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ポラリス保健室だより 8月ー夏バテ予防ー

夏バテしていませんか?

ホントに毎日毎日暑いですね~
電気代の請求書を見れば少し涼しくなるでしょうか?(笑)
立秋も過ぎました。暦の上では「秋」になります。
暑いとちょっとしたことでイライラしてしまいがちですが
言葉の響きからも涼やかな気持ちになる心の余裕がほしいところです。
これからの暑さは「残暑」というのだそうですよ。
そして、72候では立秋から5日間は「涼風至(すずかぜいたる)」
その次の5日間は「寒蝉鳴(ひぐらしなく)」
何だか涼しくなってきませんか?

夏バテはどうして起こるのか?

「夏バテ」というのは、「カラダがだるい」「疲れやすい」などといった
夏の暑さによる体調不良の総称です。
夏バテの要因は大きく分けて4つ
もちろん、これら4つはすべてリンクしています。

1.睡眠不足  
夏の間は日中時間が長くなります。つまり、夜の時間が短いということです
人間は夜、眠るようにできています。その時間が短くなっているということです。
しかも、熱帯夜が続くことによって寝苦しく、ぐっすり眠れません。  
休息がしっかりとれないことにより、疲労は溜まる一方です。  
さまざまな耐性も弱くなります。
2.栄養不足  
暑いのでついつい冷たい飲み物、食べ物を多く取りがち  
消化吸収機能(胃腸の調子)は悪くなります。
下痢などもしやすくなるでしょう。  
すると、食欲がなくなり、のどごしのいいもの、さっぱりしたもの  
ばかりになって、栄養が偏り、栄養バランスが乱れます。  
睡眠不足による耐性低下もあいまって悪循環に陥り、  
パワー不足となり、疲れがどんどん蓄積していきます。
3.水分・ミネラル分の不足  
毎日の暑さでたくさんの汗をかきます。  
そのため夏はどうしても脱水ぎみになります。  
脱水ぎみになると疲労感が大きくなり、食欲がなくなり  
身体が思うように動かなくなります。  
また、汗とともにミネラル分も排出されてしまいます。  
ミネラルはさまざまな栄養素を身体の中でしっかり働くようにしてくれるものなので、ミネラル不足により栄養不足にさらに拍車がかかります。
4.自律神経の乱れ  
もはや夏の期間は空調を使用せずには過ごすことができなくなりました。
この暑さで外気温と屋内の温度差が10℃以上になることも。
”玄関前線”などという新語が登場したことからもわかるように
屋内から外へ一歩出た瞬間、この10℃以上の気温差にさらされるという  状況が発生します。この状況は、自律神経へ大きく影響します。  
自律神経の乱れは、全身の心身の不調を引き起こします。

夏バテを回避しよう!

もちろん、夏を迎える前からこころもカラダも「調子のよい」「いい感じ」の状態をキープできることが、何よりの予防にはなるのですが・・・
そうはいっても、人間ですから、いつも「調子のよい」「いい感じ」を
キープするのは大変なことです。
大事なことは、自分の「調子のよい」「いい感じ」の状態とはどういう状態なのか?を知っていること です。
そして、自分が「調子がよい」「いい感じ」の状態のとき、あまり意識せずともできていること、やっていることを思い出してみてください。
例えば「朝(夜)に30分ぐらい散歩している」「毎日お風呂に入っている」
「ごはん(お米)を毎日食べている」「1日1回はお味噌汁を食べてる」とか
どうでしょうか?

「最近、朝も夜も暑くてとてもじゃないけど散歩なんか行けてない」
「暑いからシャワーあびるだけ、ゆっくりお風呂には入らない」
「ごはんは何となく重い、するっとのどごしのよい麺類が多い」
「お味噌汁など温かいものは、夏はあんまり食べない」
なんてことになっていませんか?

自分の「調子のよい」「いい感じ」の状態のときにやっていたことで
もし、今やっていないものがあれば意識してやるようにしてみましょう。

新たに特別なことをする必要はありません。
調子がよいときやいい感じのときはやっていたのに、やらなくなったことを「やる」ただそれだけです。

You are what you eat. ~あなたはあなたの食べたものでできている~

健康の基本は、食事と睡眠です。
今回は夏バテ回避のための食事のことをちょっとだけお伝えしていきます。
あなたはあなたの食べたものでできているのですから、何を食べるか?
とても大事です。
その土地の旬の食べ物は、夏バテ回避だけでなく、その時期に必要な栄養がつまっていますし、一番栄養価が高くなります。
手に入りやすいという点でも毎日の食事に取り入れたいですね。
【今が旬の食べ物】
野菜:さやいんげん、きゅうり、みょうが、なす、えだまめ、オクラ、冬瓜
   ズッキーニ、ゴーヤ、ピーマン、パプリカ、つるむらさき、唐辛子
果物:もも、すもも、なし、イチジク、メロン、スイカ、マンゴー、すだち
魚介:イカ、たこ、あじ、すずき、カレイ、はも、あゆ、とびうお、岩ガキ

プラス、夏は汗とともにミネラル分が排出されてしまうため不足しがちになります。ミネラル分を意識して食材を選ぶようにしましょう。
ミネラルは骨をはじめ筋肉や身体の組織を構成する材料になったり
身体のさまざまな機能が円滑に働くようにする役割、取り入れた栄養素を
しっかり働かせる役割があります。
代表的なミネラルは、ナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄、リン、亜鉛などです。
これらミネラル分が不足すると、夏バテの症状である疲労・脱力感が増し、脱水症状も進み、食欲低下、気分の落ち込み、免疫力も低下します。

夏のミネラル補給のしかた

ただし、ミネラルはたくさんとればよいというものではありません。
身体に必要なミネラルの量は微量なため、バランスの良い食事をとっていれば不足することはありません。「過ぎたるは猶及ばざるが如し」です。
何を食べるか?を考えるときに、ミネラルのことも意識するとよいということです。

【ナトリウム(塩分)】
熱中症予防のために水分のほかに塩分をとるということはだいぶ浸透してきました。日本人はただでさえ塩分を過剰に取っているので、塩分(ナトリウム)はあまり意識せずとも大丈夫です。
逆に血圧の高い人は、塩分の取りすぎに注意しましょう。
調味料として使うお塩は、精製されたものよりも天然塩の方がマグネシウムほかのミネラル分が多く含まれているのでおススメです。
カリウム】
カリウムは、水分代謝に重要なミネラルです。身体に余分なナトリウムと水分を排出させる働きがあります。空調のきいた屋内でずっと過ごしていると身体が冷えてむくみやすくなります。カリウムはむくみの解消に重要です。
トマト、ゴーヤ、きゅうり、冬瓜、なす、オクラ、パプリカなどの夏野菜はカリウムが豊富なものが多いです。バナナや豆類にも多く含まれています。
また、水に溶けやすい性質があるので、生で食べるかスープにして食べるのが効率的です。
マグネシウム】
リンやカルシウムとともに骨を形成するほか、筋肉の収縮や神経情報の伝達、体温・血圧の調整にも役立っています。300種類以上の酵素を活性化する働きがあり、体内のさまざまな代謝を助ける機能を持っています。
マグネシウムは、海藻などの藻類、魚介類や種実類に多く含まれています。
のりやひじきなどは普段の食事にも取り入れやすいですね。
さばやかつお、干しエビ、しらす干し、アーモンドなどナッツ類、ごまなどは、和え物にも重宝します。
マグネシウムはカルシウム(乳製品や小魚)と協調し合って働いています。
マグネシウム:カルシウム=1:1から1:2の比率で摂取すると効率よく吸収されます。
亜鉛
亜鉛はたくさんの酵素の活性化に関係しているミネラルです。免疫力の維持向上、新陳代謝や成長の促進、酸化の抑制、インスリンの合成などに関与しています。亜鉛が不足するとイライラしたり、抑うつ気分が増強したりと精神面にも影響があります。
牡蠣(かき)や赤身の肉や魚、うなぎ、かたくちいわしなど動物性食品、アーモンドなどナッツ類、豆類、全粒穀類に多く含まれています。
野菜ばかりではなく、肉や魚をしっかり食べることが大事です。
鉄】
全身に酸素を運ぶミネラルです。鉄分=レバーのイメージがあるので、ちょっと苦手という方も多いのではないでしょうか?
鉄分は赤身の魚やレバーなど動物性食品に多く含まれるヘム鉄と、水菜やほうれんそう、小松菜、納豆、大豆、小豆、レンズ豆など植物性食品に多く含まれる非ヘム鉄の2種類があります。
ヘム鉄の方が吸収率は高いですが、非ヘム鉄はビタミンCやたんぱく質を含む食材と一緒に摂ることにより、吸収を助けることができます。
女性は月経により鉄分が不足しやすいので積極的にとるようにしましょう。鉄鍋を使って調理したり、非ヘム鉄の吸収を妨げるタンニン(コーヒーや紅茶に多く含まれる)、リン酸ナトリウム(インスタント食品や加工肉、スナック菓子などに含まれる食品添加物)を避けるなど工夫するとよいですね。

いかがでしたか?
「暑くて調理するのが大変」「だるいし、食欲がないからそうめんだけ」
「あまりおなかがすかないから、夜、ビールとおつまみですませる」
それが夏バテを引き起こします。
暑いからこそ食事は3食しっかり食べることを心がけましょう。
旬のものは手に入りやすく、美味しいですし、夏バテに効果があります。
電子レンジをうまく使えば、暑い思いをして調理しなくてすみます。
どうしても食欲がなく、食べられなければ1回量を少なくして間食を上手に使いましょう。
例えば、野菜ジュースをゼリー、寒天寄せにして食べるなど工夫すると食欲がなくとも、のどごしよく、バランスもよい間食になりますよ。
まだまだ厳しい残暑が続きそうです。
元気に乗り切っていきましょう!

【参考文献】
厚生労働省 e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/
暦で感じる、美しき日本の四季「二十四節気七十二候」を知る
https://www.akatsuka.gr.jp/bosco/tokushu-koyomi04/








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