大学生

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共通点は、ラピスラズリ

高校生の頃のお話を、ほんの少し改変しています。 高校に入学し、友達に誘われて入った部活。先輩もみんな優しくて面白くて、きつい練習も先輩方が褒めてくれるから乗り越えてこれた。そのくらい、素敵な先輩方で、この部活に入って良かったー!と、心から思えた。 そんな先輩方の中に、地元が同じの、男の先輩がいた。地元は田舎だったので、帰りの電車はいつも最寄り駅まで私と先輩の2人だけ。とはいっても、2人ともイヤホンをつけて自分の世界に入り、お互いに過干渉せずに帰る毎日。部活で疲れているし、

    • あおはる大学生 #1

      大学2年の春。 気づかないうちに、カップルが増えている。 別れた噂はすぐに回るのに、付き合った噂はあんまり流れない。 こんな私も一応女の子だから、恋バナのひとつやふたつ、持っていたい。 残念ながら、ないのだけれど。 それなりに、人に好かれている自信はある。 なんてったって、私はいつもムードメーカー。 仲の良い男友達はいる。 たまに、そういう意味で、好きになったりもする。 でも、絶対に告白はしない。 なぜって、私が女の子として見られていないからに決まってる。

      • 気が向いた時の日記

        何故だか悲しくなって 帰り道 遠回りをして帰った 自分が主人公になったっていいじゃないか そう自分に言って 気の向くまま歩く つもりだった 周りの音が聞こえなくなるくらい イヤホンの音量を上げて たまに流れる音楽のリズムで歩いて 暗い夜の川沿い 涙を流してみようと試みたりする 通ったことのない道 街灯が少ない ふと右側を見ると墓地 こわい 家へ向かうであろう方向の道を進む 暗い 街灯はさらに少なくなる すれ違う人は皆自転車に乗った中年サラ

        • 真紅のルージュ #3

          君はいつも笑顔だから 何を考えているのか分からない。 でも 核心に触れたら壊れそうで 何かが崩れてしまいそうな気がして そこに踏み込む勇気を私はあいにく持ち合わせていなかった。 こんなことを思っている今も 君は流行りの歌を口ずさむ。 無意識のうちに 何かを隠すように。 知りたいけど、知りたくない。 そのままでも笑い死んじゃうほど楽しいから そのままで十分なんだ。 そのままで。 欲を出したら負けだと 自分に言い聞かせる。 だから 自分の真ん中に

          真紅のルージュ #2

          たとえ恋人とか、 そういういわゆる特別な関係にならなかったとしても、 私は君に出会えて良かったと思う。 加速度的に仲良くなった、 そして今も仲良くなっていることが それを証明している。 すぐに寝てしまって朝まで繋がったままの電話、 2人で出かけた花火大会、 台風が過ぎ去るのを実況しながら明かした一夜、 それらの全ての事に 私は心拍数を上げていた。 もちろん、君にバレないように。

          真紅のルージュ #2

          真紅のルージュ #1

          「君に出会ってから、モノクロの世界が色づいた」 とかみんなは言うけど 私たちの出会いはそんなに壮大なものじゃない。 例えるなら メイクの仕上げに真紅のルージュを塗ったような 最後の1ピースのような出会い。 君と出会えなくても 世界はある程度成り立っていた。 十分だった。 でも もう君なしでは成り立たない。 足りないけどまあいっか って思っていたような部分を きっちり埋めるような、 そんな君との出会い。

          真紅のルージュ #1