文章トレーニングとしてのパラフレーズ学習法に関する一提案
パラフレーズ(paraphrase)とは、「言い換え」のこと。
この記事では、パラフレーズとは何か?ということを(疑似)入試問題を通して説明したあとに、小説やエッセイを書く際にも転用できる「パラフレーズ学習法」について書きます。
今の入試問題では減りましたが、私が中学生の頃は次のような問題がしばしば出されました。
中学生の頃の言い換え問題
She is going to do her homework.
= She will do her homework.
He has to do the job.
= He must do the job.
She can swim.
= She is able to swim.
He likes reading books.
= He is fond of reading books.
She walks to school.
= She goes to school on foot.
You plays basketball well.
= You are a good basketball player.
I was so tired that I couldn't walk.
= I was too tired to walk.
高校生の頃の言い換え問題
It rained so heavily that I couldn't go out.
= The heavy rain prevented me from going out.
I can't see you without being reminded of your sister.
= Whenever I see you, you reminds me of your sister.
It seems that he was rich.
= He seems to have been rich.
こういう書き換え問題は、だいたいパターンが決まっていて、覚えたことをほぼ機械的に再現できれば解くことができます。
ただ、使う言葉が違えば、当然ニュアンスは異なるので、そう単純ではありません。
「will = be going to (do)」「must = has to (do), have to (do)」などと丸暗記させられましたが、使える状況やニュアンスは異なりますね。
しかしながら、特に「書き換え問題」を批判しているわけではありません。基本的な言い回しや文法を覚えるためには、このような問題を解くことも意味があると思っています。
とはいえ、このような問題は試験問題として出題すると、出題者の意図を越える別解がある可能性もありますし、そもそも元の文と書き換えられた文の意味・ニュアンスは異なるので、入試や検定資格の問題として出題するには適切ではないかもしれません。
試験問題としての「言い換え問題」は、上記のような問題が多いため、現在の入試問題では減少傾向にあるのでしょう。その代わり増えてきているのが、「自由英作文」系の問題や内容把握・要約の問題です。
暗記問題より、どのくらいアウトプットできるのかという考え方には賛成できますが、ただ試験の「公平性」という観点から考えるとどうなんでしょうね?
文法的に間違いのない平凡な表現だけで書いた答案が満点をとる一方で、レトリックを駆使したり、難解な語彙をふんだんに使いながらも文法的に間違えば大幅減点されることは、納得しがたいものがあります。
だから、私は覚えることはきちんと覚えたという「暗記問題」で採点したほうが「公平」だと考えます。
「自由英作文」のような問題は、加点方式で採点するのか、あるいは減点方式で採点するのかによっても採点にブレが生じますし、受験生の力量というより「採点者の力量」が問われます。
少子化の中で試験は、「落とすため」の問題ではなく、「基本の習熟度」を確認するための暗記問題中心のほうがいいのではないかと考えます。
テキストを与えて、それを丸暗記したら「全員合格」でいい。その代わり、テキストは分厚くする。。。
…なんて、受験が終わっている私は思ったりします。基本だけ押さえていれば、あとは大学なり、大学院で論文やコミュニケーションに必要な英語を学んでいけばいい。
そういう意味で、和訳と英訳の問題しか出題されない京都大学の問題は素晴らしいと思う。下手にリスニングもスピーキングなんて導入するから、英語嫌いを増やすのです。
たとえば「読むだけ」「書くだけ」に特化した学び方だっていいはずですね。
前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。
試験問題としては欠陥がありますが、「パラフレーズする訓練」というのは、ある程度の語学力をつけた人には良いトレーニングになると思っています。
以下では「パラフレーズ学習法」について書いてみます。ここからが本題です。
記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします