詩的エッセイ | おだやかな時代

朝のニュースを見たときは
心穏やかになることはありません

少子化対策ですって？
誰も国のために
子どもを作るわけじゃありません
二人の愛の結晶として
子どもをほっするのでしょ？
国の景気対策のために
生まれた子どもは
不幸になるに決まってる
景気がよくても悪くても
かなしみの数が増えるだけだ

ネットで誹謗中傷されたって？
この記事を拡散してくれって？
いいねの数が正義だと
あなたは言いたいんでしょうね
人のことを言う前に
あなたご自身の言動を
振り返ってみたらどうでしょう？
たまたまあなたが多数派だった
ただそれだけのことかもしれぬと
よくよく胸に手を当ててから
発言しなさい
元凶は自分自身かもしれないと
思う心のない人の言葉は
綿よりも軽い

ニュースを見てご覧なさい
いつの時代も
「待った無し」ばかり
心はどんどん荒廃していくだけ

こころ穏やかに過ごしたいなら
ニュースなんてまったく見ないか
いいニュースも悪いニュースも
ただ聞き流しておけばいいのです

ひとりひとりの
心が穏やかになれば
自然とおだやかな時代は訪れる
正義という名のもとに
火に油を注ぐ人間がいる間は
ずっとずっと乱世のままだ

千世代にわたる
乱世を終わらせるには
ひとりひとりが
穏やかになるしかあるまい