『仕事と人生』- 仕事で悩むたびに読み返したくなる本
管理職になって12年。12年経った今も、同じ目標に向かって仕事をする仲間であるはずの部下に対して、良好な関係でいたいと思いつつ、ついつい感情的に怒ってしまうことがあり、いつまで経っても上司として成長しない自分にイラつくことがあります。
部下を持つ身になって初めて、チームを統率することの難しさを実感しました。マネジメントスキルを高めるにはどうしたらいいのだろうと悩みが尽きません。
仕事上で、うまくコミュニケーションが取れなくて悩んでしまうときに、読み返す本があります。それがこちら。
2020年9月に亡くなった三井住友銀行元頭取・日本郵政元社長のの西川善文さんの本。
西川善文さんは銀行の安定期からバブル崩壊、銀行合併や国策の新会社社長就任など、直面した難局に果敢に挑戦し、もみくちゃになりながら熱血のバンカーとして名を残された方。小説になりそうな程、波乱万丈な人生を送ってこられた方です。
そんな著者の「遺言」とも言えるのが本書です。
この本では、著者の体験に裏付けられた仕事をする上でのヒントが書かれているので、いくつか参考になった話をご紹介します。
何もかも自分で引き受けない
ともすると、人は他人の力を借りずに仕事をしようとするものだ。特に真面目な人ほどそういう傾向が強い。「他人を使う力」は仕事をする上で重要な能力の一つである。「どこの誰に頼めばいいか」を把握しておくことも大事であり、会社の中の人的ネットワークを自由自在に駆使出来ればその人は優秀と言っていい。
そして、その逆の面である「頼まれたら力を貸す」
人の力を借りることは、自分が人に力を貸す存在であることが基本である。いつも助けを求めているばかりだと、いずれば相手にされなくなる。ビジネスの人間関係はギブ・アンド・テイクで成り立つからだ。
会社内の自分の仕事の見取り図を描く
会社に入って7、8年経つ頃には、担当する仕事だけでなく、会社全体のことがだいたい見えてくる。そのときに「自分の仕事が会社のどの部分でどう役立っているか」という見取り図を頭の中で描ける人と描けない人に分かれる。
と書かれています。つまり見取り図を描けるか描けないかで、その後の社会人人生が変わるという内容。
相手が納得するように叱る。
叱るときは叱る。これは部下指導の鉄則である。上に立つ者は部下に何か問題があればわかるように話をしてきちんと注意し、ときには叱ることが重要である。そこを遠慮していると、とりあえず決まづくならないにしても、結局はうまくいかない。
西川さんは、「叱る」のは部下のためになるからだと言い、ただ、部下が叱られる理由をわからないままで叱っても意味がないそう。ただ、大抵の人はなぜ自分が叱られるのか分かっているはずであり、それを本人に意識させられるかどうかに尽きると断言されています。
その点でいうと、部下に対する包容力と信頼関係が大事であり、叱ることで次の仕事につながらなければ意味がないので、何らかのアドバイスをすることもポイントだとかかれています。
あとは、仕事というものは総じてスピードが重要な要素であるという話にも共感。「スピードとは他のどんな付加価値よりも高い付加価値だ」という言葉も印象に残ります。
厳しさと優しさが同居する珠玉の言葉に溢れた本。
タイムレスな言葉と教えがつまっているので、仕事に携わる多くの人に役立つおすすめの1冊です。
ここまで、読んで頂いて本当にありがとうございました♡
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