女性社員座談会~生理・PMSに関するセミナーに参加して~<パーソルキャリア社員が語る仕事と生理>
パーソルキャリアでは2023年1月20日(金)の管理職へのセミナーに続き、2月7日(火)に女性が多く在籍する部署のメンバー向けにヘルスリテラシーセミナーを開催した。
今回は、社員に向けて生理の正しい知識をつけてもらうだけでなく、PMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)といった生理前に起こる症状についても理解を深めてもらった。セミナー終了後、生理の当事者である女性社員に向けてセミナーについての感想や自身が生理のときに職場で苦労していること、PMSを乗り切るために工夫していることなどさまざまな話を聞いた。
■座談会参加者(名前は仮名)
――まずは、みなさんの生理、PMSの症状などをお聞かせください
春子:私は一般的に月経の症状が軽めです。少し腰が重いとか、軽度の腹痛はたまにあるんですが、薬を飲まずに乗り越えれるくらい。メンタル面も、すごく落ち込んだり鬱気分になったりということはありません。
夏子:私はPMSの症状があって、生理1週間くらい前になるとすごくイライラします。子どもに対して、普段は許せるようなことでも怒鳴ったり、叱ってしまったり……。それに加え、理由もなく「ウンザリ」しています(笑)。仕事したくない、家事したくない、あれもこれもやりたくない、そこへ吐き気、頭痛もおそってきたりして……。でも生理が始まってしまえば症状が収まっていくので、どちらかというと生理中より生理前がきついですね。
秋子:私の場合は生理前のPMSと、生理中の症状が半々でどちらも重いタイプです。生理の1週間〜10日前くらいになるとイライラと不安が交互にきて、すごくネガティブ思考になります。ささいなことで落ち込み、そんな自分に自己嫌悪を抱いてさらにネガティブが加速するという悪循環(笑)。そして生理がくると、下腹部の張りや痛み、顔や脚のむくみが始まって、頭痛もやってきます。なので、生理開始から3日目くらいまでは痛み止めの薬を飲みながら仕事をしています。そして毎月ではないのですが、貧血症状もあり、通勤電車の中でサッと血の気が引いて立っているのがつらくなることもあります。2年前から低用量ピルを使い始めて、だいぶ症状は軽減されてきています。
冬子:私はPMSも生理痛もかなりきつかったんですが、今は「ミレーナ(※2)」を入れたことで生理がない状況です。生理がないというと、ホルモン的に何か良くないように聞こえるかもしれませんが、ミレーナから微量のホルモン剤が出続けているので問題ないと医者から言われています。私は生理中の経血のにおいで気分が悪くなったり吐き気がしたりしていたので、出血のない今はそういうストレスからは解放されています。あと、生理前のイライラや落ち込みもかなり軽減されました。そろそろ生理がくるぞ、という焦りや憂鬱さがないので、私としてはミレーナを選択したことは大正解だったと感じています。
春子:私は3年前から月経カップを(※3)います。これは本当に声を大にして、女性の皆さんにおすすめしたいです! 長い会議中のモレの心配もなくなりましたし、生理中のにおいやナプキンによる不快感もなくなりました。
――人によって違う症状があり、改善するための対策などをされているんですね。次に生理と仕事の両立について伺います。症状がつらいときに上司に相談などされたことはありますか?
夏子:はい、私は相談というか報告をしています。今はこういう状況で体がつらいですとシンプルに伝えるようにしています。私は今40代ですが、これから先には更年期の症状なども出てくると思うんです。そうなったらそのときも、遠慮せずにアピールすると思います。そうすることで私より下の世代の女性たちも、上司や会社に体の不調のことなどを言いやすくなると思って伝えるようにしています。
春子:私もかつて生理痛があったときに男性の上司に相談したことがあるのですが、その方の奥さんが生理の軽い方だったそうで。私の状況を伝えてもいまいちピンとこないようで、生理痛がどういうものなかを分かってもらうこと自体が大変でした。
夏子:その上司は理解を示そうとしてくれているんだけど、確実にすれ違いが起きているという状況ですね……。生理もPMSも、十人十色だということを知ってほしいですね。
秋子:私も男性の上司に相談したことがありますが、共感してもらえなかったことがあります。私は毎月生理がくると、どうしても座って仕事をするのがきつい日があって、生理休暇を取得しています(※4)。出社日だったところを在宅ワークに切り替えさせてもらうこともありました。そんな中で上司から「毎月生理のたびにつらそうだから、思い切って休職をして体調を整えてみてはどう?」と……。生理の症状は休職して治るというものではないから、そこで少しすれ違いを感じました。
春子:その上司も、それが秋子さんにとっての最善策だと思って提案してくれたんですよね。でも休職となると、ちょっと違いますね。生理もPMSも毎月限られた日数のことだし、長期療養が必要なものではないですしね。それ以外の日々は元気に問題なく過ごせるわけで。
秋子:そうなんです。上司は「とにかく体調優先で」と気遣いはしてくれるのですが、やっぱり生理で急に休暇を取るとなると迷惑もかかってしまうのが現実で。ただ、休職で解決することではないので、もどかしいですよね。自分の上司がこうした研修を受けて、考え方や対応が違ってくることを期待したいですね。
冬子: 私は前に働いていた会社の話なのですが、生理が原因で上司から誤解を受けたことがあります。大切なお客さまとの長い会議のあと、経血で椅子を汚してしまったかもしれないという不安から、最後のごあいさつの際に立ち上がれなかったんです。あとで上司に理由は話しましたが、それが原因で、そのプロジェクトからは外されてしまいました。
夏子:それはつらい状況ですね、生理はいつくるかわからないですし、ましてや、それが不順だったりする場合は事前に準備もできないですよね。
冬子:当時、月経カップを使っていたら絶対に失敗しなかったのにって思います(笑)。
――皆さん生理やPMSでいろいろな思いを抱えていらっしゃいますが、今回の会社としての取り組みについてはどう思われますか?
夏子:やっとこの流れがきたか、とうれしく思いました。今までの社会は男性基準の体力や考え方で回っている部分が大きかったと思うんです。でも今回、私たち女性の体のことにフォーカスしたセミナーが開催されて、さらに管理職全員がそれを受けているというのにも非常に安心感があります。
春子:私もとてもいい取り組みだし、これからの時代には必須のセミナーだと感じています。でもこういったセミナーって、きっといろいろな意見があって中には業務時間を2時間拘束してまで行う内容なの?という声もあったりすると思うんです。それでもその賛否両論をくみ取ったうえで、会社として継続していってほしいと思います。
冬子:私もぜひ続けてほしい、素晴らしい取り組みだと思います。パーソルグループのビジョンである「はたらいて、笑おう」の観点から言っても、生理のことだけでなくLGBTQなどの多様性も含め考えていくべき事案だと思っています。「多様性」と一言で言っても内容はぼんやりしがちなので、それらの内容を知り、会社全体で共有する機会を与えてもらえるのはとてもありがたく思います。社外の友人にも、うちの会社の取り組みについて話しているんです。「こんなセミナーがあるんだよ」とか、「ピルの購入代金の会社負担(※5)が試験的に始まったんだよ」とか。本当に改めていい会社だなと実感しています。これからも、こういったセミナーが開催されることを願いますし、積極的に参加していきたいと思っています。
秋子:私もぜひ続けてほしいプロジェクトだと思います。女性の生理ってタブー視される時代ではないですし、男性も知っているべきことだと思うんです。だからといって管理職や同僚に「何かしてほしい」とかそういうことでもなく、認知しておいてほしいことだと感じます。また自分がセミナーを受けたことで、つらいのは自分だけじゃないということが分かって、いろいろな対処法があるということも知ることができ、とても有益な体験でした。
――生理やPMS・PMDDとうまく付き合いながらはたらく女性たち。悩みや苦労はあるものの、皆に共通するのは自分の意思をしっかりと持って「はたらきたい」というモチベーションだ。今回のヘルスリテラシーセミナーは、社員が安心して個人の能力を発揮できる、そんなキャリアオーナーシップが育まれる環境の実現につながる良い機会となったようだ。
取材、文:松島 由佳
編集:パーソルキャリアnote編集部