「恋するスピリチュアル 第二部」あの日の夢
あれは、もうずいぶん昔の事だった。
私はその頃、短大生で、生まれ故郷の南の島を離れ、本土の学校へ通っていた。
短大では、寮に入り、文学ゼミで、週に三冊もの近代文学を読んで感想文を書かされ、放課後は美術部で油絵を描いていた。
同年代の女の子達と切磋琢磨し、お喋りに興じ、漱石や鷗外、鏡花や有島を読む日々…。
充実はしていたが、なにせ生まれて初めて親元を離れたので、寂しかった。
幸いそこは、本土とはいえ、同じ県内だったので、親戚たちがおり、私は、母方の叔父さんの家へしょっち