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遊びながら学べる食中毒対策〜「やっつける」 を表現する〜
現在、私は遊びながら食中毒対策が学べるボードゲーム を制作しています。その過程で、食中毒を薬局内で啓発するブースを作り、食中毒の意識を高める活動を行っています。
今回は、ブースで「やっつける」を表現しているアイディア を紹介したいと思います。
1.やっつけるとは何か?
食中毒予防の三原則「つけない」「ふやさない」「やっつける」のうちの、「やっつける」のことで、食中毒菌を消毒したり、死滅させることをさします。
詳しくは、食中毒予防の三原則の記事をご一読ください。
2.遊びながら学べる食中毒対策とは?
■「擬似体験」ができるボードゲーム
私は、学びは受動的に学ぶだけではなく、能動的に学ぶことも重要であると思っています。
そこで、提案したいのが、食中毒を学び、安全に調理するために、調理の「擬似体験」ができるボードゲームが良いのではないか?と考えました。
最もキッチンスタジオを借りて、参加者が実際に料理をしながら、食中毒に注意するポイントを学ぶことは、能動的な学びにつながることでしょう。(家庭科の調理実習は素晴らしい!)
しかし、調理実習は、規模が大きく、時間がかかるので、それが厳しい場合には、「擬似体験」ができるボードゲーム が有用であると考えています。
3.「やっつける」を表現する
ここからが本題です。「やっつける」を表現するアイディアは、簡単に言えば、お飯事(おままごと)です。
プラスティックの野菜やお肉を切ったりするお飯事はありますが、今回は”ひっくり返すことで焼き上げる”を表現したお飯事です。
生のお肉は、中心までしっかりと焼き上げなければ、食中毒の菌を殺すことができません。そのため、しっかり焼いたという行いに対して、ひっくり返して焼き上げた姿が表現しています。
同様に、他の「やっつける」も「ひっくりかえすこと」で表現しています。
①手指消毒
・食中毒の菌や雑菌が付着している手は、ハンドソープを使う行為をすれば、ひっくりかえして、綺麗な手にします。
②調理器具の消毒
・肉などを切って、食中毒の菌が付着している調理器具は、台所用漂白剤(塩素系)を使用する行為をすれば、ひっくりかえして、綺麗な調理器具にします。
③フライパン
・肉などを焼き上げて、調味料などがこびりついたフライパンは、洗剤を使用する行為をすれば、ひっくりかえして、綺麗なフライパンにします。
おわりに
現在、薬局内のブースでは、塩素系台所用漂白剤の使い方、ハンドソープのタイミング、洗剤の使い所などを、この「やっつける」を表現するアイディア で紹介しています。
患者さんとこういったツールをつかって、会話をし、食中毒の意識を高めたり、洗剤などの商品の紹介をしたりすることができます。
この表現 は、様々な場所で応用できると思いますし、今後のボードゲーム制作でも核となるモーションになります。
今回の記事も、食中毒対策の一助になればと思います。