週刊少年松山洋_タイトル_修正

給料ってどこから出てるんですか?

ゲーム会社の社長をやっていると、色んな人と出会います。

会社の中で開発をやるだけでなく、外に出てたくさんの人と会って情報交換することもその役割のひとつだと思って私は日々様々な交流会に出向きます。

ゲームクリエイター・出版社・漫画家・アニメーター・映画製作会社・広告代理店・音響制作会社・声優・舞台俳優、色んな人と出会って色んな情報交換をします。

ただ“雇われている人”と“雇う人”では明らかに視点が異なります。

今回はそういう“視点の違い”の話です。

定期的にやっている交流会のひとつに『社長会』というものがあります。

ゲーム会社やイラスト会社やアニメ会社・アプリの会社、みんな業種は様々ですが、立場は代表取締役=社長のみで構成された交流会です。

社員の前ではなかなか口に出来ない悩みだったり、経営的な相談や情報交換をしたりする会です。

先日、その交流会の場であるゲーム会社の社長がこんなことを言ってました。

“こないだね、ウチの若手のスタッフと飲んだんだけど。せっかくなので何でも質問してよ、って若手に言ったら「ホントに素朴な疑問なんですけど質問していいですか?」って聞いてくるから「いいよ」って伝えたら、「会社の給料ってどこから出てるんですか?」って聞いてきたのよ。さすがにショックで言葉が出なくてさ。”

“「お前の稼いだ売上から出てんだよ!」って怒鳴ったら静かになっちゃって。「え、なんで?なんでそんなことを疑問に思ったの?」って聞いたら「だって会社が赤字の時でも給料が出てるので一体どうなってるのかと思って聞きました」って言われてさ。本当にショックで。みんな自分の会社でその辺の社員教育ってどうしてる?”

『社長会』ではこういった具体的なエピソードが飛び出してくるワケですよ。

そうして集まった社長同士の意見交換が始まります。

“うーん、ウチのスタッフもわかってなさそうだなぁ”

“ウチは入社時の研修で「お金の仕組み」については説明してますね”

“自分が普段やっている仕事とお給料は直結して考えてないだろうねぇ”

“会社には色んな部署があって自分以外のどこかの誰かが稼いでくれていて、自分のようなヒヨっ子の分まで給料が出てるって思っているのかもしれませんね”

“単純に不思議なチカラで【社長がなんとかしてくれてる】って思ってるヤツもいるかもですね”

“そんな錬金術なんて無いのにね”

“単純に借金してるだけだよね、銀行から”

“それを一時的なものにして期日までになんとか帳尻を合わせるだけ”

“それが間に合わなかったら潰れるだけだよ”

“けど、これをイチ社員に理解しておけって言うこと自体が土台無理な話だよね、わかるわけがないよ”

“そうだね、けど何にも知らない馬鹿は社会人として恥ずかしい思いを本人がしてしまうことになるから、やっぱりちゃんと教育していかないとね”

“ねえ、お互いの会社でさ、そういう研修とかの情報交換やらない?”

“もしくはお互いの会社にそれぞれ出向いて講演やるとかね、スタッフさん向けに”

“あー、いいねぇ、ちょっと具体的な打ち合わせの日程決めましょうか”

“誰が仕切りやります?”

“じゃあ、今回は私がやりますよ、言いだしっぺだし”

“あとはLINEグループの『社長会』でスケジュール決めましょう”

かなりリアルに書いてしまいましたが、ほぼこういうやりとりが行われ具体的なスケジュールの話までして実際に決めたりしています。

しかし、さすがに私も話を聞いていてショックでしたね。

“会社の給料ってどこから出てるんですか?”

ウチのスタッフはさすがにここまでわかっていない人間はいないと思いますが。(研修もやってるし、このnoteの『週刊少年松山洋』の原稿も社内で公開してるし)

ただ、一般的にもイチ社員というのはお金の仕組みや会社の仕組みっていうものを意外と考えてないのかもしれませんね。

ふむ。

近日中に【お金にまつわる話】をこの『週刊少年松山洋』で書いてみようと思います。

リクエストがあればコメント欄にお願いします。

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さて後半部分は先日公開して反響が大きかった記事“第115号『イラストレーターを安易に目指すな』”に関するこの1週間の出来事をお話しします。

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