Pono#6 自律神経失調症②
では、リラックスできなかったらどうすればいいのでしょうか?
2)交感神経
二番手です、三匹の子豚で言うと次男
リラックスで回避しきれなかったストレスは次に「攻撃」に関与している神経で対処することになります
交感神経が働くと攻撃的になったり、体が緊張したり、その場から逃げる行動を起こします ⇒怒りモード
例えば、上司に言い返してみるとか、お酒をのんで暴言をはいてみるとか
(※「すぐキレる人」とは腹側迷走神経を飛び越えて直ぐに交感神経でストレスを回避させようとする人です
「キレる」ことはストレスを逃がすには必要な事かもしれませんが、社会的に見ればあまり良い行動には見られませんので落ち着いて節度ある行動をとりましょう)
また、体の痛みに関しても筋肉が硬くなったり血管が縮こまったり(血管収縮)して痛みが生じやすいです
(元々の痛みがあれば筋肉が硬くなるのでより痛みを感じやすくなる)
おまけに交感神経が働き過ぎると、反対に副交感神経が働きにくくなるという体の特徴があります
痛みがあるだけで交感神経はずっと働きすぎてしまう(交感神経優位の状態のまま)ので、副交感神経はより働かなくなります ⇒悪循環
だから、痛みがある人はそもそも「リラックスができません」
そして、長時間(1分以上)の心理的ストレスでも交感神経は興奮して筋肉の強張り(肩こりとか腰痛など)を加速させます
例えば、長時間怒られるとか、、、
この悪循環を断ち切るためには痛みを取ってあげることや筋肉を緩めてあげることが必要になります
出来る人はスポーツなどをしてストレスを発散させましょう
3)背側迷走神経(副交感神経)
では最後、びくともしないレンガの家を作った三男
この頑丈な家のお陰でオオカミの侵入を拒み逃れられた訳ですが、
人間もこの3段階目でストレスを完全に「シャットダウン」して、びくともしない状態を作り上げます
ストレスにさらされ続けると腹側迷走神経と交感神経の機能不全(上手く働かない)が起こることで最後に背側迷走神経が働き、ストレスを受けないように心身を何もさせない、「引きこもり」の状態にさせます
「リラックス」をしてみても「攻撃」をしてみてもストレスを逃がすことが出来なかった、あるいは「リラックス」も「攻撃」も出来る環境にいられなかった、我慢ばかりしてしまった人は最終段階では表情もなくなり、暗くなって何もできなくなってしまいます ⇒「シャットダウン」「抑うつ行動」
引きこもっていればストレスの影響を受けないかもしれませんが、それこそが社会活動への参加を困難にさせて孤立の状態を作り上げてしまいます
さらに、背側迷走神経は内臓を支配している神経のため「内臓の不調」が起こりやすくなり、内部機能障害の訴えも併発します
【内臓の不調:過食、摂食、下痢、動機、息苦しさ、呼吸が浅い、血糖コントロール不全からくる短気や活力低下、リンパ球増加によるアレルギーやアトピーの悪化など】
簡単に言えば、「メンタルが弱ると内臓にくる」みたいな感じです
今日は嫌な上司と一日中外回りが一緒なので胃が痛い、、、
緊張しすぎで吐きっぽい、、
ストレスでお腹が痛い、、
背側迷走神経の反応が過ぎると(長い間ストレスにさらされていると自律神経の機能が壊れると)、「原因不明の体の不調が続きます」
この状態が自律神経失調症です
(体がだるい、足が重たい、疲れやすい、痛みやしびれがある、息切れがする、動機、胃もたれ、頭痛、めまい、、、などなど)
「何か体調がずっと良くない・・・」
職場でストレスがかかっていて、それを吐き出す場所もない
リラックスする場所もない
誰にも言えない
そんな状態でずっと溜め込んでいると最終的に爆発して
「腰痛」になったり「痛みが長引いたり」してしまう
ストレスからくる「痛み」というものもあるのです
以上が①の自律神経の戦略を説明したお話になります
【補足】
ポリヴェーゲル理論:多重迷走神経理論
そもそもなのですが、自律神経というものの中に交感神経と副交感神経という種類が含まれています
なので交感神経も副交感神経も同じく自律神経です
自律神経と聞くともしかしたら「あれ?」っと思う方がいらっしゃるかもしれないので補足です
下の図のようにシーソー様に交感神経と副交感神経がバランスを取りながら働いている(OnかOffの関係)というのは今では少し古い考え方になっています
現代はポリヴェーゲル理論が考えられています
ポリヴェーゲル理論では、交感神経と副交感神経である腹側迷走神経と背側迷走神経の3つの神経が状況に応じて、協調的に働き合うということが言われるようになっています
なのでPonoでもこの考え方をに用いてお客さまが今どの段階にいるのかを理論的に総合的に評価しながら体の不調に対するケアをさせていただければ考えています
次回に続きます!
②脳(左脳と右脳)と自律神経の関係