真紅のルージュ #3


君はいつも笑顔だから

何を考えているのか分からない。



でも

核心に触れたら壊れそうで

何かが崩れてしまいそうな気がして

そこに踏み込む勇気を私はあいにく持ち合わせていなかった。




こんなことを思っている今も

君は流行りの歌を口ずさむ。



無意識のうちに

何かを隠すように。



知りたいけど、知りたくない。





そのままでも笑い死んじゃうほど楽しいから

そのままで十分なんだ。




そのままで。




欲を出したら負けだと

自分に言い聞かせる。





だから

自分の真ん中にあるものにも

私は触れない。






君が触れるまでは。

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