「自分ごと」で人と人をつなぐ。エスカランテ クリエル 純さんの「キャリアストーリー」( #私だけのキャリアストーリー 003)
世界を「自分ごと」でつなぐ架け橋に
エスカランテ クリエル 純さんが目指すのは、異なる考えや異なる文化を持つ他人同士が「自分ごと」化によって調和するきっかけを作ることだ。
「私は(メキシコ出身の)主人と結婚して、娘もメキシコに1年間留学をして、今ではメキシコという国をすごく近くに感じています。オリンピックでも、日本だけでなくてメキシコも応援したり。他にも、タイ出身の友人やロシア出身の友人など、異文化交流を通じて国際社会をすごく身近に感じる機会に恵まれたと感じます。」
「日本国外出身の友人がいると、世界がとたんに『自分ごと』になると思うんです。そんな知り合いや友人が増えれば増えるほど、海外で起きていることのニュースや出来事をぐっと身近に感じ、より国際的な視野で物事を観ることができる。そんな体験を、多くの人が出来る機会が増えていけば良いなと感じています。」
人と人のつながりで、化学反応を
エスカランテ クリエル 純さんは、現在外資系出版社の人事として働いている。元々オフィスマネジメントを担当していたところ、日本で人事部が立ち上げるタイミングで手を上げ、2022年1月に異動が叶った。
「私は元々、人に寄り添うようなサポートをするのが好きで、いつか人事領域にキャリアパスを伸ばしていけたら良いなと考えていました」とエスカランテさんは言う。「オフィスマネジメントも楽しかったのですが、人事は社員の自己開発やキャリアサポートなど、より人に近いところで仕事ができるというのに強い魅力を感じました。」
人事としてのやりがいは、「人と人をつなぐ」ことで起きる化学反応によって新しい考え方や新たな挑戦が生まれる瞬間を創り出せることだ、とエスカランテさんは言う。
「例えば面接の時も、この方とあの人をつなげたらこんな面白いことができそうだ、とか、この方がチームに入ったら上手く回りそうだ、とか、想像を膨らませるのが楽しくて。結局人が好きなので、人と何か一緒にやったり、人と人をつなげるのが性に合っているのだと感じます。」
「つなぐ」を、世界に
現在の会社は勤続7年目だというエスカランテさん。今回が、本人にとってキャリアの中で初めての正社員のポジションだという。
「大学を卒業してから結婚をして、子どもを授かってからはしばらく専業主婦として日々を送っていました。ただ、気持ちの中では、いつか自分も子育てが落ち着いたら社会に出たいという気持ちが強かった。もう一度キャリアづくりにチャレンジしようと思って、一歩踏み出しました。」
将来的には、「人と人をつなげる」という自分のスキルを活かしながら、より多様性のある社会づくりに貢献していきたいとエスカランテさんは語る。
「幸いにも英語ができて、周りにも国籍豊かな友人や知人が多くいる環境に恵まれてきたので、この経験を活かしたキャリアを歩めたらと思っています。例えば、これからますます国際化が進む日本において、異なる考えを持つ人を機会とつなぐような役割ができれば、世の中はもっとよくなると思う。私自身の経験やキャリアが、より多様性のある社会を作る動きの一つのきっかけとなれば良いなと考えているところです。」
(文:村井秀輔)
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