。なので、ウェアの殺菌に使用するのは自己責任です。

 また、以下の注意点があります。

  • 逆性石鹸の殺菌効果は優しく、それがそうであるがゆえに色々な衣服に使えるのですが、かわりに即効性はなく時間がかかるので、一定の時間希釈液に漬け込むことが必要。

  • 逆性石鹸は石鹸の効果を相殺してしまうので、洗剤を使う通常の洗濯前に真水ですすいでオスバンを落とさなければならない(洗剤などを入れずに洗濯機をまわす)。

  • ドロや汗などの汚れが激しい場合は効果が減殺されるので、漬け込み前に洗濯が必要な場合がある。

 以上に加えて、漬け込み時間やどれぐらい希釈するかは何度も試しながら自分の最適解を見つける必要があり、手間はかかるのですが、漂白剤が使えないさまざまな衣類に使用が可能。また、希釈して使うので極めて安価です(なので、何度試しても悔しくない)。登山に限らず汗臭いスポーツウェア全般の殺菌ができるとともに、タオルやシャツなどの下着もオスバンで殺菌していますので、匂わず助かります。

 本日の高尾の天気は晴れ。素晴らしい晴天でしたが、夜間の冷えこみは厳しく、早朝の高尾山口駅前の気温は零下4℃。あっというまに手がかじかんで、スマホもいじれなくなるぐらいの極寒ですが、準備はちゃんとしてきたので大丈夫です。今日は山行中気温が5℃以上になることはありませんでした。

 本日人出は少なめ。久しぶりに静かなトレイルをぐるっと巡ってきました。

早朝の高尾山口駅前を出発。気温は零下4℃。極寒です。
本日は旧暦12月19日。このあと徐々に月は缺けていき、1月29日に新月となり、見えなくなります。この日が旧暦の1月1日、旧正月です。
早咲きの梅が開花していました。よく年賀状に花が咲いた梅の木があしらわれることがありますが、それはいうまでもなく、旧正月を過ぎた頃から開花しはじめるからです。
昨晩はよく冷えました。
霜にびっしりおおわれたナンテン。
ここでは霜の結晶がおおきく育っています。
ここは山の北側なので、すべてがカチコチにてついています。
この季節貴重な森の彩り。ヤブコウジの実。
こちらも貴重な彩り。ヤマテリハノイバラの葉。
三浦半島方面の遠景。朝日に輝く相模湾。
江ノ島のシルエットもばっちり。
(小仏)城山山頂から、富士山。
同じく城山山頂から都心方面の遠景。
一丁平手前の脇道から。日影乗鞍の稜線の向こうにうっすらと見えるのは、筑波山です。筑波山は、谷川岳などと同じような双耳峰そうじほう(猫の耳のように、いただきがふたつならぶ)。見間違えようがありません。
一丁平の展望台からも富士山キレイに見えました。
同じく一丁平の展望台から相模湾。江ノ島のシルエット。

今日もシモバシラの氷華は大豊作でした。

高尾山山頂に到着。
同じく高尾山山頂から、丹沢主脈の稜線。

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