【実験】生涯学習都市・掛川×切貼民話=まち全体を学びのキャンパスに変えられるか!?
本記事は、ランサーズ新しい働き方LABの「研究員制度」に参加する過程で、私個人が行う「働き方実験」についてまとめたものです。
「研究員制度」にご興味のある方はこちらをご覧ください。
前回に引き続き、新しい働き方LAB第4期研究員として実験を行うにあたっての決意表明となる研究計画書をまとめたブログになります。
自主企画についてまとめたブログはこちらをご覧いただけたら嬉しいです。
今回は掛川市生涯学習協働推進課さんの指定企画研究員として、どのような実験を行っていくのかを書いていきます。ぜひ最後までご覧いただけたら嬉しいです。
生涯学習都市・掛川を舞台にした指定企画
私が参加させていただく掛川市さんの指定企画は、こちらのテーマに基づいて行われます。
これまで掛川を訪れたことはありませんでしたが、全国に先駆けて生涯学習都市宣言をした市であることを知り、説明会に参加してお話を伺う中で「こんなに素敵でわくわくする地域があるのだ!ぜひ訪れたい!」という気持ちが高まりました。
研究員の合格通知をいただいた翌日、喜びの気持ちそのままに現地を訪れることに。
掛川城の城下町であり歴史と温もりを感じさせる落ち着いた街並み。城の隣に高校もあり、街には若い方々が多く活気溢れる印象を受けました。
図書館で掛川に伝わる民話をリサーチ。車の免許がない私にとって大変ありがたいレンタサイクル(しかも無料!朝6時からレンタルできます!)があったため、半日で巡ることができそうな場所を2箇所訪れました。
実験の目的と背景
今回の指定企画の大きな目的は、まち全体を学びのキャンパスへと変えること。このビジョンを実現させるべく、掛川の名所・名施設・名勝をまとめ全市域を生涯学習のキャンパス化するという思いのもと作成された「掛川36景」を「掛川学びの場100景」へと発展させるとともに、デジタルアーカイブ化を目指したり学びの場を巡ることができるツアーを企画したりする実験を、研究員の方々と一緒に行います。
加えて、私は「切貼民話師」としての新しい働き方・生き方(前回の自主企画のブログにまとめたこと)を実現するという自主企画の活動をリンクさせながら実験を進めていきたいと考えています。指定企画のビジョンと自主企画のビジョンとを結び付けると、
「掛川学びの場100景」の中に民話ゆかりの地を加え、現地を訪れて得られた学びや発見をもとに新たな幻獣や物語を生み出す活動=切貼民話の活動を行うことは、生涯学習都市・掛川を「学びのキャンパス」に変える上でどのような効果を生み出すのか?
という私なりの問いが生まれてきました。
noteを始めたばかりの頃、数回にわたって自己紹介記事を書いたことがあります。その中で、イタリアのレッジョ・エミリア市で大切にされている教育哲学と私自身のコミュニティースペースでの実践に触れながら今後のビジョンをまとめました。
ブログを書いた当時は、まだ漠然としていた場や活動のビジョン。しかし今回の研究員制度を通して、協働・共創造的な活動を実現するフィールドとして掛川、具体的な活動として切貼民話を位置付けることができそうだと考え、指定企画に応募させていただきました。4年越しにビジョン実現へと動き出すことができそうで幸せいっぱいです。
活動概要〜具体的に、何をするのか〜
では具体的にどのように実験を進めていくのか。私は指定企画のビジョンと自主企画のビジョンを関連させながら具体的な活動を行いたいと考えています。
【第1ステージ】掛川市で切貼民話のアプローチを試す
まずは掛川を訪れて現地の民話をリサーチし、ゆかりの場所を散策して作品を制作しようと思っています。切貼民話のアプローチをどのように掛川で実践できるかを実験するのが、このステージの目的。自主企画と連動させながら表現方法や発信方法をブラッシュアップしていきたいです。
ちなみに、先日掛川を訪れて集めた素材はこちら。
【第2ステージ】「掛川学びの場100景」に民話を取り入れ、「切貼民話」のワークショップを開催する期間
この期間では、今回の指定企画で目指す「掛川学びの場100景」に地域の民話を加えることを目指す活動を行います。掛川の市立図書館には書店やインターネットで販売されていない民話集があり、面白そうな物語がたくさん掲載されていました。現在も訪れることができる場所がありそうなので、地図などの形にまとめることができたら良いなぁと思います。
さらに、「掛川学びの場100景」と併せて民話ゆかりの地を巡ってコラー獣や創作民話を創る体験をパッケージ化することができれば、訪問者がその場所に伝わる民話を学ぶことができるだけでなく、新たな民話や幻獣づくりに参画するという創造的な生涯学習の動きが生まれていくのではないでしょうか。
【第3ステージ】「切貼民話」が地域文化創造的な教育や、私自身の創造的な働き方・生き方へと繋がる可能性を考察し、まとめる期間
このステージは自主企画の第3ステージと同じ目的を基軸に据えて実験を行います。もし切貼民話が掛川の生涯学習に寄与でき、さらに私自身の新しい働き方や生き方に繋がるのであれば、ゆくゆくは掛川を拠点に活動をすることも前向きに考えたいです。
さらに、全国の民話ゆかりの地を行脚してワークショップなどを行い各地で新しい文化を想像し続けることができたら、こんなに幸せなことはありません。
スケジュール・アウトプット・成果・測定方法
今回の実験におけるアウトプットと成果、測定方法は次の通りです。
【第1ステージ】掛川市で「切貼民話」のアプローチを実践することはできるのか
①スケジュール…6月~7月の2ヵ月間を予定
②アウトプット…作品制作・「掛川の学び100景」に民話を載せるための資料作り
・掛川の民話をリサーチし、子どもたちも安心して楽しく訪れることができる内容や場所であるもの(死や呪いなど恐ろしい要素がないもの、安全にアクセスしやすい場所であることなどの観点から選ぶ)を選定するとともに、ゆかりの地を訪れる。
・民話ゆかりの地で集めた素材を使ってコラー獣を制作する。また、既存の民話をベースにコラー獣が登場する創作民話を創って随時発信する。
・掛川の民話ゆかりの地と作成したコラー獣・創作民話を地図などの形でまとめるためにSNS等で発信したり、研究員の方々からアイデアをいただいたりする。
③成果…「掛川学び100景」記載の原案
・掛川の民話ゆかりの地と、作成したコラー獣・創作民話を掛け合わせた地図もしくは絵本(写真本)などの形でまとめる。
・出来上がった作品を「掛川学びの場100景」の中に入れるための原案を作成する。
④測定方法…作品の完成度合い、課題点の分析
・このステージでは「掛川学びの場100景」のための原案となる作品を完成させることを目的とする。そのため測定方法としては、どの程度作品が出来上がったか、その度合いで達成状況を測定する。
・完成が難しい場合、フィールドワークの写真撮影に課題があるのか、他の民話を選定すれば良いのか、地図や絵本などアウトプットに落とし込むことが難しいのか、など具体的な困難さを見出し、プロジェクトに参加する研究員の方々などに相談しながら解決策を見出す。
【第2ステージ】「切貼民話」によって生涯学習に繋がる学びや発見、文化創造的な動きは生まれるのか?
①スケジュール…8月~9月の2ヶ月間を予定
②アウトプット…学びの場としての民話ゆかりの地を舞台にしたワークショップの開催
・実際に掛川の民話ゆかりの地を訪れ、そこにある不思議な形をした自然物などを撮影、コラージュするワークショップを開催する。
・ワークショップ後は許可をいただきSNSにアップしようと考えている。
③成果…切貼民話ワークショップの効果(掛川の魅力に気付くとともに新たな文化を創造することができたと感じるか)の発見
・ワークショップを開催する際には併せてアンケートを行い、民話を通してどのような掛川の魅力を発見することができたか、どのような学びや気付きがあったか、自身が新たな文化の創り手として活動を楽しむことができたかなど、感想をいただく。
・紙面でのアンケートに加えてワークショップ時の呟きや感想を記録したり作品が出来上がるまでの制作過程を撮影したりすることで、どのような学びや発見が生まれたのかを捉える。
・紙面でのアンケートと制作過程の様子を踏まえ、ワークショップを通してどのような学びや発見、文化創造に対する意識が参加者に生まれたのかを考察する。考察した内容はレポート(教育ドキュメンテーション)にまとめ、noteにて発信する。
④測定方法…アンケートと実際の様子とを織り交ぜたデータ収集
・ワークショップ開催時に5段階評価や質問項目への回答などを含めた紙面でのアンケートを渡し、前後で記入していただく。
・加えて、ワークショップで作品を制作している過程の写真を撮ったり、制作中の呟きや感想などを記録に取ったりすることで、どのような場面で変容が起こったのかを考察するためのデータを収集する。
【第3ステージ】「切貼民話」は生涯学習都市・掛川を学びのキャンパスにすることに貢献できるのか?
①スケジュール…10月~11月の2ヵ月間を予定。
②アウトプット…「掛川学びの場100景」の完成、民話ゆかりの地と連動した探究的な学びのプログラムとしての「切貼民話」の構築
・第3ステージでは、第1ステージ、第2ステージの実験をもとに「掛川学びの場100景」を作成する。
・民話ゆかりの場やそこに伝わる物語だけでなく、可能ならば第2ステージまでの活動で生まれた作品も「掛川学びの場100景」として掲載する。
・ワークショップでの経験を踏まえて民話ゆかりの地を巡るツアーを構築するとともに、民話ゆかりの場で撮影した写真をコラージュシートとしてまとめる。「掛川学びの場100景」をご覧いただいた方々が現地を訪れ、シートを使ってコラー獣創りに挑戦し新たな地域文化を生み出したくなるきっかけをつくる。
・一連の活動を「切貼民話」として確立する。
③成果…生涯学習・地域文化創造と「切貼民話」との結び付きについての検証・考察
・「掛川学びの場100景」に地域の民話を取り入れ、新たな地域文化を創造する活動を行うことでどのような学びや効果があったのかを生涯学習の観点から検証・考察し、レポートを作成してnoteにアップする。
④測定方法… 実際に訪れ、体験した方々の声を聞く
・実際に民話ゆかりの地を訪れた方々や切貼民話を体験した方々から感想をいただき、それをもとに「掛川学びの場100景」や切貼民話体験を通して得られる学びや効果を考察する。紙面でのアンケートだけでなく、活動時や制作時に話していたことなども測定データとして記録する。
まとめとお知らせ
以上、掛川市さんとのコラボレーションで実験を行う指定企画の研究計画書となります。私が切貼民話を行う目的との重なりを感じており、これから行う実験がとても楽しみです。初めての研究員制度参加でわからないことだらけですが全力でチャレンジしていきます。
前回の自主企画のブログに引き続き再度のお知らせとなりますが、今回の実験とも繋がる展示やワークショップについて、現在確定しているものをお知らせいたします。
〇「キツネとたぬき展」@Boji gallery 様
【会期】6月15日(土)~6月23日(日) (休廊日:6月19日(水))
【場所】東京都渋谷区東2‐18‐6松岡ビル boji gallery B1階
〇妖怪採集×切貼民話プロジェクト「全く新しい坂戸妖怪を創ろう!!」
【日程】7月14日(日)、8月4日(日)、9月8日(日)
※3回を通してのご参加も、単発のご参加も大歓迎です!
詳細と参加申込はGoogleフォーム(下記のURL)よりお願いいたします。
https://docs.google.com/.../1DRxyof2InnJBKJ61BV5bmU.../edit
この他に、8月には岩手県でワークショップをさせていただける予定です。
各地で実践を重ね、その経験を指定企画の実験や生涯学習・地域文化創造的な実践へと繋げていきたいです。どうぞよろしくお願いいたします!