気が向いた時の日記

何故だか悲しくなって

帰り道

遠回りをして帰った



自分が主人公になったっていいじゃないか



そう自分に言って

気の向くまま歩く

つもりだった

周りの音が聞こえなくなるくらい

イヤホンの音量を上げて

たまに流れる音楽のリズムで歩いて

暗い夜の川沿い

涙を流してみようと試みたりする

通ったことのない道

街灯が少ない

ふと右側を見ると墓地


こわい


家へ向かうであろう方向の道を進む

暗い

街灯はさらに少なくなる

すれ違う人は皆自転車に乗った中年サラリーマン

この人通り魔かもしれない

そんなにヒロインになりたいのか

でも死にたくはない

というより

暗い道がただただこわい

帰ろう

そう思ったときにはもうすでに

身体は家の方向へ走り始めていた

確かに自分は自分の人生の中の主人公

でも思い通りに美しくは生きられない

思い通りにならないことだらけなんて

嫌というほど知っている

かっこつければつけようとするほど

ダサくなる

もういいや

いつもの帰り道を歩く

自分が通るべき道はここだと思った

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