英語の話🔠副詞を使いこなす。

割引あり

山根あきら | 妄想哲学者

2024年1月27日 11:10

以前書いた記事とカブることが多いですが、改めて副詞についてまとめておきます。

(1) 副詞とは？

https://kimini.online/blog/archives/11589

副詞は、英語ではadverb [アドバーヴ]と言います。

adverb = ad + verb

「ad」はラテン語で、「付加」を意味し、「verb」は「動詞」を意味します。

「形容詞」は基本的に「名詞」を修飾するのに対して、「副詞」は「動詞」や「文全体」を修飾する品詞だと思っておけば、とりあえず間違いありません。
⚠️細かな説明は、上(↑)のリンク先をご覧ください。

(2) successfullyは便利な言葉

副詞については、以前も書いたことがあります。使いこなせれば、とても便利な言葉です。

たとえば、「私は泳ぐことが出来ました」を英語になおすならば、

I could swim. あるいは
I was able to swim. と訳す人が多いと思います。
これで間違いはないのですが、前後の文脈がない場合、
I could swim. の「could」は、仮定法の用法もあり「泳げたらなぁ」という解釈も成り立つので、曖昧さが残ります。

副詞「successfully」(首尾よく、うまく)を用いて、

I swam successfully. とすれば、「私は泳ぐことができた」という曖昧さのない意味を表すことが出来ます。
could, might, would などの助動詞は、心理的な濃淡を表すためには大切なものですが、「過去形+successfully」も便利な表現なので覚えておくと良いかなぁ。

(3) 副詞は「基本的には」後ろに来る箇所を修飾する。

文法書によく出てくる例文に次のような文があります。

①Happily he did not die.
②He did not die happily.

副詞は「基本的には」後ろにつづく箇所を修飾します。
①では、「Happily」は「he did not die」を修飾するので、
「さいわい、彼は死なずに済んだ」となります。
②ではどうでしょう？
「not」(notも副詞です)は「die happily」を修飾するので、
「『幸福に死ぬ』ではなかった」となりますので、訳文は
「彼は幸福な死に方ではなかった」となります。

一応の文法的な説明は今書いたとおりですが、文脈や「間のとり方」が大切です。

②の文も、一息に間髪いれずに読めばさききほど言ったように「彼は幸福な死に方ではなかった」と解釈できますが、

He did not die.と言ったあとに、十分な間をとってから言えば、
「彼は死ななかった。。。さいわいに」となり、①と同じ解釈になり得ます。

　ややこしいですね。ですが、「基本的には」、副詞は後ろの箇所を修飾する、と覚えておけば、理解しやすいのではないでしょうか？

(4) apparently, evidentlyの解釈は注意が必要

apparentlyとevidentlyが登場したときには、細心の注意が必要です。

どちらの単語とも意味は似ていて、
①「～のように見える」という意味と
②「～は明らかだ」という意味があります。

ほとんどの場合は「～のように見える」という意味で使われますが、「～は明らかだ」という意味で使われることがあります。だから、真っ先に思い浮かべるのは「～のように見える」で良いのですが、「おかしいな」と思ったら②の意味を想起する、ということになります。文脈からしか判断できないので、日本人からすると特に注意すべきワードです。

　なぜこういうことになるのかという理由を考えてみましょう。

apparentlyの名詞形は「appearance」で「見かけ、外見」という意味です。
「見かけ、外見」が見えるとき、
(a)「目に見えているから明らかだ」と思うときもあれば、
(b)「目に見えている部分しか分からないけど。。。」と思うときもあるでしょう。

evidentlyもapparentyと同じような事情があります。
evidentlyの名詞形は、evidenceで「証拠」という意味です。
つかんだ証拠に信頼性があると思えば
(c)「証拠があるから明らかだ」となり、
つかんだ証拠や心証があっても確証があると言い切れない、と思えば
(d)「～のように見える、～と思えるんだけどなぁ」という気持ちになりますね。

　自分で文を書くときには、曖昧さを残したくなければ、apparentlyやevidentlyは避けたほうが無難かもしれません。

「～のように見える」であれば、「seemingly」や「it seems (that) ～」を用いる。
「～は明らかだ」であれば、
「clearly」や「I am convinced that～」を用いる。
　その方が「apparenty」や「evidently」を用いるより誤解が減るかなぁと個人的には思っています😊。

まとめ

「副詞」は、表現する人の気持ちがこもるものです。文脈や間の取り方で解釈がわかれやすい。だから、ややこしいのですが、副詞を使いこなせたら英語の達人でしょうね。