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毎日これだけ歩いたらそりゃやせるだろうと思うけども

ウォーキングを始めた。

ついこないだ「ランニングを1年続けたぜ」という話を書いたところなのにその後寒くなってモチベーションが下がり、ぱったり走らなくなってしまった。1年続けた習慣をやめさせるとは。2月の寒さ強い。

このままではこの1年間のランニングでがんばって培ってきたものが失われてしまう。1年前から体重も減ってないし体力が上がったようにも思えないので何が失われるかは自分でも分からないが、とにかくこのままではいけないという焦りを覚えたので、とりあえず歩いてみることにした。

痛風を診てくれた医者も「運動しろ、1日1万歩歩け」と言っていた。「走れ」とは言ってなかった。まだ自分の体には「走る」という運動は早すぎたのかもしれない。医者に「毎週走ってます」と伝えても「ほんとかよ」という目で見られていた気がしたのは気のせいではなかったのか。

ランニングは週に2~3回が限度だったけどウォーキングなら毎日できそうだ。出かける前に着替えなくてもよいし、帰ってきてからシャワーを浴びる必要もないし、歩きながら考え事をしたりスマホにメモしたりする余裕がある。続けられる気しかしない。

ランニングしても体重が減らなかったのにウォーキングで減るわけがあるのか、という不安もないではないが医者が勧めることだ。間違いであろうはずがない。「体力のない人が負荷の大きい運動をしても逆にやせない」みたいな体の仕組みのようなものがきっとあるのだ。


そういうわけで早速昼休みにウォーキングに出てみた。自宅周辺をぐるっと回って30分で帰ってこられるコースを設定して歩く。

走っていた時は「なんか今日は体が重い気がする…」「足も痛い気がする…」「このペースでいけるだろうか…」とあれこれ考えながら走っていたものだけど、そんなことは何も考えず、ただてくてく歩くだけでよいというのはなんと楽なことだろう。

平地だろうが上り坂だろうが大したちがいもなくてくてく歩ける。

坂を上ってまた下る。うちの近所は坂が多い。出かけると必ず行きか帰りのどちらかで坂を上らないといけないので、うちの子供たちは自転車で出かけるのを好まない。自転車が上手くなるか、好きになるかは住んでる環境の影響が大きいんじゃないかと思う。

坂と言えば小学生の時の国語の教科書に出てきた「あの坂を登れば」がずっと記憶に残っていて、坂を上るたびに思い出す。「あの坂を登れば、海が見える」だったか。そんな素敵な坂なら良いのだけど、うちの近所の坂は上っても住宅街が続いているだけだ。

コースを一周して帰ってきたらちょうど30分経っていた。

どれどれ5000歩くらい歩いたかな、とスマホのヘルスケアアプリを確認すると「3000歩」。思ったよりも歩数を稼げていない。この計算だと1万歩歩こうと思うと1時間半くらい歩かないといけないではないか。


毎日1万歩は思ったより大変そう…というか無理です医者先生…と半ばあきらめかけつつ、次の日はたまたま平日休みだったので「とりあえず1万歩歩く経験をしてみよう」と出かけた。

ランニングで走ったことのある6kmくらいのコースを設定し、いざ出発。天気は快晴でそれほど寒くなくてとても心地よい散歩日和。歩いていると軽く汗をかくくらい。すれ違うのは老人か主婦、小さい子供を連れた母親、大学生らしき若者、午前で授業が終わったらしき中高生たち。

いやこれは気持ちが良いね、と気分よく歩く。

しかし歩いているとやたらとトイレに行きたくなる。走っている時はこんなことはなかったのだけど、歩いているだけだと体が冷えるのか、それとも体内で汗的なものをかいてそれを排出しようとしているのか、とにかくトイレに行きたくなる。ショッピングセンターやら公園やらのトイレに寄り道しつつ進んだ。

ショッピングセンターに入ったついでに暖かいお茶を買い、それを飲みながら歩く。走っていたらできなかったことだ。おやつも買って食べながら歩いたら楽しいんじゃなかろうか、とウキウキしかけたけどダイエットのために歩いていることを思い出してやめておいた。

1時間ちょっとで6kmのコースを歩き終え、ゴール地点に着いたけどまだ8000歩くらい。延長だ。

とりあえず歩き続けよう、と通ったことのない道に入ってうろうろしていたら途中でカラスに挑発された。道端のフェンスの上にとまっていて、すぐ近くを歩いても飛び立たず、こちらに向かってカーァカーァと「バーカバーカ」みたいな雰囲気で鳴いてくる。

バカにされているように聞こえるのはカラスが賢い鳥だという知識が自分の劣等感を刺激してそのように聞こえさせているのか、それとも実際にカラスにバカにされているのか。

どっちなんだろう、とどうでもいいことを考えているうちに1万歩を過ぎていた。


かかった時間は1時間45分で距離は7.6km。1時間半以上かかった。これを毎日は無理だ。毎日これだけ歩いたらそりゃやせるだろうと思うけども。

とはいえこれだけ歩いても、同じ距離を走ったときと比べると全然疲れていないし、歩いている間は色々と考えることができるので充実した時間の過ごし方ではある。走っていた時は「しんどい…まだか…まだ走らなあかんのか…」とほとんど頭が働いていなかったのでその点は大違いだ。

1日1万歩はいつか目指す目標にして、ひとまず1週間あたりの平均歩数を上げていく方向で続けてみたい。続けているうちにいつか気持ちが盛り上がり、早起きして1万歩歩くようになる可能性もないではないし。

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