例えば.イポリット・テーヌは,愛することは他者の幸福を自分の目標にすることである,と著述しているけれど,これを真に受けると,どちらか一方が不幸を肩がわりして,もう一方の幸福を創出することになってしまう.けれども「他者の幸福」と「自分の目標」を分けて考えないようにしたらどうだろう.
インタビューをしているときに、ずっとこんな時間が続いてくれたらいいのに……と思うことが何度もあった。僕は、それくらい尊い時間を経験し尊い時間の内にいた。インタビューに協力してくださった方も、『「またまた」やって生まれる「たまたま」』のインタビューをとても面白がってくれていた。参加してよかった、と言ってくださる方が多く、我々ぺぺぺの会の自信にもつながった。
僕は、このインタビューはとても面白いことになるぞと企画の段階から予感していた。その段階ではまだ、純粋に自分のための創作だった。それが他者からのレビューを受けとり、社会と接続するものであることが確認された。
インタビュー活動をする前は、作家としての自分が書くためのネタを集めに行くのだと思っていた。演出家としての自分がぺぺぺの会のオリジナルな発語の方法についてを語り得るための言語を探究しに行くための旅だと思っていた。しかし実際に滞在制作をしてみると内容はもっと濃かった。インタビュー以外の時間でも、インプットされる情報の量は凄まじく、日を追うごとにどっと疲れていった。お酒を飲むとかえって目がさえて、ものを書きたい衝動に駈られるからあまり飲まないように控えていた。
今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。 これからもていねいに書きますので、 またあそびに来てくださいね。