数学 |グラフをかく前に考えること
ざっと読み流すだけでも、意味がわかるように書いたつもりです。
一読(一見?)していただけたら嬉しいです。
グラフを見ていただくだけで、数式の意味はわからなくても、云わんとすることは分かるはずです。
関数のグラフ
関数の問題について考えるとき、グラフを実際にかいてみたほうが視覚的に理解しやすいものです。
1次関数や2次関数の問題が出題されたら、「グラフをかきなさい!」という設問がなくても、グラフをきちんとかけるか否かが、問題を解く第一歩です。
y=ax+b という1次関数グラフならば、式を与えられた時点で直線のグラフになることが分かるので、Y切片(X=0の時のYの値)と、X切片(Y=0の時の値)を調べる。二点の座標が分かれば、あとは直線で二点を結べばグラフは完成します。
単純なグラフなら、パッと見ただけですぐにグラフをかけますが、高校生で学ぶちょっとだけ複雑な方程式のグラフになると、微分して増減の変化を調べる必要があります。
一般的に複雑な関数のグラフをかく場合は、「与えられた式を微分して『増減表』をかく」というのが定石です。けれども参考書を読んでいると、「これってわざわざ微分しなくても、グラフの概形は分かるのにな」と思うことがあります。
せっかく積の形をしているのだから
たとえば、「y = x•sinx」のグラフの形は、いちいち微分しなくても予測できるのではないでしょうか?
せっかく「x•sinx」という積の形で方程式が与えられているのですから、
微分する前に、「y=x」と「y=sinx」というグラフがそれぞれどのような形なのか想起してみたほうがグラフの概形をつかみやすいのではないでしょうか?
y = x (比例)のグラフ
まず、「y=x」のグラフは?
これは最も単純な比例を表す式でしたね。グラフは次のような直線になります。
https://juken-mikata.net/how-to/mathematics/linear-function.html
y = sinxのグラフ
では、次に「y = sinx」のグラフの形を思い出してみましょう。
こんな感じの波形が周期的に繰り返されるグラフになります。
http://www.ftext.org/text/subsection/605
y = x•sinxのグラフの形を予想する
上で、「y = sinx」と「y = x」という2つのグラフの形を確認しました。
両者ともに、原点[ (0,0) ]を通ることが分かるので、それを掛け合わせた「y=x•sinx」のグラフも明らかに原点を通ることがわかりますね。
また、右上がりの比例のグラフと、周期的に繰り返す波の形のグラフを掛け合わせれば、「波打ちながら、その振り幅が大きくなっていくだろう」という予測ができます。
また、y = x•sinx の「x」に「-x」を代入してみれば、
y = (-x)•sin(-x)
=(-x)• (-sinx)
=x•sinx
つまり、Y軸に対して対称なグラフ(偶関数)になることもわかります。
以上のことを踏まえると、微分しなくても、「y = x•sinx」のグラフは、次のような形になることが予想できますね。
y = x•sinxのグラフ
https://www.smoeducation.net/xsinx-%E3%81%AE%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%95/
結び
数学の問題では、定石や公式を使うことがほとんどです。
そして、定石や公式を覚えていれば、基本的に誰でも問題を解くことができます。
決められた時間内に与えられた問題を解くという受験問題だけを考えるならば、「数学は暗記科目だ!」と言われても仕方ありません。
けれども、公式や定石を使う前に、おおざっぱでもいいので、答えを予測するということが大切だと思います。
予測ができていれば、定石や公式に当てはめて出した答えが間違っていれば、「どこか計算が間違っている」ということに気がつきやすくなります。
私は数学を学ぶ意義は、公式や定石を丸暗記して使いこなすことにあるとは思っていません。
答えを出す前に予測する力。それがいちばん大切なのだろうと考えます。もちろん、正しい答えを求めることも大切ですが、学校を卒業して試験とは無縁な大人の「学び直し」として数学を学ぶならば、答えを出すこと自体よりも、思考方法を身につけるほうが意義があるのではないでしょうか?
記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします