文学に見るso~that...構文のバリエーション
「so~that…構文」(非常に~なので…)。
中学生の頃に始めて英語の授業で学んでから、いったい何回見かけたことだろう?
いわゆる「クジラの構文」(A whale is no more a fish than a horse is.)のように、試験には出ても、あまり使わない言い回しがある一方で*、「so~that…構文」は必ずと言ってよいほど、どんな小説を読んでいるときにも出てくる。
*(注意)
「クジラの構文」もラッセルの「幸福論」の中で使われています。使われる頻度は高くはないですが、必ずしも覚えてもムダだとは思いません。
この記事では、私が最近読んだ小説に登場した「so~that…構文」を取り上げます。使い方には、色々とバリエーションがあります。
#Edith Wharton
#Ethan_Frome
#The_Modern_Library_Classics
Edith Wharton, "Ethan Frome," p10より
拙訳(私の翻訳)
こんなことが起こると、彼は青い目を話し相手に向けながら静かに聞いたものだった。彼はとても低い声で答えるので、彼の言葉が私に聞こえることはなかった。
普通の語順なら、「in a low tone (of voice)」となるが、「low」という形容詞を「so」で強めるので、「so low」が「a tone」より前に出される。しかし、「in a low tone」でひとまとまりなので、「so low」が「in」より前に置かれることはない。
こういう使い方は、一般的な文法書には説明がないので、ひとつひとつ読書しながら、バリエーションを蓄積していきたいところだ。
#H_G_Wells
#The_Island_of_Dr_Moreau
#Signet_Classics
H.G.Wells, "The Island of Dr. Moreau,"
Signet Classics, p10より。
う~ん、どう考えても不自然だし、構文がつかめていないような翻訳だ。
ということで、私が訳してみます。
まず構文を整理します。
The growling overhead was renewed,
so suddenly
and with so much savage anger
that it startled me.
「so suddenly」と「with so much savage」という副詞句が「とても~なので」と訳したいところ。
私ならこう訳す。
🙄拙訳(私の翻訳)🙄
頭上から再び、唸り声が聞こえた。あまりに突然で、あまりに野卑な怒りを伴っていたので、私は肝をつぶした。
「so~that…構文」って奥が深いでしょう?
最後にもうひとつ、同じウェルズの「ドクター・モロウ」から「so~that…構文」の用例を挙げます。
前掲書、p51より。
今度は、「so nervous」が主語を飛び越えて文頭にやって来た「倒置構文」。
倒置構文と言っても、否定文の倒置構文ではないので、
「So nervou+ 動詞 + 主語」というように、動詞が2番目に来ること以外は、変わりません。
これもnoteAIアシストに翻訳させてみました。
おおお、なんかスッキリした上手な翻訳です🤣。とくに私が手直しするところはありませんが。。。。私が訳すとこんなふうになります。
🙄私の翻訳🙄
とてもナーバスになっていたから、真っ逆さまに落ちてしまいたいという衝動を抑えるには、最大限の困難を伴った。
まとめ
今回は「so~that…構文」を少しだけ深掘りしてみた。
参考書にもよるが、
I was so tired that I couldn't walk on.
(とても疲れていたので、歩き続けることが出来なかった)みたいな例文しか参考書には載っていないことが多い。
初級者はそこから学ぶのだが、よく使われる言い回しには様々なバリエーションがあるので、真の意味で使いこなすには、多読が必要だと思われます。
最後に。
「so」は「とても~」と訳されますが、「very」とは異なります。
It is very good! なら「とてもいい!」ですが、
It is so good! の場合は「that以下」が省略されているようなニュアンスになります。
It is so good.
「とても良いから、(来てよかった)」
「とても良いから、(感謝している)」
( )に何が来るのかは、文脈や相手の気持ちを読み取ることで理解した方がいいですね。なんらかの「含み」が「so」が用いられる時には伴うものです。
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