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読書まとめシリーズ「ファンベース」

今回紹介させていただくのが佐藤尚之さんの著書「ファンベース」からまとめたものになります。
※以前アップしたものの再編集版です。より読みやすくなっていると思います。

ファンベース  
- 「株式会社ファンベースカンパニー」より
https://www.fanbasecompany.com/about/index.html

まずはじめに、

「ファンベース」
という言葉の定義を明確にしておきますと、
 ファンを大切にし、ファンをベースにして(ベースには、土台、支持母体などの意味がある)中長期的に売り上げや価値を上げていく考え方のこと。
と書いてあります。

そして「ファン」とは、
企業やブランド、商品が大切にしている『価値』を支持している人。
と、この本では定義されています。

ファンベース では、
そういう「支持者」を大切にしていくことで、
ファンの方のライフタイムバリュー(※)を上げていくことが収益の安定・成長に直結するというのが本書の考え方のベースとなります。

※ライフタイムバリュー(LTV)とは、
顧客生涯価値のこと。1人の顧客がライフタイムを通じて企業にもたらすトータルなバリューのことです。
一般には「その人が一生のうち、その商品をどのくらい繰り返し買ってくれたか」的に受け取られているが、顧客が中長期的にもたらすバリューは使った金額だけではない。
その人が買ってくれたことによる影響的な価値も包括されます。

では早速内容に入っていきます。

◆マスベースとファンベース

これまでのマーケティング、広告というと、
マス媒体(代表例としてTV / ラジオ / 新聞 / 雑誌)に対して広告を打つ、マスベース(マス広告を中心とした)マーケティング が中心でしたが、
この手法では今の時代にフィットしきれておりません。

理由としては、
情報量が膨大に増えた現代社会ではマス(集まり、大衆のこと)に対して単発の広告を打っていくだけではその瞬間に見てもらえたとしても様々なコンテンツの情報に飲まれ、すぐに忘れ去られてしまいます。

また、
見ていただいた消費者にとって特別な存在になったり、関連性や親密度といった関心が上がるわけでもなく、ただいっとき認知してもらうに留まってしまいます。

これを本書では1年に2回しかデートに誘ってこない男性を例えに出していて、物凄く分かりやすかったのでスライドを作成してみました。

広告をデートに例えていて、
この状況は広告側の見方だと半期に一回やってくるセールの広告でしょうか。(サマーセール! クリスマスセール!など)

最近は見慣れすぎていて
「またか、、」とか、
「前にもやっていたっけ、、」とか、
「・・・」(広告に触れすぎて無関心や目にも入ってこない)

といった状況になることが多いのではないでしょうか?
とても好意が高まったり、自ら声を掛ける(リピートする)といった状況にはなりにくいと思います。

一方、ファンベースマーケティング では、
マスベースとは対照的に定期的な接触(連絡)を積み重ねていくイメージです。

それぞれの施策が繋がっており、好意を積み重ねていった結果、ファンが生まれていく。
それがファンベースマーケティングを行う上で大切な意識となります。

ではファンベースがなぜ必要なのか、
これからのマーケティングにおいてファンベースが必然となる理由を掘り下げていきます。


◆ファンベースが必然な3つの理由

この章の目次
①ファンは売上の大半を支え、伸ばしてくれるから
②時代的・社会的にファンを大切にする事が重要だから
③ファンが新たなファンを作ってくれるから

①ファンは売上の大半を支え、伸ばしてくれるから


有名なパレートの法則というのは聞いたことがありますでしょうか?
2:8の法則とも言ったりします。

多くの小売、BtoBでは、ファン上位20%が売上の80%を支えているという、パレートの法則が適用されます。また、「より熱量の高いファン(コアファン)」が30%から40%の売上を支えていることがわかっています。
          「ファンベースカンパニーHPサイト」より

このように、
顧客の上位20%のファンが売上の大半である80%を占めている状況。
というのが往往にしてあります。

ある有名飲料ブランドメーカーでは、
たった8%のコアファン(企業やブランド、商品が大事にしている価値を強く支持する人)によって、消費量(売上)の46%が支えられている。
と言ったデータも出ているそうです。

つまり、ファンは売上の大黒柱であり、
ファンを大切にして「ファンであり続けてもらう事」が、収益の安定に直結することになり、

これこそが、
ファンベースが必然な3つの理由のうちの1つ目、
ファンは売上の大半を支え、伸ばしてくれるから
となります。


②時代的・社会的にファンを大切にする事が重要だから


次に、時代的・社会的にファンを大切にすることの重要さを説明しますが、
まずはこちらのグラフをご覧ください。


人口急減やウルトラ高齢社会でマーケットが縮小する時代へ
    「ファンベースカンパニーHPサイト」より

学校の教科書やニュースなどでも取り上げられているように、少子高齢化問題がより大きな問題になってきています。

人口の減少というのはすなわち、消費され、回るはずの経済力そのものが減っていくということ。

人口が減ってしまえばそのままマーケットの縮小となり、人口が減った分だけモノやサービスが売れなくなってしまう。ということになります。

経済が伸び、商品が売れていた時代の名残もあり、
マーケティング目的を「新規顧客の獲得」に置く企業は今も多くありますが、時代は変化し、日本人口は2008年をピークに激減し、40年後には4000万人がいなくなると言われております。
これは計算上毎年100万人人口が減少することとなり、マーケットの縮小としてとても大きな問題となります。

この事実をふまえると、新規顧客を増やす道は非常に厳しいことが分かります。

また、
「ウルトラ高齢化社会」が到来し、2020年には女性の半数が50歳を超え、2024年には全国民の3人に1人が65歳以上となると試算されています。

そして、高齢者は先行きの不安から消費を控え、保守的なため新規商品に手を伸ばす事が減ります。

つまり、
高齢者が急増する社会=「新規顧客が減る社会」
となってしまうのです。

さらに追い討ちをかけるように、
・若者の物欲減少と独身者の増加で、新規需要が減っていく
・情報の洪水やエンタメの過剰により広告がいよいよ効かなくなる
といったことも挙げられ、

平均年収が減ってきていることや、モノに溢れシェアするのが当たり前になってきていることも影響として出ています。

SNSなどのエンタメが発達した結果、1つ1つのコンテンツの消費スピードが上がっており、どれだけ広告を打ったとしてもすぐに忘れられたり、購買に結びつかないケースが増えてきているとのことでした。

以前のSNS広告というと、いかにバズらせるか、ということに注視していた時代もあったのですが、今では仮にバズったとしても数日後には熱が冷め、そして誰も覚えていない、、、
このように広告効果というのが効きにくくなっているのが実情です。

では、全く外部からの影響を受けずに消費活動がされていくのか?
というとそうではありません。

どのような情報を頼りに選択されていくのか、次のグラフをご覧ください。

一番信頼されている情報源は家族や友人であるという調査結果がでています。
つまり昔よりクチコミや紹介が効きやすいのが今です。
情報も商品も過剰に多すぎる時代に、企業や商品のファンから熱量高く友人へオススメしてもらうことで最強の信頼を獲得できます。
     「ファンベースカンパニーHPサイト」より


こちらのグラフからも読み取れるように、広告情報に溢れかえった現代では家族や親しい友人からのリアルな口コミに信頼を置いている傾向にあります。

ファンベースとは、コアなファンを大切にすることで自然な口コミを生み、ファンが新たなファンを作ってくれる流れを生むものとなります。


③ファンが新たなファンを作ってくれるから


先ほど口コミが最も信頼を置いている傾向がある。
と話しましたが、それはなぜなのか?を深掘りしてみます。

今日、世界にはモノ、サービスや情報が溢れており、
その中で「自分にピッタリのモノ、サービス」「自分のツボにはまるエンタメ」に出会うことが難しくなってきています。

しかし、友人が勧めるならば話は別です。
なぜなら、友人とは「価値観が近い」からです。

価値観が近い友人がツボにはまるコンテンツは、
自分もツボにはまる可能性が高く、
特に注目したいのが「類友(強いつながりを持つ5~15人)」であり、
その背後には「弱いつながりを持つ50~500人」がいると言われています。

もし類友が、「自分の言葉(本音)」で、
あるアーティストの曲やYouTuberなどを褒めていたら
「聞いてみようかな。」「見てみようかな。」となりませんか?

この自分の言葉「オーガニックな言葉」は友人に届く「オーガニック・リーチ(口コミ)」といい、「オーガニック・リーチ」こそが、
情報や広告に飽き飽きしている生活者に「最強に届く方法」となります。

普通だとスルーされがちな「企業からの都合のいい一方的な情報」も、類友のオーガニック・リーチならば受け取ってもらえる可能性が高くなり、
その類友がファンとして熱く語ってくれたら、購入に至る可能性が高いばかりか、類友と同じファンになる確立も高くなります。
ファンは周りの類友をファンにしてくれるのです。
ファンが言いたくなるような状況を作るのが
『ファンベース施策』です。


◆ファンの支持を強くする3つのアプローチ~共感・愛着・信頼~

この章の目次
①その価値自体をアップする「共感」
②その価値を他に変えがたいものにする「愛着」
③その価値の提供元の評価・評判をアップする「信頼」

ファンベースが必然な3つの理由が分かったところで、
ではどうやってファンベース施策を進めていけば良いのか?

一番間違えられやすいのは、「全員ファンになってもらいたい」と望むことです。
ファンというのは少数であり、全体の20%程度だと改めて認識する必要があります。
その少数に好いてもらう為に、以下の3つが必要となってきます。


①「共感」を強くする

 共感とは、「そうそう!それ!」と強く膝を打つような感情のことであり、ファンにとっての「共感ポイント」を強化することが重要であると考えています。
しかし、「共感ポイント」を把握している企業、ブランドはどれくらいいるのでしょうか?

実際に、自社の価値を明確化していない企業は多く、
その場合はファンの言葉に耳を傾ける必要があります。

なぜなら、ファンの言葉に企業が気づかない「共感ポイント」がたくさん隠れているからです。
これからの企業、ブランドではファンの声を聞くためにファンミーティングを開き、「マニアックな話=偏愛」を通じた「発見」をする必要があります。
ファンは「この商品を友人に勧めても大丈夫か」と不安にさいなまれており、ファンに自信を持ってもらうことが必要であり、その為には「他のファンのオーガニックな言葉を読む」ことで安心して友人に進められるようになるからです。


②「愛着」を強くする

愛着が強くなればなるほど商品は長く使われるようになり、くりかえし購入され、唯一無二の存在になります。
そのためには、ただ商品の品質や価格だけに価値を感じられている状態では他に良いものが現れた時に離れていってしまいます。
それではファンとは言えません。

愛着を強くするには、その商品にストーリーやドラマを纏わせることでより重要なものとなり、愛着が湧くようになります。
ファンが気軽に参加できる場(ネット上も可)としてファン・コミュニティを作り、思いを共有し、企業や製品ブランドの体験を増やす事が重要です。

ファンになった人が集まれる場を提供することで、「ファン・コミュニティ」が生まれるが、ここで大切なポイントは、そのコミュニティに対して営業をかけてモノ・サービスを売ろうとしないことです。

本書でも紹介されております、元アマゾンデータサービスジャパン株式会社の小島英揮さんのスライドを元に作成してみたのが以下の図ですが、
この図ひとつにファンコミュニティを成功させるコツが凝縮されています。

「Sell Through the Community - ファンを通して外に売れ -」

というのは、基本的には先ほど書きました、
ファンを大切にすることによって、オーガニックリーチが広がっていくという内容とほぼ一緒で、
ファンが喜んでいるので自然とファンの方のLTVは上がり、ファンと繋がっている類友も、その喜びの影響を受けて購入したり、ファンになったりする流れが出来上がります。

これを「Sell to the Community - ファンに売る-」にしてしまうと最悪で、
ファンの方のLTVが下がり、口コミも生まれない。と、双方を失ってしまう。
そのあからさまな「囲い込み」や「刈り取り」に今いるファンの方は引いてしまうだろうし、ファン以外への広がりも無くなってしまうでしょう。

大事なのは、ファンを大切に。
自然な口コミ(オーガニック・リーチ)が生まれるように。

ファンベースマーケティングというのは、営業のように売り込むのではなく、想いやストーリーと共にファンを増やしていく。

自然と口コミが起きてしまうようなコミュニティやサービスを興していく考え方が重要となります。


③「信頼」を強くする

ファンの支持を強くする為には、その価値提供元(=企業)の評価・評判も高める必要があります。
その為には、丁寧かつ地道に培われた「信頼」が不可欠となります。
「この企業の製品なら間違いない」というゆるぎない信頼を得る為には、「信頼されない要素」を1つずつ消していくこと。

そして、「間違いない」「ちゃんとしている」部分をきちんと見せていくことが重要になります。(研究開発や製造工程の公開など)

そういった細かなことに対する姿勢や理念などを大切にすることによって、社員からの信頼も高まり、最強のファンとなります。


◆ファンの支持をより強くする3つのアップグレード~熱狂・無二・応援~

 
ファンベース施策として「共感・愛着・信頼」施策をきちんとする事が重要ですが、より支持が強いコアファンを作るためには
「熱狂・無二・応援」の3つのアップグレード施策が必要となります。


「共感→価値自体をアップさせる→熱狂」
「愛着→もっと他に変えがたいものにする→無二」
「信頼→評価・評判をもっとアップさせる→応援」


全部やる必要は無く、どれかを小さく始めて継続する事でコアファンが見えてきます。
そして、「熱狂」に関して言えば、コアファンは価値を支持してくれるため、価値を前面に出せば出すほど共感が強くなり、「身内」となります。

「無二」を作る体験をセッティングすると、ファンはブランドに特別な価値を見出してくれ、一生付いてきてくれるようになる。


まとめ


以上、ファンベース をまとめてみました。
大事なのは、ファンを大切にする姿勢。

広告のために作られたイメージ、
虚構を伝えるのではなくて、
本当に愛される商品やサービスを提供すること、
その『理念』や『価値』を支持している人を大切にすることで本当に良いものだけが広がる世界になってきていると実感しました。

自分も広告を扱う仕事をしているのでココをブラさないように意識してファン作り、コミュニティ作りをできるようにしていきます。


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