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娘がうっかりバレエを始めてとっとと留学してしまったのだが

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バレエに疎い親のもとで、娘がうっかりバレエを習い始め、中学卒業したらとっとと留学してしまったので、どうしてこうなったかを振り返ろうと思う。
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#子供の成長

15歳、娘の旅立ち

娘がついに旅立ってしまった。 バレエ留学のために、15歳でたった一人で。 経由地のスイス・チューリッヒ空港からLINEが届いた。 どうやら心配していた乗り継ぎも無事にこなせたようだ。 だがしかし――。 「英語が全然通じない!何を言ってるのかもわからない!」 いくらドイツ語圏といっても、空港では英語が普通に通じるはず。 娘の「全然わからない」という言葉に驚き、さらにショックを受ける。 「ウォーターですら伝わらなかった!」 これには本人もかなり打ちのめされた様子だった

将来を見据えて育ててくれてる先生とは〜トウシューズを履き始める時期

あのタイミングで勇気を出して、前の教室から移籍して本当によかったと思っている。 トウシューズを履かせ始めるタイミングには慎重になるべき トウシューズを履かせるタイミングが早すぎる先生には注意が必要だ。 正しい筋肉が備わっていないうちに履き始めると、無理な筋肉を使って力づくで立とうとしてしまう。 その上、踊る量も技術も増えていく中で、膝や足首に負担がかかり、O脚や鎌足のリスクも高まる。 娘も、「今思うと、あの頃のトウシューズは早かったかも」と話している。成長期には、基礎を

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シニヨンが美しくない人に、上手い人はいない説

小学4年生の4月に移籍して、5年生から特別クラスに進み、 その5年生の夏に、やっとトウシューズを履く許可をもらった。 移籍して1年半後のことである。 ある日、教室の先生から 「先生たちの間で、娘ちゃんはいつもシニヨンを綺麗にしててすごいねって話題になってますよ」と。 あれは私じゃなくて娘本人が結っているんですよ、と言ったら驚いていた。 シニヨンとはバレエキッズがよくしている髪型、いわゆる「ひっつめお団子」のことだ。 移籍後は、娘は自分で頭をお団子にセットしてレッスンに向か

【目指せバレエ留学】次に立ちはだかるのは中学進学問題

5年生からバレエ教室の特別クラスに進んだ娘。 この時点で、彼女の中では「中学・高校に行ってもバレエ中心の生活を続ける」という覚悟が決まっていた。 その延長で「バレエで留学したい」という具体的な目標もできていた。 特別クラスのレッスンは忙しい。 平日は学校が終わったら急いで家に戻り、ランドセルをバレエ用のリュックに持ち替えてレッスンへ。 教室までは母親である私が送迎し、車中でおにぎりやパンを頬張る。これがほぼ夕食代わりだった。 夜9時までのレッスンを終え、帰宅後はお味噌汁やス

【目指せバレエ留学】次に立ちはだかるのは中学進学問題 2

前記事の続きです。 娘が小5の時点で、私立中学への進学を視野に入れるべきか、少し考え始めた頃の話。 この頃、特に気にしていたのは、子どもたちの睡眠時間の確保だった。 中3で受験生の兄も、ピアノと勉強に追われて、寝る時間がどうしても夜11時くらいになってしまっていた。 夫も私も、「中学生で健康を疎かにしてまで優先すべきものは何もない」と考えていた。 また、 バレエで留学を目指すなら、ある程度の身長が欲しい。 娘はあまり背が高い方ではなく、小5の時点では140cmくらい

【目指せバレエ留学】次に立ちはだかるのは中学進学問題 3

娘が小5のとき、私立中学受験を考えるには、すでにかなり出遅れていた。 それでも、小6になるまで受験するかどうか迷っていたのは、娘自身が友達と離れることを一番引っかかっていたからだと思う。 ところが、小6になって1ヶ月くらい経ったある日、娘が言った。 「受験したい」。 理由は、

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【目指せバレエ留学】志望校は偏差値より環境重視で

てことで、中学受験をする流れになった。 母親である私は、かつて自分が受験生だった頃、偏差値重視で学校を選んでいた。 当時の私は、やりたいことや目指すものがなくて、ただ「ちょっとでもいい学校」「ちょっとでも偏差値が高いところ」――将来の選択肢が広がるように。それくらいしか考えられなかったのだ。 でも、娘の場合は違う。 とりあえず目指すべきものが明確だった。 「まずそこを全力で目指す。その後で視野を広げていく」――娘の学校選びはそんなスタイルだった。 娘の目標は、 バレエの学

【目指せバレエ留学】太らず身長を伸ばしたい 食事編1

ずいぶんと間が空いてしまった。 何をどこまで書いたか忘れてしまったくらい。 が、とりあえず遺伝子に逆らってかなり健闘してくれた娘の食事について。 バレエの世界では、身長や細さが求められる。 しかし筋肉も必要という、謎の体型バランスが必須だ。 なんじゃそりゃ。 「どうせえっちゅーの!」 バレエに必要な筋肉や体型は、毎日のレッスンで作られるはず。母親として私ができることは、健康を維持しつつ、太らずに背が伸びるという謎めいたバランスを考えた食事を与えることだ。 幸いにも、私

【目指せバレエ留学】太らず身長を伸ばしたい 食事編2

今回、当時の食事を書き出してみたら、よく太らなかったなと思うくらい、娘はしっかりと食べていた。 その分、身長が伸びてくれたのかもしれない。 うちの子、食べたらちゃんと太るタイプだけど、これくらい食べても大丈夫だったんだよ。 もし今、バレエのために無理なダイエットをしている子がいたら、本当に大事な時に怪我しないように、体を壊さないように、きちんと食べておいてねって言いたい。 朝、娘が起きてきたら、まずマグカップに水を入れてレンチン。 白湯というよりレンチンしたぬるま湯である。

こぼれ話:画面の向こうでバンバンバン

娘が留学して2年目くらい経った頃。 いつものように日本とドイツでオンライン通話中、突然、 ちょっとまって! という声とともに、娘が画面から消えた。 バンッバンバンッ! という物凄い音だけが、画面の向こうから聞こえてきた。 そして急にシーンとなって、画面に再登場した娘。 「3発で仕留めたっ」 と、ドヤ顔。 どうやら、窓から大きい虫が入ってきて、やっつけたようだった。 「網戸がないから、たまに入ってくるんだよね」とさらり。 家にいた頃はキャーキャー逃げ回っていた