詩 | 穴の中の君に贈る
君はずっと一人、穴の中で生きてきたんだね。
つらかったよね、なんて月並みな言葉を君に贈るつもりはないよ。
なにがきっかけになったのかは、僕は知らない。
穴の中から抜け出した君を、ただ見守ることしかできない。
どうだい?穴の外の世界は?
まぶしいだろう?
君が何100年も穴の中で眠っている間に、みんなどこかへ行ってしまったんだ。
君のまわりにはもう誰もいない。
みんなが作り上げた道も、もはや今、一本も残っていない。
それでも、太陽と青い山と緑の草原と大地はある。
君は歩き始めた。
どこへ向かっていいか、君は途方にくれているだろう。
だけどね、どの方向へ歩いて行っても、必ず今と違う光景を、君は見ることになるだろう。
どこにもたどり着かないかもしれないが、暗く閉ざされた深い穴から一歩踏み出した君に、僕はエールをおくりたい。
君の心に、微かにでも風をおくることができるなら、僕はとてもうれしい。
(384文字)
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記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします