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記事一覧

香る月、輪にかけて日

ああ 言葉がほしいな あなたの物語がほしいな たくさん残してくれたけれど もうだれも続きを…

ピカ炉
3年前
12

あの日を見た

わたしは今日あの日を見た 夕日にベランダのブロックが焼けただれていた 後頭部を向けてチリ…

ピカ炉
3年前
23

コンビニエンス・ムーン

お肉をパンで挟んだやつが食べたくなって 0:42、道路に出たらおばけみたいな月がにかっと笑っ…

ピカ炉
4年前
7

ハウツー、

夢にはいるとき、大きな寸胴の穴を落ちていく、そこにはたくさんの横穴があって、風が吹き込む…

ピカ炉
4年前
7

夜眠れなくて、もう少しで朝がやってくるころにうつぶせになると、胸がきゅっとなる、ゆっくり息を吸って吐くと、甘じゅわりとお腹の底に溶ける。素敵だった週末へのお別れだから切ない。(月曜学校行きたくない/ピカ炉)

ピカ炉
4年前
27

雄弁

一生あなたにはできないね、誰かに報告するための体調管理みたいに数をこなして、誰かに見ても…

ピカ炉
3年前
10

航海

眠りに落ちる直前と泣いた後は 研ぎ澄まされて 銀の海のよう 泳ぐ言葉に釣り針垂らし引っ掻き傷をつくる、忘れないように 寂しさは唯一奪われない 痛みは贅沢なダイヤモンド砥石だと言った 苦しみは それじゃあ苦しみは しあわせは しあわせは 眠りに落ちる直前の泣いた痕は 研ぎ澄まされて 銀の海のよう 浮かぶ言葉を網で掬って、救って あなたは、蒔いた寂しさに愛を注いで育った 傷口には、ことばを入れて刻んだ 美しい模様を背負うあなたは、船を漕ぐ 苦しみの波は砂を濡らしてはひいて しあ

咲いた

小さい人の真新しい下の歯を見て、チューリップが咲いたと思えるのは、わたしがまだ小さいとき…

ピカ炉
3年前
13

自転車のライト、漕ぎ出してから右足で点ける、わたし 自転車のライト、またがる前に手で点け…

ピカ炉
4年前
13

閃光自由律

- 恋人に会いたい とてもいい声と眼差しと お上品な口を持っているの - おやすみ前に聞か…

ピカ炉
4年前
5

自由律なんとか 葉月

- 耳元で 蚊みたいに飛ぶことがある わたしも - 蚊を手につけたまま指差すから 吸われちゃ…

ピカ炉
4年前
5

カーテンコール

おいで 窓辺に 一日の終わりに 今日も悲しくなってきらきらの涙の道を作ったんだね でも重…

ピカ炉
4年前
8

夏の川

信号待ち 暑いね 向こう岸見てる あと5秒で渡れるはず あと3秒で汗はじわじわ 信号青に …

ピカ炉
4年前
6

ゴミの日前夜祭

この部屋のものを捨てて捨てて捨てたら、 楽になりますか ミニマリストは、穏やかな呼吸をしますか 誰も本気で嫌いになれないから、あれもこれも捨てれず大きくなります ミニマリストは、穏やかな呼吸をしますか わたしは大きく、大きく息を吸って、自分を広げて苦しいです そのまま天国まで気球みたいに飛ぶのかしら 嘘です 思ってないです 断捨離の後悔はこの世に存在しません 一緒に捨てるのだから こわいかい こわいかい ミニマリストは、穏やかな呼吸をしますか 苦しそう