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言葉を駆動させるアートとして 増田セバスチャン氏『Fantastic Voyage』を観賞して考えたこと
2月は気温差や気圧差にヤラれる一方で、タスクを数本走らせることに追いつかず、メンタル的にキツくてなかなかテンションが追いつかずに歯がゆい思いをした。とはいえ、自分の感性に刺激を受けるような出来事もあったので、「まだまだやれる」という気持ちを新たにすることもできた。
ここでは、その出来事のひとつ、増田セバスチャン氏(以下、セバスさん)の新たなプロジェクト『Fantastic Voyage』で感
『フェミニズムはもういらない、と彼女は言うけれど』を読んでみた
一般社団法人ホワイトハンズ代表理事の坂爪真吾氏の企画『シン・これからの「フェミニズム」を考える白熱討論会(#シンこれフェミ)』を聴講するために、ゲストの高橋幸氏の『フェミニズムはもういらない、と彼女は言うけれど』を拝読したので、ポイントをざざっとメモしておきたい。
本書では、英語圏における1990年代のフェミニズムが社会的な役割を終えたという「ポストフェミニズム」を概観しつつ、フェミニズムへ
『「許せない」がやめられない』を読んでみた
SNS上での、とりわけ「ネットフェミニスト」に焦点を当てて、なぜ個人的な怒りが増幅してしまうのか、ということに真正面から切り込んでいる一般社団法人ホワイトハンズ代表理事の坂爪真吾氏の著書『「許せない」がやめられない』を拝読したので、簡単に感想をメモしておく。
坂爪氏は、東京大学の上野千鶴子教授のゼミ出身ということもあって、女性学→フェミニズムへの造詣が深い。それだけに、性志向の少数者をフェミニ
ジェンダーとか気にせず服選んで着たいよね、というおはなし
『ジャンプ』や『マガジン』『サンデー』も読んでいたけれど、熱心に追ったのは『りぼん』『花とゆめ』というParsleyにとって、作中の女子のかわいらしい服というものはずっと憧れの存在だった。「あー自分も女の子に生まれたならこういうの着たかったな~」とか思っていた。
そんな乙女成分が強いマインドで育った自分が、はじめて女子服を取ったのは、確かレディースのTシャツだったように思う。何の柄だったか忘
「師匠」がいないということ
超お久しぶりの『note』の投稿になる。この間、お仕事に追われて追われて追われて追われて、ぽっきりと折れて失声症になって慌てたり、まぁいろいろあって長いお休みになって、ようやくなんとか「書ける」ようになってきたところ。まだまだ十全とはいかないけれど、焦らずゆっくりと、足どりを確かめるように前へと進みたいと思っている。こちらに何か書こうと思ったのは、『Twitter』を眺めていて常見陽平先生のツイ
もっとみる僕が知っているアダルト業界の2、3のこと
僕がブログをはじめたのは2004年の秋。その年に大手アダルト企業の出版部門に入った。そこでの業務は多岐に渡った。営業もやったし、広報もやったし、編集もやったし、イベントの企画進行から当日のMCまでやった。今では普通になった雑誌の電子書籍化にも関わった。在籍していたのは3年間に過ぎないけれど、大げさに言えば10年分に匹敵する経験を積めたと思っているので、つらいことも沢山あったけれど、今では感謝の気
もっとみる『本屋入門~双子のジャンク堂編~』
文学フリマでクロフネ3世さんのブースでなんとなく気になって買ってみた。『本屋入門 あしたから本屋さん』という企画をまとめたもので、期間限定の本屋を開くための講義と実践の記録集といったところ。
個人的に、最近の本屋のことが好きになれず、むしろ憎んでさえいるという人間からすると、「ぼくがかんがえたさいきょうのほんや」を企画するというのは正直あまり好意的になれない。僕は(たとえ取次流通に乗ったまま