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【スペイン在住11年】出不精な元専業主婦が語るバレンシアの魅力

地中海に面する、スペイン第三の都市。
…と言われるバレンシア。
Comunidad Valencia(コムニダッ・バレンシア:バレンシア州)にはバレンシア県を含む3つの県があり、私が住んでいるのは、バレンシア県のバレンシア市(州都)です。

※この記事では、バレンシア市を「バレンシア」もしくは「街」と表現して書いていきます。

バレンシア州旗(@bearfotos)

微妙に都会で微妙に田舎なこの街は、実はこれといった観光地はそんなにありません。(出だしから爆弾発言!!)

旅行会社H〇SとかJ〇Bの海外旅行の広告でも、
魅惑のアンダルシア!とか、感動のバルセロナ!な~んていう文字はよく見るけど、

最高!バレンシア4泊5日の旅!

…とか、見たことないでしょう?

スペインの他の名立たる観光地に比べると、イマイチ華やかさに欠けるバレンシア。

でも微妙に都会・微妙に田舎というこの微妙な感じが、留学やワーホリで長期滞在したり、のんびり住むには、逆に良い所なんじゃないかと個人的には思ったりします。
大都市マドリードやバルセロナに比べると、治安も悪くありません。

さて今日は、バレンシア在住11年となるわたくしSachiが、この街の魅力をお伝えします!

そう思ったきっかけは、プロフィールや《自己紹介》、他の記事にも散々スペイン住んでますアピールしてるくせに、そういえばこの街のことをきちんと紹介していなかったなぁと思ったのが1つ。

それから、おかげさまで最近日本の方々と「はじめまして〜」とお話しする機会が多々あり、バレンシアをご存知の方ってやっぱりそんなにいらっしゃらないんですよね。

「〇〇発祥の地なんですよ。」と教えると、皆さん驚きます。

さて何でしょう?

ウフフ。この話はまた後ほどゆっくりということで…。

それからそれから!
今は3月。
バレンシアにとって、3月は1年の中でいちばんアツい時期だったりします。

スペイン旅行でバレンシアをメインにするなら、今が超おススメです。

そんな理由もあって、今日はこの記事を書くことにしました。

あ、でも日頃からお家大好きっ子、引きこもりがちな出不精なので、そんな特殊目線からバレンシアをご案内しますこと、予めご承知おきくださいませ…(^ ^;)


バレンシアといえばオレンジ!そう思っているのは日本だけかもしれない?!

かれこれ10年以上前、今は亡きスペイン人の夫と結婚を決めてバレンシアに移住しようとしていた頃、当時の職場の同僚や友人たちに「バレンシアに嫁に行く!」と話すと、皆口を揃えて言ったのが、

「バレンシアといえばオレンジだよね?」でした。

私もバレンシアのことをよく知らない時はそう思ってました。

たしかに、バレンシアでは街路樹にオレンジの木が使われていますし、郊外に行けば、広大なオレンジ畑もたくさんあります。

排気ガスたっぷり浴びてるので食べられません笑。

バレンシアオレンジってよく聞くけど、Wikipedia見てびっくり。
驚愕の事実発覚です。

バレンシアオレンジ(Valencia Orange)は柑橘類の一種で、スイートオレンジの中では最もよく知られた品種のひとつである。「バレンシア」からは、しばしばオレンジの産地として有名な、スペイン東部の地中海沿岸部にあるバレンシア州や、その州都であるバレンシアが連想されるが、原産地はアメリカ合衆国カリフォルニア州のサンタアナである。

Wikipedia

!!!!!

バレンシアに住み始めてから、夫含む周りのスペイン人たちに「日本では、バレンシアはオレンジで有名だよ」と話すと、いつも「?」が頭の上にいくつも浮かんだような、ポカーンとした顔されてたんですよね。
今やっと納得。(今頃!!!)

そして彼らはすぐさまこう言います。

バレンシアの名物って言ったら、オレンジなんかじゃなくてパエリアだろう!

そう。
バレンシアの真の名物は、パエリア!

冒頭でもお伝えしたとおり、バレンシアは地中海に面した街で、地中海にものすごく近い場所にAlbufera(アルブフェラ)という淡水湖があります。

Albufera湖

この淡水湖の周りは広大な湿地帯で、現在はParque natural de la Albuferaという自然公園に指定されています。
このAlbufera湖の周辺では昔から稲作がさかんで、バレンシアはスペインの米どころです。

それで生まれたのが、パエリアをはじめとした米料理なんですね。

さて、冒頭の答え合わせです。
バレンシアは、パエリア発祥の地なんですよ。

ちなみにバレンシアでは、皆で集まって屋外でBBQ!…って時は、お肉を焼くよりもむしろパエリアを作って食べます。

また、日本のパエリアのようにムール貝や色とりどりのパプリカが入ってたりはしません。
Paella Valenciana(パエージャ・バレンシアーナ)と言って、インゲン(もしくは平たいモロッコインゲン)と骨付きの鶏肉が入ったまったく映えないシンプルなものが本物のパエリア

友人宅でBBQならぬ、Paella Valencianaパーティー。

厳密に言うと鶏肉も実は邪道で、本来は骨付きのウサギの肉を使います。
カタツムリが一緒に入っている場合もあります。
もう1つパエリアうんちくを言うと、パエリアは通常ランチで食べるもので、バレンシアではディナーでは食べません。

最近は他国からの観光客が増えている影響で、ディナーにもパエリアを提供してくれるレストランが増えてきましたが、昔ながらの飲食店などではランチ時間にしか提供しない場合もありますのでご注意を。

それから、日本のカラフルなパエリアを見せると、「これはパエリアじゃない!」と10人中10人のバレンシア人は言います笑。

バレンシア人にとってパエリアは、Paella Valenciana、これ一択。
ムール貝が入ったパエリアは、その他にもイカやエビなどを入れてPaella de marisco(パエージャ・デ・マリスコ:魚介のパエリア)と言います。
…が、やっぱり野菜のパプリカは入りません笑。

パエリアには、ご飯を黄色く色付けするためにサフランを、そして味付けの調味料の1つとしてパプリカパウダーを入れます。
シルクロードなのか空路なのかわかりませんけども、スペインから日本へ伝わる際に、パプリカは粉から生の現物に変化して伝わってしまったんでしょうね、きっと。(知らんけどw)

このほかにもバレンシアは、磁器やタイルで有名だったりします。
また、大きな港があることから、昔から絹織物で有名な地域だったりもするんです。

絹織物と言えば、欠かせないバレンシアのもう1つ大事なものがあります…。

それが、コレー!!!

3月のバレンシアつったらコレでしょ。Las Fallas!

観光地として大した見どころのないバレンシアですが、3月だけは違います
それは、Las Fallas(ラス・ファジャス:火祭り)というお祭りがあるから。

いつぞやのLas Fallas。

このお祭り、今年も今まさに現在進行形で開催中です。
なんなら今週末からクライマックスになります笑。

Las Fallasについてもここでご紹介しようと思ったんですが、書いてたら思いのほか長くなったので、今年の様子も併せて後日、近々投稿することにします。
(まさかの肩透かし!!!)

Las Fallas以外でバレンシアといえば…?

バレンシアに遊びに来るなら、やっぱり3月のLas Fallasの時がいちばん見ごたえがあって楽しいですが、当然と言えば当然で、この時期のバレンシアは飛行機代とホテル代が爆上がりします。

今年、EU他国に住む友人がLas Fallasを観に来ようと計画したんですけど、飛行機代がいつもの5倍以上の値段に跳ね上がっていて、速攻で諦めてました…。

それじゃあ他にいつ、バレンシアに来るのが良い時期か?

そうだなぁ…。
正直いつでもおいでやす!ですwww

バレンシアは、地中海に臨む街でスペインを南北に分けるとちょうど中間の位置です。
1年を通して比較的温暖で、真っ青な空のピーカンお天気の日が多く、バレンシアの空の青さに魅せられて移住を決めた!なんておっしゃる移住者さんもいるほど。
そう言われると、空の青の濃さが日本の空とちょっと違うかも?なんて思ったり。

夏は日差しが容赦なく強く暑いですが、ビーチがたくさんあるので海水浴や海を満喫したい人には夏はもってこいです。

Playa de Malvarosa(マルバロサビーチ)
Playa de Pinedo(ピネドビーチ)

冬は雪が降らず、東京と同じかもうちょっと暖かい感じ。
冬はクリスマスがありますから、この時期は街もクリスマスツリーやイルミネーションがとても綺麗です。

映画の舞台にもなった近未来空間

ヨーロッパの街ですから、もちろんバレンシアにも歴史的な教会や建造物がいくつもあります。

でもバレンシアにあるCiudad de las Artes y las Ciencias(シウダッ・デ・ラス・アルテス・イ・シエンシアス:バレンシア芸術科学都市)という施設はちょっと違う…。

Ciudad de las Artes y las Ciencias

Jardín del Turia(ハルディン・デル・トゥリア:トゥリア庭園)という、元はTuria川という大きな川が埋め立てられ、バレンシアの街を東西にグルッと半円を描いて横断するように長い公園があるのですが、Ciudad de las Artes y las Cienciasはその公園の最終地点にあります。

Ciudad de las Artes y las Ciencias

Santiago CalatravaとFélix Candelaによって設計された5つの建造物で構成されているこの施設は、まさに近未来都市

まるで別次元のこの建物群は、例えば2015年に公開された映画「トゥモローランド」やイギリスのSFドラマシリーズ「Doctor Who」、アメリカのHBOで放送されていた「Westworld」など、数々の映画やドラマシリーズのロケ地にもなっています。

出典:Todos las películas y series rodadas en la Ciudad de las Artes y las Ciencias(Las Provincias)

実は昨年3月、ここでSTAR WARS新シリーズのロケも行われていました!

STAR WARSファンを自称しておきながら、このnoteを書いている最中にこのニュースを知るという、なんたる失態…。

1年前の私!
なにしてんねん!!!

意外と見どころあるじゃんバレンシア

実際こうして書き出してみると、他にももっと紹介したいことも次々思い出して、あれ?意外と見どころあるじゃんバレンシアってと、今思ってます(^ ^;)

スペイン語の他にバレンシア語を話すとかね、時折アフリカ大陸からPoniente(ポニエンテ)という尋常じゃない熱風が吹いてきて気温45℃超えの強風!もれなくオーブンで焼かれる子豚の気持ちになれるとかね、夏の日差しは暑い通り越してむしろ痛いとか、Horchata(オルチャタ)っていう夏の甘~い飲み物、これ私はあんまり好きじゃないとか笑、バレンシアには見どころ以外にもおもしろいことが結構あります。

スペインへの旅行というと、やはりメインの行く先はバルセロナやアンダルシア、マドリードやスペイン北部…といった有名どころになってしまいがちですが、気が向いたらぜひ、バレンシアにも遊びに来てくださいね♪


《今回取り上げた場所》
🗺️Valencia(バレンシア市)

🌳Parque natural de la Albufera(アルブフェラ自然公園)

🏖️Playa de Malvarosa(マルバロサビーチ)

🏖️Playa de Pinedo(ピネドビーチ)

🌳Jardín del Turia(トゥリア庭園)

🏛️Ciudad de las Artes y las Ciencias(バレンシア芸術科学都市)

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