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ひきこもりの母親からの指示、教示はなぜなくならないのか?

皆さん、こんにちは。
峯上です。

ひきこもり当事者の方はこの問題を多く抱えているのではないでしょうか?
私もその一人です。

【将来、どうするの?】
【少しは家事や家の仕事の手伝いをしたら?】
【朝、なんで起きれないの】

思い出すとしんどかった当時の記憶が思い出されますね汗
この辺で辞めておきましょう笑

何故、私がそんな状態でも回復できたのか?
それは父が母に対して
【自分たちの息子なんだからそんなにやいやい言わず、見守ろう】
と言ってくれたおかげです。

そこから母が言わなくなり、私は自分自身と向き合う時間、そして始めはしんどいながらも梅の農作業を手伝い、1か月ほど経った頃、食事が美味しい、風呂が気持ちいいと感じるようになり、だんだん脳が回復し、読書が
できるようになり、心理学、認知行動療法と出会うことで回復していったのです。

【朝起きる、きちんとご飯を食べる】

経ったこれくらいのことと、出来て当たり前とお母さんは思うでしょう。
これをできるようになることがひきこもりやうつの我々当事者にとってどれだけ難しいことなのか、お母さんは理解する必要があります。

私自身、当事者の方が家に居ながら支援をすることが多くあります。
その時に一番困るのが、【母親からの指示、教示が止まらないこと】です。

大抵、ひきこもりや鬱になるお子さんは従順な子です。
母親が常に先回りをし、こうした方が良いと教え、それに従わせようとします。
特に発達特性があるとより、それが強固になり、この年齢になれば
【せめてこれくらいは出来て欲しい】
と思うようになり、苦手を克服させようとします。

子からみるとどうでしょうか?
常に従わないといけないですし、自分の苦手なことを常に我慢しながら、
できるように、良い子になるようにむりやり演じようとします。
この時、獲得するスキルは
【自分を殺して、我慢する】
ということです。
このスキルを学校や社会人になっても守り、
【言われたことしかできない、しんどくても誰にも相談せず我慢する】
という大人に育ちます。
ただでさえ苦手を言われ、そして我慢し続けないといけない。
これでは、【心というコップにストレスという水を入れ続け、水を抜くという行動さえもできない状態】になり、
【精神疾患を発症させる要因】
となります。

これが【過剰適応】というものです。

鬱から回復するにあたって必要なことは、自分自身の状態を点数化し、その点数に合わせて、

①その日の行動を決める(これはできる、出来ないを判断し、伝えたり、相談すること)
②HPをゼロにせずに可能な範囲で食事、運動、睡眠の質を高めること(適度な休憩や回復手段を取る→翌日や長い目で見たときにつぶれないように)
③第一に自分を大切にでき、ごきげんであれる時間を増やすこと(心理教育、認知行動療法の実践)
が最も大切になります。

例えば上記の
①ご飯を食べる
②朝決まった時間に起きれる
この二点を目標にしても、
母親から買い物に行くけどこない?
○○があるから行って来たらどう?
運動が大切だから散歩に行ったら?
などが起こってしまいます。
良かれと思っての行動が、結果、子の回復を妨げているということに気が付いていないのです。

子は運動中楽しそうにしていた
買い物出来て喜んでいた
言ったことができた

これは母親自身がやらせた結果、良い結果が生まれたのではなく、
過剰適応しているだけなのです。
これを続けた結果、我々の支援が上手くいかず、結局途中でつぶれてしまい、お母さんから言われた通りやったのにどういうことなのか?
とお怒りの連絡がきたこともかつてありました。

【いやいや、あなたのせいですよね?】

と私は言いたい所をぐっとこらえて、丁寧に繰り返し、説明を行いました。
しかし、そういうお母さんはなかなか理解されず、別の支援機関に行き、そこも上手くいかず、現在もその子はひきこもっているそうです。

人は自分の誤りをなかなか認められなかったり、普段から指示、教示が癖になってしまっている場合にはなかなか難しいことも理解できます。

しかし、それが子の回復や自立を妨げてしまっていることを知らなければなりません。

それを辞めることが出来れば、子は
【自分で考え、問題解決方法をあーでもない、こーでもないと親以外の大人や仲間たちに学び、自分に合った解決方法、つまりスキルを身に着けること】
が出来ます。

苦手なことは誰かの力を借りて、得意なことで評価され、認められると、人は安心して日々の生活を送ること、自分を大切にすることが出来るようになります。

これを読まれたお母さんへ
私はこれでうまくいった、あってると思うかもしれません。
しかし、その方法はお母さん自身が上手くいったスキルや専門家が言ったスキルです。

子にとってそれが、そのタイミングで必要かどうかはわからないのです。
ひきこもりかつ鬱になってしまった子は本当に従順で、言われたことを守ろうとします。
始めは適応できても、一つできればこれもできるだろうと言われ続け、だんだんと心が疲弊し、やる気がなくなり、最後にはこんなしんどい人生、生きていても仕方がない、何も楽しいことがない、死にたいという風になってしまいます。

子を自殺で亡くして後悔するよりも、今、考えを改めて頂き、

【優しく見守ることも愛】

だということに気づけて頂ければ嬉しいです。

最期に
私も友人を亡くしています。
その彼も優しく、言われたことを守り、学生時代は無遅刻、無欠席でした。
会社でも仕事を終えるために会社の寮に夜中の3時に帰り、6時に出社するということを最後の方にはやっていました。
彼は会社で初めての寝坊をし、関係先からの着信が複数あり、パニックになってしまって、それがきっかけとなり自殺してしまったのではないかと思います。

※あくまで私の推論で親御さんやご家族を批判するわけではありません。
それまでの人間関係の中でも従順であることが強化されることは十分にあり得ます。

なんでこんな良い子が。。
まじめで従順な子ほど、自分を大切にできず、周りに合わせて空気を読むことで無理をし、最後にはつぶれてしまう。

これは本当に悲しいことです。
このnoteが
【多くの本当は想いや愛情のあるお母さんに届いて、間違ったやり方で接してしまわないように】
なれば、本当にうれしいです。

ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

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