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ベタなワイドショー

はじめに

最近「ベタ」について考えている。なにげなしに書き始めたが、「シリーズ化」しようかな、と思い始めている。。。

今回は「ベタなワイドショー」(情報番組)を俎上にあげる。固有名詞が変わるだけで、昔も今も、同じようなスキャンダルネタ・政治ネタが多いですよね。


短編 | 不倫疑惑問答(俳優vsリポーター)

(1)

「なんであんなにかわいい奥さまがいらっしゃるのに不倫してしまったのですか?」

「いえ、不倫ではありません。知り合いの女の子から、いろいろ相談したいと言われまして。やむを得ず、と言いますか。。。」

「やむを得ず、ホテルの一室に女性とともに泊まった、ということでしょうか?」

「いいえ、泊まったわけではありません。ずっと部屋の中で、いろいろな相談を受けていました」

「夜遅くに入室して、明け方にチェックアウトすることを『一泊する』というのではないでしょうか?」

「私といたしましては、『一泊した』という認識はなく、数時間ホテルに『滞在した』という認識です」

「それは詭弁ではないでしょうか?夜から朝まで滞在することを『一泊する』というのです」

「そういう解釈もあるかもしれませんが『一泊する』というと、『寝た』というニュアンスを伴うといいますか。。」

「その女性とは寝ていないわけですね。しかし、目撃証言によれば、朝、部屋から出てきたあなたには、寝癖がついていたということですが。。。」

「ちょっと横になっただけですが」

「ちょっと『横になる』ことを『寝た』というのではありませんか?」

「いや~、それは少し違うのではないですか?『寝た』というと、エ○チなことをやったという意味合いになりますよね」

「断じて、男女の関係はなかったと、そうおっしゃるわけですね?」

「その通りです」

(2)

「ほんとうでしょうか?実は先ほど奥様に伺ったところ、あなたのワイシャツに口紅のあとが残っていたとのことですが。。。」

「妻のところまで、行ったのですか?プライバシーの侵害じゃないですか?」

「話をすりかえないで下さい。あの晩、あなたはホテルの女性と寝たのではありませんか?」

「いいえ、『寝て』いません」

「では、女性と一緒に『横になり』ましたか?」

「そ、それはそうです。一晩中立って会話するわけにはいかないでしょう」

「女性と一緒に横になって、お布団をかけましたか?」

「寒かったですからね。常識の範囲内で布団をかぶりました」

「それを一般的には『寝る』というのではないですか?」

「いや、布団をかぶって『横になった』だけです」

(3)

「○○さーん、もう楽になりませんか?見苦しいですよ。あなたは女性とホテルに滞在し、ベッドに二人で横になったわけですよね。それを世間的には『不倫』というのです」

「そういう『説』もあるのでしょう。しかし、私は相談にのっただけで、それ以上のことはなにもしていません」

「同じ布団の中に入ったのに、女性に指一本触れなかった、ということですか?それはそれで、女性に対して失礼ではありませんか?」

「となりに寝ていたわけですから、指一本くらいは、軽く触れたかもしれません。しかし、それ以上は。。。」

「キスひとつも、なさらなかったのですか?かわいそうに。。。」

「いや、キスくらいは。。軽くフレンチキスと申しますか。。。」

(4)

 「キスまでして、それ以上のことがなかったとすると、女性は傷ついたのではないですか?同衾しながら、キスだけ、というのは、女性として侮辱されたと思うかもしれませんよ」

「そんなことないですよ。私たちはちゃんと結ばれましたよ。一回や二回ではない❗」

「何度も男女の関係をもった、ということですね」

「あくまでも、『相談』ですよ。身体で語り合うことも必要でしょう。深いところまで理解し合うには。。。」

おしまい


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記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします