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エッセイのようなもの

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生きにくいまま、生きていく。生きにくいまま、戦う。
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緊急提言!小林賢太郎氏解任について思うこと。

■日本は最高クラスの文化財を失った。私が影響を受けた人物の中の筆頭と言っても過言でもない人物、 小林賢太郎氏。彼にまつわるニュースを目にし、憤りとともに 呆れや“やっぱりな”という半ばわかりきった感情が湧き出てきた。 あまりこういうタイムリーなことへの提言は避けてきたが、 小林賢太郎氏を勝手に師事している身として 書かないわけにはいかなっかった。 今回の件で、日本は重要なエンターテインメントや芸術の最高クラスの 人物を失ったことだろう。 ・発端 7月21日夜、芸能雑誌が不

【カゾクの形】家族について書いてみた<あとがき>

■あとがき 私は以前、ある二つの組織と話をしたことがある。それは私の生活が困窮を極めていた時であった。藁にもすがる思いで話をしに行った。 一つ目は社会福祉協議会。 生活困窮者の自立相談支援事業をやっていることを知った。 少額だが貸付も行なっているそうだ。 二つ目は役所の生活福祉課。  その時の私は家賃や光熱費、携帯電話の通信費などを満足に支払えないでいた。理由はいろいろあるのだが今は割愛させていただく。 私の生活が困窮に陥ったわけはもう少し後に書くことにする。 今は、《

【紀子の食卓】カゾクの形<第四回>レンタル家族

まえがき 【逆噴射家族】カゾクの形<第一回>家族間戦争 【誰も知らない】カゾクの形<第二回>家庭内で起こる誰も知らないこと 【パラサイト-半地下の家族-】カゾクの形<第三回>貧困家庭のサバイバル ■紀子の食卓(2006)※この映画は同監督による「自殺サークル」の内容も含まれますが、この記事ではあくまでも「紀子の食卓」に焦点を置いております。「自殺サークル」の内容には気持ち程度しか触れておりませんが深く知りたい方は是非ご視聴ください。名作です。 ■幸せな島原家▼おめで

【パラサイト-半地下の家族-】カゾクの形<第三回>貧困家庭のサバイバル

まえがき 【逆噴射家族】カゾクの形<第一回>家族間戦争 【誰も知らない】カゾクの形<第二回>家庭内で起こる誰も知らないこと ■パラサイト-半地下の家族-■半地下の家族▼半地下とは? ・貧困 日本では馴染みのない「半地下」の家。この「半地下(반지하)」は、韓国では誰もが分かる「貧困層」を指す単語である。 ・底辺と呼ばれる者たち 日本でも同じような単語が存在する。「底辺」という言葉である。 以前、就活関連の企業が「底辺職」としてランキング形式で紹介したものが軽く炎上した

—自分のジャンルは自分でつくる—【表現を仕事にするということ】

■思ったことを書こうと思ったけどこの本が届いた日に、読み切ってしまった。 ものすごくやわらかくわかりやすい文体、たまにクスッとなるたとえ。 本でありながら、小林賢太郎の声で再生される。 なんだか小林賢太郎がそこにいるようで、いや、いるはずないんだけど。 この本は、表現する人や表現したい人にとてもやさしい。 “やさしい”とは“易しい”ではなく“優しい”の方だ。 表現を仕事にすることの素晴らしさや厳しさを優しく伝えている。 読み終わってもまた読み返して、公演やコント観てまた読

【変身】フランツ・カフカ【いつからか私は「虫けら」だった】

■著者紹介■あらすじ主人公の男グレゴールは、ある朝目覚めると巨大な虫になっていた。 この物語は虫になった男とその家族の物語である。家族は最初こそ世話をしてくれていたが、だんだんと負担になり煙たがられていく。  この『変身』という物語——原作にしろ映画にしろ——なぜ急に「虫」になったかは語られない。アメコミヒーローのように「虫」の力を得て悪と戦うなんてこともない。ただ「虫になった男と家族の日常」を描いている。 映画はほとんどが部屋の中で展開されるし、登場人物も限られる。  こ

【誰も知らない】カゾクの形<第二回>家庭内で起こる誰も知らないこと

まえがき 【逆噴射家族】カゾクの形<第一回>家族間戦争 ■<第二回>家庭内で起こる誰も知らないこと 第一回では、【逆噴射家族】を素材に家族という制度の在り方に疑問を呈した。家族が揃っている、機能している(と思い込んでいる)場合、人間形成において見えない害悪になっていると考える。 家族というクローズな環境においては子は親に従うしかなく、それが地方・田舎になればなるほど世間体・伝統や固定観念などの兼ね合いも加わり顕著である。  さらに私の体験をもとに綴る形で家督制度、長男の墓

【逆噴射家族】カゾクの形<第一回>家族間戦争

■逆噴射家族(1984)・小林家の人々 ※これ以降ネタバレを含みます。ご視聴予定の方はご視聴後ご覧ください。 ■小林家崩壊の原因▼寿国の襲来—メタファーとしてのシロアリ— 小林家の崩壊の序曲は兄夫婦に追い出された寿国が小林に転がり込んだところから始まる。生きてきた時代も社会システムも価値観も違う寿国はまるで自分の家が如く勝手気ままに振る舞う。おそらく兄夫婦のもとでもそうだったのだろう。勝国の兄夫婦は匙を投げ、新居を建てた勝国をあてにしたのだ。勝国は自身の父である寿国を尊

【カゾクの形】家族について書くことにした。<まえがき>

■はじめに—Introduction— これから書く文章は、現在の日本で大きな社会問題となっていることとは少し違うかもしれない。しかし実際にこの世の中に存在しているものである。別に統計や調査を行ったわけではない。 これはあくまでも私の持論であり、私の考え方であることを念頭において読み進めていただきたい。 今回、4本の映画を例に持ち、題材として紹介していく。 その中で、私が持つ<家族>のイメージや家族に対しての考え方を逐一披露していくことになる。  例に挙げる4本の映画はどれ

社会不適合者は潔く承認欲求を捨てろ。

■承認欲求、全捨て。・このnoteのスキもビューもほぼないに近い。 基本的に、いくら記事を投稿してもスキの数は一桁で、 スキ5を超えたらすごーい!!っていうレベル。 コメントも以前はパラパラ二、三個あったが、 今はもうしばらくきていない。 書いている小説なんて誰も読んでもいないし、 誰もいいとも思っていないのだろう。 一般の人からすればなんとも意味のない時間と手間である。 それでもこのnoteをやるのは自分にとってはすごく意味のあることなのだ。 ・どんな媒体も収益目的

荒巻課長に聞く!社会不適合者でも活きる組織のあり方とは?

■社会不適合者の組織論・社会不適合者は組織が苦手? 社会不適合者の多くは「協調性」というものが欠けている。 それは敢えての逆張りではなく、人としての“機能”の問題である。 前回も書いた【夜型と夜行性】もこの“機能”にあたる。 社会で生きる上で、朝から活動することはある種“絶対的な決まり事”として存在する。例外として夜の活動がメインの職種もあるが、かなり限られるだろう。 この“絶対的な決まり事”に疑問を感じ、さらにそれが“機能的”にできないものやしたくない者は社会の協調の

社会不適合者にとっての友達とは?仲間とは?

■社会不適合者には友達や仲間がいない?社会不適合者の性質のひとつに仲間や友達が少ない、いないことがある。 いないならつくればいいじゃないか、という簡単な話ではない。 できづらいのだ。 社会不適合者本人は普通にしているつもりでもなかなかできづらいというのが実態だ。 私の話で言えば、人生の中で“友達”や“仲間”と言えるべき人はいなかった。 とは言えまったく他者と密な繋がりがなかったかと言えばそうではない。 それでも私が当時も今も“友達”や“仲間”がいなかったと言えるのは、 私

貧しさと豊かさと、自由。<下書き>

■貧困と豊かさ、そして自由。「ゆたかさ」って何だろうって考えると、やっぱり「お金」ってことになるのだろうか。 私が思う「ゆたかさ」は「尊厳」の有無である。 「自分で何かを決める自由」、「誰かに何かを強制されない」 「誰かにひどい仕打ちを受けない」など人として当たり前のこと、 生きている人間のそばに「在る」ということだと感じる。 ■豊かさ=お金?以前お金について“価値はない”と言い切った。 言い切ったが、現実問題としてお金がないとこの社会は息ですらできないようだ。 お金

夜に、生きる。-夜行性の生き方-

■夜に生きるということ。・朝型vs夜型 以前【朝型と夜型、どっちがいいのか】って話を書いた。 結論としては“朝型・夜型、結局はどちらでもよくて問題はどちらの方が効率の良いパフォーマンスができるか”である”ということで締めくくった。 さらに社会不適合者には、夜型が多い(という個人的な統計)において 働ける場所が限られるということも示し、労働時間の短縮や残業の有無よりもさまざまな時間帯での労働枠を広げるべきではという論も書いた。 この結論は変わらない。 今回はただの「夜型