香る月、輪にかけて日
ああ 言葉がほしいな
あなたの物語がほしいな
たくさん残してくれたけれど
もうだれも続きを書けない
ずっときらきらひかるお話を透かして世界をみていた
それが本物だと思うほど
ずっと新しいかがやきと
いつまでも恋しい過去の感情たち
それが永遠だと思うほど
あなたが死んでしまってはじめて
この大きな世界が、たったひとりの
生きた人間につくられていたなんて
世界がひとつおわっちった
ああ 言葉がほしいな
懐かしい世界にしないで
たくさん残してくれたけど
もう誰も書けない続き
世界がひとつおわっちった