目が痛い。 目が痛くて、目が開けてられない。 どうやら私の黒目に傷が入ったらしい。一気に目が真っ赤になって、涙がボロボロ止まらなくて、瞼がボックリ腫れて、まばたきするたびにゴロゴロ痛い。 目を開けてると痛いから、目を閉じて歩いてみたらやっぱり歩けなくて目がなくなる恐怖を感じた。救急で病院に行く前にネットで症状を調べていたら、感染症だの失明だの恐ろしいことばかり書いてある。 ネットはいつも大袈裟だし。 あぁ、目がなくなったらもう空間なんてわかんなくなるのかなって思った。正直
はじめに ロシアがウクライナ侵攻をはじめた日、私は大学受験をしていた。そこには、相対性理論の曲である『バーモント・キス』のような雰囲気が漂っていた。 今回私は、戦争と芸術という大きなテーマからひとつ簡単なレポートを書いた。拙文ではありますが、お付き合いいただけると幸いです。 私は子供の頃から戦争に対して興味関心が強い方だった。うちの小学校は低学年から平和学習の授業が多く、爆心地へ行ったり、当時は多くの戦争体験者のお話を聞く機会があったからかもしれない。学校にあった
この内容は映画「モダン・タイムズ」のネタバレを含みます。 「現実」を成立させている条件と可能態としての構造今回、私は大学での授業を基に考察した記事を作成した。 その授業は多摩美術大学で行われた中村寛先生による「文化人類学」(2023年)の授業で、見出しとなっている「現実」を成立させている条件と可能態としての構造、というタイトルは当時の授業の一部である。 具体的に関心を持った点は、チャップリンの映画「モダン・タイムス」における現代人の機械化された身体に対する考察、現代社会に
こんにちは。美大に通い学芸員の授業を履修する者です。 今回は、履修した授業の中で特に博物館学で学んだことをサラッと共有したいと思いレポートしました。ここでは授業の一部分だけ(本当に1割くらい)を紹介します。すべてが書かれているわけでは無いので悪しからず。少しでも博物館や美術館に対する見え方が豊かになると幸いです。 このレポートは私自身の考察および見解に基づいておりますので細かいニュアンスや詳細について至らないかと思いますがご了承ください。 はじめに 私はまず、この
展示ステートメント 以下本文は、2023年12月10日から20日にかけて10日間行われた展示「ロストハウス 齋藤鷹 個展」に寄せて3人の企画担当者により書かれたステートメントである。 この展示は約半年にわたり企画構成が練られ、3日間のインストールの時間を設け実施した。
関東大震災とレイシズム 国家とハチ公 2023年10月28日に自主ゼミのために調べ、簡単にまとめたものをnoteに公開します。 箇条書きのようになっていますが、関東大震災とレイシズムについて注視したものです。 関心があればぜひ更に詳しく調べてみてください。 はじめに 今回、関東大震災とレイシズムについて簡単に調べてきました。あまりまとめる時間がなかったので、説明が不足しているかもしれませんが、ご了承願います。 まず、私が関心を持った経緯をお
1970年 学生運動と多摩美術大学 「文化的廃墟を創出せよ」 今回、多摩美固有の歴史である美共闘運動について考察した。美共闘は、多摩美術大学で1970年前後に起こった、堀浩哉や彦坂尚嘉等を中心とした学生運動である。 学生たちはバリケードに籠り、木を切り倒し、トイレを破壊し、そこら中に落書きを描き、日々教授会と交戦し、東大全共闘と繋がりを持ちながら校舎崩壊の一手を辿ろうとした。 しかし、この運動は1年余りで鎮圧され、失敗に終わった。のちに「美共闘 REVOL
Hello Bee 2023.10.30 小野まりえ Hello Bee根津について、結成半年となる2023年10月に今一度考証しようと思い、このレポートを作成した。 このレポートは、私自身の考察および見解に基づいている。 Hello Beeは2023年4月に正式に拠点をもち、学生中心のコレクティブとして活動を開始した。初期メンバーは藝大油画科所属坂下剣盟、岡田デレー、葉子、藝大建築科所属中田てるみつ、多摩美油画科所属小野まりえ、そしてアーティストの髙木彩圭の6名で
Revolution9 ※最初にことわっておきたいのだが、この文章は射影変換を用いて語られているが的確にそのことができているというわけではなく、あくまで一学生の拙文であることはご了承願いたい。 Revolution9 この曲は重なる多くの音と繰り返されるNo.9というセリフから、デムスによって 描かれた《I Saw the Figure 5 in Gold》と同一性をもった構造になっていると考 えることができる。故に、この曲の特異性を発見するためには《I Saw t
イサムノグチの作品、月から見るべき彫刻を初めて見たとき、こんな早期からそのような構想を働かせているのは彼の思考力がどれだけ卓越したものだったのかを知ることができた。 私は建築も彫刻と同等だと思って生きてきた。 それは日本で生きてきたからかも知れないしイサムノグチの功績が波紋し自分の無意識に根付いていたからかも知れない。古代建築など建築様式もある程度知っていたしイサムノグチの主張はよくわかると思う。 私たちも作品を展示する時、絵の空間をよく考えるし最近では「惑星ザムザ
2016年1月10日、ある伝説的アーティストが永眠した。その人物が亡くなった際にドイツ政府は「さようなら。あなたは私たちの英雄です。壁の崩壊に力を貸してくれてありがとう」と公式にコメントを発表した。このコメントは1987年6月6日に西ベルリンの壁の前の広場で行われたコンサートを指している。 そう、その人物とはデヴィッド・ボウイである。彼は客席へ「壁の反対にいる全ての友人に送ります」と東側の約5000人のファンへメッセージを送った。その時彼が歌った歌はベルリンの壁で待ち合
みんなの近況特集vol.1 このテキストはみなみしまさんのメルマガの企画、みんなの近況特集vol.1へ2022年12月に寄稿した文書である。 『 *小野まりえの近況報告 ロシアがウクライナ侵攻を始めた時、私は受験真っ只中っだった。ウクライナ戦争が発生した次の日が藝大油画科一次試験日だったのは私にとって残酷な現実がダブルパンチで正直まだ財布を落とした時の方が希望を捨ててなかった。 私は今年多摩美術大学油画科に入学した。武蔵美と東京藝大も受験したが武蔵美多摩美は合格、藝
I Saw the Figure 5 in Gold この絵画を見た最初の印象は反復される“ 5 ”という数字が画面を大きく占め、ジャスパー・ジョーンズ(1930-)のようだと感じた。彼の数字の書体にも似た“ 5 ”の形態はモーリス・ベントンが1924年にデザインしたボドニ・ウルトラのような肉付けがなされてある。 1 上記の画像1はこの課題の絵の略図を何度か書き出した後にひとつにまとめた図である。 この絵の1番の特徴は手前から奥へ遠近法を使い大中小と3つの“ 5 ”
芸術家・赤瀬川原平 私は日本の戦後活躍した赤瀬川原平に興味をもち調べることにした。 私は現在、東京藝大の学生の知人から誘われてHello Beeという HB.根津という場所だったところを引き継ぐ学生コレクティブに所属している。そこでは大学に代わる勉強会や自らがキュレーションしたり応募いただいた企画展のために場所を貸し出したりしている。その場所で勉強していく中でも特に赤瀬川原平という人物は物凄かったのだと注目した。彼の行った首都圏清掃整理促進運動や千円札裁判、超芸術トマ