バックオフィス業務DXの落とし穴-コミュニケーション編 Part 2|同期or非同期?
前回からスタートした『バックオフィス業務DXの落とし穴|コミュニケーション編』。
DXツールを使うという手段を目的に設定したために、部下とコミュニケーションが取れなくなってしまった筆者。
何が間違っていたのか?
答え合わせ回です。
早速いってみましょう!
この記事を読んでほしい人
管理職・チームのリーダー
自組織におけるICT/DX推進の担当者
仕事に追われて疲れ果てている人
1. DX間違い探し:答え合わせ
間違いポイント①
×DXツールの導入自体が目的化していた
→DXツールはあくまで手段、目的は部下を激励しパフォーマンスを最大化すること
間違いポイント②
×文書を読んでわからない・わかりやすい文章が書けない方が悪いと思っていた
→書く力・読む力がないのはお互い様、スキルアップに取り組むべき
いかがでしょうか?
予想していた答えと一致していましたか?
ポイントを順番に解説していきたいと思いますが、その前に用語の説明を加えます。
2. 同期コミュニケーションと非同期コミュニケーション
DXを扱うのに不可欠な要素として、2種類の異なるコミュニケーションを使い分けることが挙げられます。
すなわち、「同期コミュニケーション」と「非同期コミュニケーション」です。
コミュニケーションは、必ず2人以上がいて成り立ちます。
当事者のタイミングを合わせないとできない:同期コミュニケーション
当事者のタイミングを合わせなくてもできる:非同期コミュニケーション
具体例、利点、課題点をまとめると、次のようなマトリクスになります。
同期コミュニケーションの利点
同期コミュニケーションの利点は、普通に生活していると(あまりに当たり前なので)気づかないものです。
DXしてみて初めて失われるので、その有難みに気づくことができました。
ずばり、たくさんの情報を駆使してやりとりできることです!
相手の必要とする情報を適切に与えることができる
報告内容がまとまっていなくてもとりあえず伝わる
誤解が起きづらい(相手の理解度に合わせて説明を変えることができる)
同期コミュニケーションの課題
そんな便利で、人類が言葉を操り出してから慣れ親しんだ同期コミュニケーションにも、課題はあります。
「言った」「言わない」「聞いてない」論争ですね(笑)
また、意外と盲点なのが、下記の内容です。
タイミング調整コストがかかる
例:電話をかけても出ない、折り返しに出られないお互いの時間を同じ長さ使ってしまう
例:4人参加の会議が1時間延びた=4時間のロス
(同期コミュニケーションは得てして延びがち)
非同期コミュニケーションの利点
こうした同期コミュニケーションの課題点を解決するのが、非同期コミュニケーションです!
エビデンスが残る
タイミング調整コストがかからない
例:チャットを自分の都合の良い時に送る → 相手も都合の良い時に読んで返信する
非同期コミュニケーションの課題
便利に見える非同期コミュニケーションにも、課題点があります。
これに気づかずにいると、組織はDXしたつもりで、大きな損失を被る可能性がありますので要注意!
どういうことなのか?
デジタルツールはデジタル情報しか扱えないため、伝えたい内容を一旦デジタル化する必要があります。
ここでアウトプット力(表現力・文章力)の有無が浮き彫りになってしまいます。
伝わる表現でデジタルに記述できるか、これが「非同期コミュニケーション力」なのです。
これがないと、チャットで話がかみ合わず、まったくコミュニケーションが取れなくなります。
”なかった時代”には戻れない
さらに、テクノロジーは後退できないという性質があります。
スマートフォンがなかった時代に、電話自体がなかった時代に戻れますか?ということ。
「チャットアプリは伝えづらいから、全部電話でいいや」というわけにはいかないのです。
だからこそ、私たちは非同期コミュニケーションの課題を回避するのではなく、立ち向かい、克服していかなければなりません。
少し長くなりそうなので、続きは次回。
いよいよ、対策に進みます!