瞑想とブレイン・コンピュータ・インターフェース
▼ 文献情報 と 抄録和訳
長期にわたる瞑想の実践が感覚運動リズムに基づくブレイン・コンピュータ・インターフェース学習に及ぼす影響
[ハイパーリンク] DOI, PubMed(Full text), Google Scholar
[背景]
SMR(Sensorimotor Rhythm)(※感覚運動リズムのこと)ベースのブレイン・コンピュータ・インターフェイス(BCI)は、ユーザーが運動イメージを用いて運動制御を行うための代替手段を提供する。この種のBCIは、非侵襲性、使いやすさ、低コストであるにもかかわらず、トレーニング時間の長さやBCIの非効率性などの限界がある。瞑想は、マインドフルネスや気づきを向上させるためのメンタルトレーニング法であり、精神状態に良い影響を与えることが報告されている。
[方法]
本研究では、1次元(1D)および2次元(2D)のカーソル制御課題において、瞑想経験者と瞑想未経験者の行動および電気生理学的な違いを調べた。
[結果]
瞑想者は両課題(1Dおよび2D)において対照被験者よりも優れており、瞑想者グループにはBCI非効率的な被験者が少ないという数値的証拠が得られた。最後に、両グループの神経生理学的な違いも探り、瞑想者は課題中に対照者よりも高い安静時SMR予測値、より安定した安静時muリズム、より大きな制御信号コントラストを持つことを示した。
▼ So What?:何が面白いと感じたか?
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✅まず、用語の説明から。BCIの説明は以下の記事で分かりやすく解説されている。
ブレイン・コンピューター・インターフェース|これからは、コレ!|ITソリューション&サービスならコベルコシステム (kobelcosys.co.jp)
もはや、「アレクサ」と呼びかけなくても、頭の中でイメージするだけで、自分が意図した行為を行えてしまう可能性がある、ということだろう。
しかし、そこで問題となってくるのが、「正しくイメージできているのか」ということ。今回の論文は、その「正しいイメージ」が、瞑想実践者の方がより正確に行えている、という風に解釈した。
近い将来、BCIが普通に臨床に取り入れられる時代がくるかもしれない。その精度を高めるため、私たちが治療の一環として、「瞑想」を教える時代も、もしかしたら来るかもしれない。
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医療従事者と研究活動における道徳感についても記事にしていますので良かったら読んで頂けると嬉しいです。
最後まで読んで頂きありがとうございます。今日も一歩ずつ、進んでいきましょう。
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