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シニヨンが美しくない人に、上手い人はいない説
小学4年生の4月に移籍して、5年生から特別クラスに進み、
その5年生の夏に、やっとトウシューズを履く許可をもらった。
移籍して1年半後のことだ。
ある日、教室の先生から
「先生たちの間で、娘ちゃんはいつもシニヨンを綺麗にしててすごいねって話題になってますよ」と。
あれは私じゃなくて娘本人が結っているんですよ、と言ったら、驚かれていた。
シニヨンとはバレエキッズがよくしている髪型、いわゆる「ひっつめお団子」のことだ。
移籍後は、娘は自分で頭をお団子にセットしてレッスンに向かうようになった。最初は思ったようにできなくて、泣きながら何度もやり直したりして、時間がかかっていた。
そんな姿を見て、せっかちな私は「変じゃないよ、細かいことまで気にしないでいいから、ちゃっちゃと終わらせちゃえ!」とよく言っていた。
すると娘は、
バレエが上手な先輩はシニヨンも綺麗なの!
髪の毛をだらしなくしてる人に、バレエが上手い人はいないと思うの!
綺麗に見せるために練習してるのだから、髪の毛だって少しでも綺麗にしていたいと思うでしょ?
その理論に少し感心してしまった母(笑)
つま先から指先まで意識を研ぎ澄ませて美しく見せるバレエ。
そのために毎日コツコツとトレーニングを積んでいるのだ。
せっかく綺麗に踊ることができても、髪の毛がだらしないとは、確かに残念で、もったいないかもしれない。
そう、ここだけは、持って生まれたスタイルも実力も関係なく、美しく見せることができる部分なのだ。
でも、肝心なのは、そこではなく、
そういうことも 考えながらバレエに向き合う姿勢なんだろうな。
母は余計な口出しはせず、見守るスタンスでいるものだぞ、と思い知らされたものである。
ちなみに、現在ドイツで娘は、きっちりシニヨンは舞台や本番の時だけで、普段のレッスンでは緩めにしているらしい。
今度は毛量が薄くなることを心配している。
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