
賀茂川が紡ぐ神話の旅──下鴨神社から上賀茂神社へ【神社参拝】
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賀茂川が織りなす神話の旅―下鴨神社から上賀茂神社へ
京都の北部を流れる賀茂川。その流れに沿って歩を進めると、二つの神社が私たちを迎えてくれます。一つは糺の森に囲まれた下鴨神社。そしてもう一つは京都最古の神社の一つ、上賀茂神社。この二つの神社は、賀茂川を軸に深い縁で結ばれ、古代の賀茂氏の歴史や神話が息づいています。今回は、下鴨神社から上賀茂神社への旅を通じて、賀茂別雷命(かもわけいかづちのみこと)の秘密に迫り、最後に名物の焼き餅についても触れていきたいと思います。
下鴨神社―命の根源を守る地
旅の出発点は、静寂と神聖さが漂う下鴨神社です。この神社のご祭神、賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)と玉依媛命(たまよりひめのみこと)は、生命の根源や家庭の守護神として古くから信仰されてきました。
特に、玉依媛命は賀茂別雷命の母神として知られ、その物語は賀茂氏の起源神話と深く結びついています。玉依媛命が御手洗池で禊をしている際、川を流れてきた赤い矢を手にしたことで賀茂別雷命を身籠もったという神秘的な伝承は、多くの人々に畏敬の念を抱かせてきました。
賀茂別雷命の秘密―上賀茂神社の主祭神
賀茂別雷命は、玉依媛命の息子であり、上賀茂神社の主祭神として祀られています。その名にある“雷”が示す通り、この神は雷の力を象徴し、農業や豊穣をもたらす神として信仰されています。
上賀茂神社に伝わる伝説では、賀茂別雷命は天から稲妻とともに降臨し、賀茂の地を守護する存在となりました。この神話は、古代の人々が自然現象をいかに神聖視し、それを生活の一部として取り入れていたかを物語っています。
さらに、賀茂別雷命が八咫烏の導きによって天皇や賀茂氏に恩恵をもたらしたという伝承も残っています。この八咫烏は、ただの道案内ではなく、神々と人々をつなぐ橋渡しの役割を果たしたとされています。
第73世武内宿禰・竹内睦泰さんとの邂逅
上賀茂神社を訪れた際、幸運にも第73世武内宿禰である竹内睦泰さんと出会う機会を得ました。その存在感と話される言葉の中に、八咫烏との結び付きが強く感じられました。竹内さんは、日本の古代史や神話に精通しており、八咫烏が単なる象徴ではなく、神と人々をつなぐ役割を果たしてきたと語られました。この出会いは、賀茂川沿いの神話的な旅の一環として、特別な意味を持つ瞬間でした。
今となってはとても良い思い出です。熱田神宮での神社参拝ツアーで直会して以来でしたので、古事記の宇宙本についても少し話しました。
神社の結びつきと記憶は、忘れないですね。

上賀茂神社―悠久の歴史を感じる神域
下鴨神社から賀茂川沿いに北へ進むと、上賀茂神社の壮麗な境内が目の前に広がります。緑豊かな自然と調和した神社の建築は、時代を超えた美しさを放っています。


上賀茂神社の特徴の一つに、立砂(たてずな)と呼ばれる円錐形の白砂があります。これは、神々が降臨する依代(よりしろ)を象徴しており、古代信仰の名残を色濃く残しています。立砂を眺めると、古代から続く人々の祈りや信仰の重みを感じずにはいられません。
境内を歩きながら、賀茂別雷命の神話を思い起こすと、この場所が単なる観光地ではなく、神々の物語が息づく聖域であることに気づかされます。

名物―上賀茂神社の焼き餅
上賀茂神社を訪れたら、ぜひ試してほしいのが名物の焼き餅です。この焼き餅は、もち米を丁寧につき、甘さ控えめのあんを包んだ素朴な味わいが魅力です。外側は香ばしく焼かれ、ひと口食べると上品な甘さが広がります。
この焼き餅は、神社参拝の後にひと息つくのにぴったりの一品です。その味わいは、参拝の余韻をさらに深め、古代から続く神社の伝統と結びついているかのように感じられるでしょう。
神話と味覚の融合
下鴨神社から上賀茂神社への旅は、単なる移動ではありません。それは、賀茂川が織りなす自然と神話、そして歴史を体感する時間です。賀茂別雷命の物語に触れ、最後に焼き餅の味わいを楽しむことで、私たちはこの地が持つ特別な魅力をより深く理解できるのではないでしょうか。
次回の旅では、この神話と歴史の地を訪れ、自らの足でその魅力を確かめてみてください。
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