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子どものころ、新品の洋服についているタグを集めるのが好きだった。 タグといっても、縫いつ…
中学生のころ、担任に毎日提出する「連絡ノート」があった。 くわしい内容は覚えていない。た…
台所で洗い物をしていて「はあー、肩いたい」とつぶやいたら、たまたま後ろを通りかかった夫が…
思い出にすがりたい日ってあると思う。人には。
ラブレターなるものを、小1のときに一度だけ書いたことがある。
甘夏の外皮に包丁でぐるりと切り込みをいれ、指をすべりこませるようにしてぐぐっ、と力をこめ…
こどものころ「恐怖!」と感じていたことのひとつに「耳鼻科で鼻に金属の棒をつっこまれる」があった。 ほらあの、先が綿棒みたいになっている、銀色をした棒。しかも意外と太い。ああアレね、と思うひとは耳鼻科通いの同志だと思う。 初めてじゃないのに、いや初めてじゃないからこそ。耳鼻科の先生がいたって普通の表情で、金属棒を手に自分の顔へと接近してくるその瞬間が、毎度こわくてこわくてしかたがなかった。 「くる!」と思ったらもう、容赦なく「ズブッ」とくる。それで鼻の奥がガハッとなる。視
とても冷え込んだ朝。わたしは娘を自転車で園に送ろうと、マンションの外階段を降りる。 降り…
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夏の盛り、自転車で坂を勢いよくくだりながらふと「置いてきた」と思う。 ああ、置いてきた。…