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双極性障害とつきあう⑦【初めての処方箋】

2~3週に一度のペースで受診し、
カウンセリングを受ける日々が始まった。

初回カウンセリングに向け、
再びノートを埋める。

①生きる意味がほしい
②いつも120%の力で生きたいと思ってしまう
③マインドを変えたい

この3つをトピックスとして持参した。


①生きる意味がほしい


私にとってそれは、生きていく上で必要不可欠だった。
物心ついたときにはもう持っていた。
やりたいことがあった。
なりたい職業があった。
そのためにできること、やるべきことを知っていた。
だから、生きてこられた。

助産師になり、それなりに仕事をこなせるようになると、私は意味を失った。
鬱とまではいかないけれど、
心が動かず自分を見失った時期があった。
何のために頑張れば良いのかわからなくなった。
生きる意味を見出せないと死にたくなる。
でもそれが一般的な思考でないこともわかってる。
だって、人はそんなに 意味を考えながら生きてはいないはず。
だから私も、
目の前にあることだけ。
「いま」の自分だけを見て。
生きていけるようになりたい。


②いつも120%の力で生きたいと思ってしまう


私にとってそれは、極々当たり前だった。

「宣誓!我々選手一同は、日頃の成果を十二分に発揮し…」
スポーツマンシップが強く根付いていたのかもしれない。
命をお預かりして、それを守る仕事をしている以上、自身のもつ100%以上の力で従事する。
それが、私の日常で、信念だった。
仕事だけではない。
家でも、自分ができる、得意なことはすすんでやった。
器用だったのが悪かったのかもしれない。
結果、家事も経済面も、ほとんどが私の負担になった。
得意な者がやればいい。
それでいい。その方が効率も良く平和。
そう思っているはずだった。
でも実際、私は病気になった。


③マインドを変えたい


自分の理想と思考は明確だった。
これまでと同じように生きてしまったら 同じことの繰り返しになりそうで怖かった。
また鬱を繰り返すのはこりごりだ。
病気を治したい。
日常を取り戻したい。
でも、単に病気を治すだけでは きっとまた繰り返す。
根本的に、マインドを変えることが必要だと思った。


カウンセラーは、私よりも少し若い、
まろやかな雰囲気をもつ女性だった。
私の話を静かに聴き、時々相槌をくれた。
「真面目で几帳面ですね」
「一生懸命 生きてきたんですね」


そして、2つの提案を受けた。


➊生きる意味について考える時間を減らす

”物理的に時間を減らしてみましょう。
動画やマンガをみる時間、好きなことに時間を使うといいですよ。” 


➋色々なことに目を配らず、いつも6割くらいの力で過ごす

”たぶん、ぽこさんは常にいろんなことが見えすぎているんだと思う。
いつも10見えてるから、さらに2個3個気になることが増えたときに気付かずキャパオーバーしてる。
それを繰り返して急に電池が切れちゃうんじゃないかな。
だからいつも10のうち3〜5くらいしか見ないように、トレーニングしましょう。”


どちらも、内容は理解できた。
でも、納得は難しかった。
見えているものに目を瞑るのは、
私にとってはかなりストレスがかかる。

エネルギーを消費しないように、できることをしない。
それは逃避ではないのか?
自分と向き合うってこういうことなのか?
理解はできても、なかなか腹に落ちてこなかった。

それでも、まずは言われたとおりに
やってみようと思った。

初めてもらった、こころの処方箋。

これが本当の意味で効いてくるまで、
実に、半年以上かかった。


余談だが。
助産師の私にとって、彼女の雰囲気や接し方はとても興味深く、学習意欲を掻き立てられた。
患者の立場でありながら、学生のような気分でカウンセリングを受けていた。
つくづく、私は、そういう人間なのである。


今日は、ここまで。
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