角川武蔵野ミュージアム
親友のSちゃんはアメリカに住んでいます。
先日、帰国したので、娘さんのMちゃんも誘って3人で、角川武蔵野ミュージアムへ行ってきました。
今日の着物はいつもと違う、和洋折衷。
紗の着物はシースルーのような透け感があり、中にはノースリーブのハイネック(人工パールつき)を着用しています。
帯はラメがはいった幅広の兵児帯で、帯締めは黒地に金糸がはいった丸ぐけ。
なぜこんな着物にしたかと言いますと。
だってご覧ください、この建物。
隈研吾さんの設計です。
外壁は、7センチ厚の花崗岩を2万枚用いたそうです。
石でできているのに、飛び立ちそうな浮遊感。
隈研吾さんのコンセプトは、大地から盛り上がったみたいな美術館。
中はもっとすごいんです、着物がこんなに似合わない場所があるかしら、と思うくらい。
ご案内しますね。
写真多めなので、文章少なめです。
(を心がける)
棚を見ていきます。
みなさまも、気になる本があると思いますので、よかったら拡大してご覧くださいね。
上の棚から、1冊取り上げてみます。
『おにぎりの文化史』横浜市歴史博物館監修 河出書房新社
可愛い本かと思ったら、真面目な考古学の本でした。
出土した遺物「炭化米塊」(炭化したコメの塊)から推測すると、古墳時代には、おにぎりらしきものがあったらしい。
復元土器を使って、弥生時代・古墳時代の炊飯方法にチャレンジしてみると、ごはんがぱさぱさに。
おにぎりは粘り気があるご飯じゃないと握れないので、食べるためではなくて、副葬品だったかも。
蒸した米を卵型に握った「屯食」(とんじき)は、『源氏物語』にも登場。
横浜市の中世の墓地からは小銭が3枚入っている三角形のおにぎりが出土しているそうです。
明らかに食べるものではない…、三途の川渡し賃「六文銭」の始まりかしら。
戦国時代には、貴重な兵糧として、保存性を高めるために、梅干しや塩、味噌が加えられた、と。
江戸時代にはお花見や芝居見物へ持っていくようになりました。
歌川広重『東海道五十三次細見図会 藤沢』 国立国会図書館蔵
おにぎりが三角というイメージに統一されたのは、コンビニの普及によるのだとか。
稲作文化圏で、おにぎりを食べるのは、日本を除くと、タイ北部とラオスと中国の雲南省のみなんだそうです。
理由は、
1)お米に粘り気がない。
2)冷たい米飯を食べる習慣がない。
寄り道が長くなってしまいました。
店内は写真撮影自由ですが、一箇所だけ不可がありました。
それがここ「ガーリー・アート」。
ガーリーって、ふんわりしたドレスに白いレース、みたいなイメージを持っていたのですが、違いました。
概念は「セクシー」なんだそうです。いちばん私に縁遠いやつ…。
フランスで生まれ、アメリカで広がった由。
特に第二次世界大戦中は、戦地に送られ、兵士たちが自分の好みにあった女性のイラストを切り抜いてピンで貼っていたため「ピンナップガール」という言葉が生まれたそうです。
ピンナップガール? 聞いたことがあります。そういう意味だったんですね。
日本では、大正期にフランスに留学していた蕗谷虹児さんが影響をうけて、「叙情画」として普及させました。
ここで「セクシー」の概念はなくなったんですね。
本の森「本棚劇場」では、マッピングアートが行われていました。
出口にあった、羅生門。
映画『羅生門』で使われたセットを、10分の1サイズで復元したものだそうです。
以上はミュージアムのほんの一部です。
「特別展」も開催していますので、ご興味のある方はおでかけください。
長い文章にお付き合いくださり、ありがとうございました。
<カバー写真>
角川武蔵野ミュージアムFacebookトップ画像より