人生には『3つの転機』と乗り越えるための『4S』がある
人生には、3つの転機があるとカウンセリング心理学の名誉教授シュロスバーグは言いました。
人生にある3つの転機とは、「予期していた転機」、「予期していなかった転機」、「期待していたものが起こらなかった転機」のことを意味しており、学ぶことでカウンセリングの流れが理解できるようになります。
今回は、人生には3つの転機と乗り越えるための4Sがあることを紹介していきます。
シュロスバーグとは?
シュロスバーグは、カウンセリング心理学の女性教授で社会背景や雇用環境、技術変化について研究している人物です。
シュロスバーグの理論は、有名なのでキャリアコンサルタント試験にも出てきます。
3つの転機(トランジション)
シュロスバーグは、人生には3つの転機があると考えました。
転機の種類
①予期していた転機:結婚や就職など
②予期していなかった転機:事故や失業など
③期待していたものが起こらなかった転機:出世など
人間が転機だと思う場合には、①から③のどれかに当てはまります。
若者は、卒業したあとに就職することで転機を迎えますし、社会に出てから病気になったり、会社で働き続けても出世できないことがあります。
いろいろな転機が訪れますが、次に紹介する『4つのS』を知ることで転機に対応することができるようになります。
転機を乗り越えるための4S
人生の転機を乗り越えるために、4つのSを知っておくとスムーズな問題解決ができるようになります。
4つのS
①Situation(状況):転機がもたらしている状況を評価する。
②Self(自己):自己の特性や価値観を理解する。
③Supports(周囲の援助):考えられる資源と支援。
④Strategies(戦略):状況・自己・周囲の援助など多面的に転機を乗り越えていく方法を具体的に検討する。
3つの転機と4Sを使用した考え方
3つの転機と乗り越えるための4Sを活用した例を紹介します。
◆予期していなかった転機の場合:失業
①失業してしまったので転職をしなければいけない(状況)
②プログラミングのスキルは残っているし、やりたい仕事はIT系だ(自己)
③SNSでつながっていた友人から仕事を紹介してもらう(周囲の援助)
④失業してしまったので転職をしなければいけないが、幸いにもプログラミングのスキルは残っているので、SNSで交流のあった友人にIT企業を紹介してもらい転職をしよう。(戦略)
シュロスバーグは、転機の対応について、できごとそのものではなく、それをどう受け取るか、それにどう対処していくのかが大切だと言います。
わたしたちが、本能的にやっている内容でもありますよね。
4つのSはカウンセリングにも応用されている
4つのSは、コーミアーとハックニーによってさらに発展させ、カウンセリングのプロセスとしてモデル化されています。
第一段階:ラポール(信頼)形成
第二段階:アセスメント(分析)、質問
第三段階:ゴール(目標)の設定
第四段階:カウンセラーの介入
第五段階:終結・フォローアップ
4つのSを参考にしたプロセスモデルは、労働者の職業選択を支援するキャリアコンサルタントや心理カウンセラーの行うカウンセリングにも影響をあたえています。
最後に
今回は、人生には3つの転機と乗り越えるための4Sがあることを紹介しました。
カウンセリング心理学の名誉教授シュロスバーグは「人生には3つの転機があり、4つのSで対処できると主張しました。
人生にある3つの転機とは、「予期していた転機」、「予期していなかった転機」、「期待していたものが起こらなかった転機」のことを意味しています。
就職、事故、出世など人生の転機には、4つのS(状況・自己・周囲の援助・戦略)を知っておくことでスムーズに対処できるようになります。
また、4つのSを参考にしたプロセスモデルは、労働者の職業選択を支援するキャリアコンサルタントや心理カウンセラーの行うカウンセリングにも影響をあたえています。