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【不登校インタビュー】兄妹で不登校、家で過ごすという選択から生まれたもの(小3・小1)

不登校を選んだ子どもたちと親の生態系を探る【不登校インタビュー】第2回。今日は北上市在住のご兄妹です。兄妹で共に不登校になり、悩みながらも今、どのように過ごされているのか。当事者のお母さんにお話をうかがいました。

小学生の兄妹2人、簡単な調理は自分でできるように

●子どもの年齢、性別

・北上市在住
・小学生の兄妹2人(3年生男子・1年生女子)

●子どもの特徴はある?

・兄
ADHDの診断ありで昔から敏感で繊細な性格。特に嗅覚過敏で学校給食の匂いが苦手。

・妹
繊細な性格。

●いつから不登校に?

どんな感じで学校に行けなくなった?
その時、親の不登校対応はどんな感じだった?


現在3年生。小学1年から行き渋りあり。なんとか連れていき、2年生の2学期までは渋りもありながらも楽しく通えていました。2年生の3学期は不安が強くなり、腹痛、吐き気、休ませず無理に連れて行ったことで喉の詰まり感や、震え、動悸などのパニック発作も起きるようになりました。一旦休み春休みを過ごし… 2024年4月から付き添い登校や放課後登校をしていましたが、親子共に疲弊し、学校をお休みすることを決めました。


2024年、小学校入学後、春の運動会までは張り切っていましたが、それ以降休むことが増え、1年生の夏休み明けにエネルギー切れし、放課後登校もしていました妹もお休みを決めました。

2人で完全不登校になったのは2024年9月から。

●親の就業などの変化

母はパートをしていますが、子連れ出勤がOKな職場なので、以前より勤務時間を減らして働き続けています。

●現在、どうしてる?

いくところある?フリースクールなどいくところは必要だと思う?

2024年11月現在も不登校で自宅で過ごしています。子供たちはフリースクールを求めていないので、休養期間だと思ってのびのび好きなことをさせています。本人たちが行きたがれば、近くにフリースクールなどあればいいなと思いますが、兄の方はまだ母子分離不安があるのでフリースクールも難しいようです。妹の方は反対に母子分離不安はない。兄弟であってもそれぞれの子どもの特性が異なり、不登校、行きしぶり時の対応も違ってくるのだと感じています。

●いま、子や親が一番辛いこと、困っていることは?

お金がかかることです。あまり母は働けないし。

●将来の不安はある?苦労したこと、心や行動の変化(本人・親)

不登校なりかけの頃が1番、母親の不安が強くて、不安から子供に接していた部分があったので、子供自身も不安になり「このまま学校行けなかったら、どんな大人になるんだろう」と親子で泣いたこともありました。

当時、母である私は「学校は行くべき」と思っていて、子供が思い通りにならないとコントロールしようとしていましたが、子供は子供の人生があり、親に決められることじゃないな、と私自身が自分と向き合って心の変化がありました。

今は元気で自己肯定感が上がればなんだってできる!うちのコは大丈夫!と信じられています☺

●周りや身内の理解はある?

周りや身内には理解があり本当に助けられています。

●サポートしてくれた人は誰?

サポートしてくれた人はSNS(インスタグラム)で出会ったメンタルトレーニングの先生。他人軸から自分軸にシフトすることで、母自身のマインドがブレないようにサポートしてくださいました。母が自分に自信を持てるようになると、子供のこともどんどんと信じられるようになりました。

●ゲーム、youtube、TVなどは時間制限してる?

メディア制限はなくしました。始めは制限をしていたし、やりすぎて没収したこともあったけど逆効果で、メディアに対する執着がより酷くなりました。

制限せずにいるとまぁメディアばっかりにはなりますが、子供自身が自分で考えてゲームを止めたりしています。毎日ゲーム時間のやり取りイライラがなくなって母の私が楽なのでよし!

ゲームを飽きるまでやってみたらいいと思ってます(笑)

●習い事どうしてる?

娘は不登校になったと同時に習い事も行き渋り、話し合って今はお休み中です。

●家庭での学習

チャレンジタッチをやっています。

ドリル学習中のお子さん。今ではあまりみられなくなった姿だそう。

●近所の子供達との関係や、子供会参加などどうしてる?

近所の不登校児がいて、学校に行っている子、行っていない子、関係なく小学生の子どもたちは未就学児から小学校5年生くらいまでの子たちで遊んでいます。

●学校教育全般や、地域の教育環境、子育て環境について思うことある?

公立学校に行けるのであれば様々な学びがあるので行ってほしいと思います。が、個性を大事にと言いながらも昔と変わらず、授業中みんな同じ姿勢でピッとさせる学校教育。1年生からの指導が大事なのは分かるが、それでは子供たちは窮屈だろうなと思いました。幼稚園からのギャップが大きいんだと思います。娘は学校では怒られないように!と頑張っていて家では癇癪で。学校で無理してたのかなとも感じました。先生の負担が大きいのもわかるので、まず根本が変わらないといけないのかな、と様々思うとろがあります。

●不登校になって、進化成長したことある?

不登校で伸びた才能、残念だったところある?

不登校になってよかったぁ!とは思いませんが、母である私自身が自分と向き合うきっかけになりました。

真面目で責任感を持ちすぎていると、子供にもそれを求めてしまう。「〜すべき」「こうあるべき」と世間体を気にしすぎていた頃は本当に親子共に辛かったです。今は「自分の気持ちに正直に」を大事にしています。子供を見張ってばっかりだった私はやっと子供を見守れるお母さんになりました。

子供たちも「自分で考え、自分で行動する」をできるようになったのではないかなと思います。 お昼にインスタントラーメンや、フライパンで焼く等、簡単な調理は自分でできるようになりました。

●不登校本人や親にオススメの本やyoutubeなどある?


●いま母が思うこと

不登校初期、私は子供をどうにかしようとしていました。

この困った子をどうすれば学校に行けるようになるんだろう。どうしてこんなに私を困らせるんだろう。もうそういう目でしか見れなくなっていたんです。私は他人の目が怖かったし、不登校もダメなこと恥ずかしいことと思っていました。子供への対応が全ては私のエゴでしかなかった。不安だし心配だから、それを乗せてぶつけていたんです。子供は苦しいしプレッシャーだったし、学校行けない自分は価値ないと思っていたと思います。

息子には「お母さん僕のこと大好き?」と毎日言われてたし、娘には「学校休んだら、頑張ってないから嫌だ」と言われました。子供のありのままを愛して信じられるようになるには、やっぱり母である私自身が自己受容できてるか、気持ちに正直に生きているかが大事でした。

本当はやりたくないのに「母だから」「親として」で頑張り続けなくても良いんだよ。一旦休んだっていいんだよ、と今悩んでいるお母さんがいたら伝えたいです。子供は子供なりに考えてるから。過干渉しなくて大丈夫。自分で考えて決めて生きていける。

学校復帰、フリースクールなどいろいろ悩みましたが、今は家で過ごすという選択を親子でしています。一時期は、不登校のことで家庭崩壊するんじゃないかと思うくらい苦しい日々もありましたが、今は夫も子供も「家族一致団結」している感覚。犬や動物たちにも囲まれ、今しかない子ども時代を大切に過ごす日々です。

小学校1年生のドリル
飼っているわんちゃん
小さな動物たちの世話も
雨上がり、空に虹が

(2024年11月1日 取材)


インタビューにご協力をありがとうございました。

不登校サークル岩手南 PLAY!(プレイ!)
公式 LINE
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