【読書メモ】最高の結果を出すKPIマネジメント
正しいKPIは、この本に書かれているKPIマネジメントを真面目に真似するだけで設定できます。
【学んだこと】
KGIを分解することがとてもとても大事で、KGIとKPIは相関関係がなければならない(そんなの当たり前だ!ということすら分からなかった😨)ということを学んだ。
例えば、KGIが 売上げをあげる の場合は、”売上”がどんな要素で構成されているのかを分解する。
売上は、平均単価×販売数量 で表すことができ、さらに 販売数量 は アプローチ量×歩留まり で表すといった具合で、どんどん分解していく。
この分解が大事なんだ!
本を読む前は、売上をあげるために「何をするのか?」までは考えられていた。
がしかし、思いついたものを箇条書きにして、優先順位が高いものから順番にやっていくという猪突猛進スタイルだった。
この猪突猛進スタイルの何が問題なのかというと、やってもやってもKGIが変化しないこと。
KGIが変化しないので、「もしかして、何をするのか?のアクションが間違っていたのでは」とか「目標値が高すぎたから低くしておけばいいか」とか「KGIを変化するための数値を見つけるために色々な数値をモニタリングしよう!」といった、本来達成すべき目的からどんどん離れていってしまっている今の現状。
この現状から抜け出すために、以下のKPIマネジメントを参考にKGIとKPI設定し直していく。
KPIマネジメントの正しいステップ
1. KGIの確認 (例)利益〇〇億円がKGI
2.ギャップの確認 現在とKGIのギャップ
- KGI数値と現状のまま期間終了を迎えた場合のシミュレーション数値を比較して、「見える化」する。
3. プロセスの確認・モデル化
- ギャップを埋めるために「何をするか」を決める
- ここで重要なのは「何をするか」を明確にする前に、KGIを一段階掘り下げる(KGIが利益拡大の場合は、利益がどうやったらあがるのかを考える。利益は、コストを下げて売上を上げる ことで上がる)
- 掘り下げた要素をさらに掘り下げる(コストの場合は、①無駄金 ②売上に関係しないコスト ③売上に関係するコスト に分解できる。売上の方も同様に分解する)
- 決めたことを現場が実際にオペレーションできるかどうかを加味して検討する
4. 絞り込み(CSFの設定)
- 定数と変数を分ける
- 数式の中でどれが定数(多少は変化する、現場のオペレーションではコントロールできる範囲が小さい、またはコントロールできない要素を含む)で、どれが変数なのかを分離することです。定数は変化しないわけですから、CSF候補から除くことができます。
5. 目標設定 KPIの目標数値は◯◯
- ステップ4で設定したCSFをどの程度の目標数値にするのかが、ステップ5です。この数値がKPIなのです。
6. 運用性の確認
①整合性
設定したCSFが変化するとKGIも変化するのか。 そしてKPIが達成するとKGIも達成するのかといった整合性を確認します
②安定性
データ入手や加工の日程と他業務がかぶっていないか、そのデータ入手を外部に依存せざるをえないことはないかなど、安定的にデータをアウトプットできるのかを確認します。
③単純性
現場のメンバーがシンプルに理解できるかどうか。
7. 対策の事前検討
- KPI数値が悪化した場合の対策を事前に決めておきます。 数値が悪化した場合の対応策は、大別すると次の4つです。
1. 施策
①さらに資金を投入する
②さらに人を投入する
③両方やる
④現有戦力のままやる(つまり何も変えない)
2. 事前に決める項目
①いつ
②KPIがどれくらい悪くなったら
③どうするのか
④最終判断者
8. コンセンサス
- 今まで確定した KGIと KPI 、そして KPI が悪化した場合の施策と最終判断者が誰かを関係者間で確認を取ります。
9. 運用
10. 継続的に改善
- KPI達成には、大きく4つの組み合わせがある
①KPI達成→KGI達成 この相関関係になるべき
②KPI達成→KGI未達成 構造的に間違っている。関係が希薄 or 数値高すぎ低すぎ
③KPI未達成→KGI達成 構造的に間違っている。関係が希薄 or 数値高すぎ低すぎ
④KPI未達成→KGI未達成 こうならないように期中に手を打っておく
【気になったこと】
第1章 KPIの基礎知識
KPIとは、「事業成功」の「鍵」を「数値目標」で表したもの。
KGI(Key Goal Indicator)=最終的な数値目標 CSF(Critical Succcess Factor)=最重要プロセス KPI(Key Performance Indicator)=最重要プロセスの目標数値
CSFは プロセスなので、現場がコントロールできるものである必要があります。現場の努力で変化するプロセスであることは必須です。そのプロセスの中で、最も重要なプロセスを一つ選択します。
KPIは、CSFを数値で表現したものです。つまり、最も重要なプロセスであるCSFをどの程度実施すれば、期末にKGIが達成できるのかを表す数値がKPIです。逆に表現すると期末時点でKPIを達成していれば、結果としてKGIは達成できているといえます。
第2章 KPIマネジメントを実践するコツ
KPI マネジメントは 、最も重要な数値だけに焦点を絞ってマネジメントしようということなのです。
KPIは信号なので「1つ」。 そして交差点に入る前にわかる必要があるので、「先行指標」であることが重要なのです。
KPIを従業員みんなで共有するときの大事なポイント
①CSFがわかりやすいこと(△ A×B÷C ◎問い合わせ数など)
②覚えやすい数値であること(△ 1245, 9963 ◎1000, 555)
PDDSサイクルは、Plan-Decide-Do-See からまた Plan に戻ります。
P: Plan よく考えて D: Decide すばやく絞り込んで D: Do 徹底的に実行して S: See きちんと振り返る
施策の承認をする際に、同時に施策の「振り返り」についても確定するのです。 具体的には、起案者は起案内容に加えて、その施策の「振り返り」を「いつ」「誰が」「何を」「どうやって」実施するのかを併せて起案するのです。
振り返りをしない組織には「知恵」が溜まりません。失敗したことこそ重要な知恵なのです。
第3章 KPIマネジメントを実践する前に知っておいてほしい3つのこと
KGIは究極的には利益なのです。それも継続的に利益を上げ続けることがKGIの本質です。
【やること】
☑ 担当している動画プロジェクトのKPIを見直す
☑ 所属しているチームのKGIとKPIの見直しにKPIマネジメントを活用する
この本を読んで所属チームのKGIとKPIの関係が構造的に間違っていることに気づいた。まさに、10. 継続的に改善 の ② に該当している。
チームのKGIが「利用者に問題の自己解決できるための情報を提供し、オペレーション対応が不要な問い合わせ数を減らす」というもの。
KGIに対するKPIが「問い合わせ件数をn%減らす」、「チャットサポートの満足率をn%増やす」となっている。
基本的なことを言うと、そもそもKGIに数値が設定されていない。
それと、KGIに複数の要素が入っている「問題の自己解決」「問い合わせ数を減らす」ので、仮に問い合わせ数を減らすというKPIを達成しても「問題の自己解決」を達成したかどうかは分からないので、KGI未達になってしまう。(そもそもKGIに数値がないので、未達ですらないわけだが)
といったわけで、この本により課題も見えてきたので「チームにKPIマネジメントを1回提案する」というのが、私のKGIとなる。