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娘がうっかりバレエを始めてとっとと留学してしまったのだが

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バレエに疎い親のもとで、娘がうっかりバレエを習い始め、中学卒業したらとっとと留学してしまったので、どうしてこうなったかを振り返ろうと思う。
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#親の負担

15歳、娘の旅立ち

娘がついに旅立ってしまった。 バレエ留学のために、15歳でたった一人で。 経由地のスイス・チューリッヒ空港からLINEが届いた。 どうやら心配していた乗り継ぎも無事にこなせたようだ。 だがしかし――。 「英語が全然通じない!何を言ってるのかもわからない!」 いくらドイツ語圏といっても、空港では英語が普通に通じるはず。 娘の「全然わからない」という言葉に驚き、さらにショックを受ける。 「ウォーターですら伝わらなかった!」 これには本人もかなり打ちのめされた様子だった

衣装にムシ?

娘がバレエを習うまで知らなかったこと、それは 「ムシ」をつけるという作業だ。 発表会などで各自に配られる衣装は そのまま着れるわけではなく「ムシ」というものを各自でつけなければならない。 「ムシ」とは、カギホックの「受け」の部分。ホックをひっかけて止める部分だ。 これを各自のサイズに合わせて きつめの位置につけるのだ。 1着につき、だいたい3〜5カ所くらいつけなければならない。 もちろん、子供が小さいうちは自分でつけられないので親の仕事となる。 本番までにも衣装を着て練習を

「たかいたかーい」の請求書

同じ時期にトウシューズデビューした、娘の1歳年上のAちゃんが、その年の発表会で「ちょっといい役」をもらった。 1人でステージに立つ場面がある役だ。 多分、先生は日曜日のクラスの件で親たちの空気がちょっと変わったのを感じ取っていたのではないかと考えてる。 日曜クラスに通っている子は特別いい役をもらえるという流れを作りたかったのではないかなと。 それでももちろんAちゃんはとてもうれしそうで、いっしょに頑張ってたAちゃんを大好きな娘も大喜び。他の子どもたちも、「次は自分も!」と

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「たかいたかーい」の請求書のその後

前回書いた「たかいたかーいの請求書」のその後の話だが、 やはり請求金額を先に知らなかった方がよかったと、声を大にして言いたいのだ。 せっかくもらった役だったのに、本番の舞台を観ながら、保護者たちはどうしてもこんな気持ちになってしまった。

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コンクールへの圧がすごい

前記事の発表会の後、先生が迷走しはじめた笑 以前も書いた日曜クラスの参加者が思ったより増えないためか、 なんとか生徒を引き込もうと、日曜クラスに受講特典をつけだしたのだ。 それは ・発表会でいい役がもらえる
 ・コンクールに挑戦できる そして暗黙のルールとして、日曜クラスを受けていない子は丁寧な指導をしてもらえない。 なんとなく受けている子と受けていない子で、扱いに差があると子供たちが感じるようになっていた。 改めて思い出しても、子供を預ける環境としてよくないなぁ。

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バレエ コンクールにかかる費用 「お気持ち代」って何?

小さいうちからコンクールに出る意義は人それぞれ 娘はこの時(小3頃)は「バレエ楽しい大好き!」「とにかく基礎!」だったので、あえて評価を求めることもなく、この時点でコンクールは考えてはいなかった。 バレエのコンクールとは、 たった独りで舞台に立ち、ヴァリエーションという短い踊りを披露して、そそれを評価してもらう場である。 それはつまり、コンクールの本番当日までに、 1曲を通して一人で踊り切るスキルとメンタルを本番までに身につける必要があるということだ。 だから、おそらくコ

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新たな教室探し2

娘が行動を決意したら、フットワークは軽く! いそいそと目星をつけておいた2つの教室に見学に行くことにした。 最初に見学する教室は、本人が興味を持った方。 そちらがピンとこなければ、もう一つの教室も行くことに。 といっても、移籍先は本人が興味を持った時点で決まっているようなものだった。 コンクールや留学、プロを目指している子たち専用のがっつり本気のクラスが用意されていたのだ。しかもそれが今の教室より家から近い。

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バレエ教室を辞める時

移籍先が決まったら、いよいよ今の教室をやめなければならない。 バレエの世界は狭い。 そしてバレエ親たちの口コミ情報網はすごいということも知った。 娘がこの先もバレエを続けていく限りは、コンクールなどの会場で顔を合わせたり、先生や関係者同士で知り合いだとか、どこぞで繋がっていたりする未来は大いに想像できる。 なのでそういった時の本人の気まずさを減らしておくことも考慮せねばならない。親の立ち回りの悪さのために子供がネガティブな影響をうけることは避けたい。 後半は思うところは

トウシューズを脱ぐところから

新しい教室へと移ったのは、ちょうど4年生になるタイミングだった。 最近になって、あらためて娘に聞いてみた。 初めてこの移籍先の教室に見学にいった時のことを。 娘は、初めてスタジオに入るなり「こんな教室があるんだ!」と衝撃を受けたらしい。 前の教室と違い、広々としたスタジオ、同学年の子がいっぱいいる。 だけど、そんなに上手な子がいない?あれ?と。

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【目指せバレエ留学】次に立ちはだかるのは中学進学問題

5年生からバレエ教室の特別クラスに進んだ娘。 この時点で、彼女の中では「中学・高校に行ってもバレエ中心の生活を続ける」という覚悟が決まっていた。 その延長で「バレエで留学したい」という具体的な目標もできていた。 特別クラスのレッスンは忙しい。 平日は学校が終わったら急いで家に戻り、ランドセルをバレエ用のリュックに持ち替えてレッスンへ。 教室までは母親である私が送迎し、車中でおにぎりやパンを頬張る。これがほぼ夕食代わりだった。 夜9時までのレッスンを終え、帰宅後はお味噌汁やス

【目指せバレエ留学】次に立ちはだかるのは中学進学問題 2

前記事の続きです。 娘が小5の時点で、私立中学への進学を視野に入れるべきか、少し考え始めた頃の話。 この頃、特に気にしていたのは、子どもたちの睡眠時間の確保だった。 中3で受験生の兄も、ピアノと勉強に追われて、寝る時間がどうしても夜11時くらいになってしまっていた。 夫も私も、「中学生で健康を疎かにしてまで優先すべきものは何もない」と考えていた。 また、 バレエで留学を目指すなら、ある程度の身長が欲しい。 娘はあまり背が高い方ではなく、小5の時点では140cmくらい

【目指せバレエ留学】次に立ちはだかるのは中学進学問題 3

娘が小5のとき、私立中学受験を考えるには、すでにかなり出遅れていた。 それでも、小6になるまで受験するかどうか迷っていたのは、娘自身が友達と離れることを一番引っかかっていたからだと思う。 ところが、小6になって1ヶ月くらい経ったある日、娘が言った。 「受験したい」。 理由は、

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【目指せバレエ留学】志望校は偏差値より環境重視で

てことで、中学受験をする流れになった。 母親である私は、かつて自分が受験生だった頃、偏差値重視で学校を選んでいた。 当時の私は、やりたいことや目指すものがなくて、ただ「ちょっとでもいい学校」「ちょっとでも偏差値が高いところ」――将来の選択肢が広がるように。それくらいしか考えられなかったのだ。 でも、娘の場合は違う。 とりあえず目指すべきものが明確だった。 「まずそこを全力で目指す。その後で視野を広げていく」――娘の学校選びはそんなスタイルだった。 娘の目標は、 バレエの学

【バレエと学校の両立】勉強時間がない

受験する目標校が決まったので、そこに合格すべく勉強を開始。 ただ、難関校ではないとはいえ、この時点での娘に、ノー勉で合格するほどの実力はないことは明らかだった。 娘の実力は、田舎の公立小学校で言えば「クラスではそこそこ」。 通知表でいうとオール5ではない。4もちらほら。 授業にはついていけているし、むしろ「優等生」ではあるが、飛び抜けた成績でもなければ、神童なんて言葉からもほど遠い。 でも、これもまだマシなのは、年長くらいから始めた「朝5分のミニ学習」のおかげだと思う。